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おねむなアシカと共にぷかぷか(ラパス/メキシコ)

2023年11月14日、世界一周旅行の幕が上がる。
南米に始まりじわじわと日本に近づいていく魂胆。
パートナーと共にだいたい3年ほどかけて巡るつもり。
旅情80%ぐらいのかんじで緩く書いてまいります。
現在メキシコ。

海洋生物の宝庫とも謳われるメキシコのバハ・カリフォルニア・スル州。

その中のカボ・サン・ルカスに滞在し、
見事撃沈したのが先日のこと。

正直納得のいかないツアーだったので、カボ・サン・ルカスは早々に立ち、ラパスへと向かった。

ラパスの現代的なビーチサイド。
カリブ海側とは違い、アメリカナイズされた雰囲気。
水平線上に山が連なっている。
岩肌が向き出ている山。
海の街だけど、乾燥している。
カラフルな装飾があると一気にメキシコムード。

前回滞在していた場所からラパスまではバスで2時間半ほどの距離。

そう離れてはいないけど、見れる海洋生物は変わってくる。
ここでのお目当てはアシカだった。

ほんとは素潜りが好きなんだけど、アシカの生息地では禁止されていた。
なので、スキューバダイビングをすることにした。

アシカは狭い範囲で暮らしていて、ゆったりとコロニー内を周回するように泳いでいる。

先日のイルカのように大海原を駆け抜けているわけではなさそうなので、生息地に行けばほぼ確で会える。らしい。
(先日のことがあるので、疑いの眼差し。)

そして今の時期は、今年生まれたアシカの子供がたくさんいて一緒に遊んでくれるそう。
検索して出てくる動画ではアシカがダイバーにくっついてきたり、フィンを噛んだりと好奇心旺盛だった。

なんと可愛い!
一緒に遊びたい気持ちは膨らむ一方。

早朝、ダイビングセンターへと向かった。
今回はこちらのショップを利用した。

結論から言うと、とてもいいショップだった。
日本人スタッフの方がいてとても救われた。

今日はこの小さな船で大海原をかける。

道具を確認して、
いざ、出航。

今日は3ダイブを予定している。
そのうち1、2ダイブはアシカのコロニーに訪れる予定だった。

(スキューバダイビングは基本的には1ダイブ50分ほど。
場所を変えて何回か潜る。)


出航してすぐ、波が大きくてかなり揺れた。
そしてスタッフから一言、
「今日は風が強いから、アシカの生息地に行くのは難しい。」

なんと…。
運がないと思った。

バハカリフォルニア、何が海洋生物の宝庫だよ。
と、悪態が脳内を巡る。
が、自然のことなので仕方がない。

説明を聞くと、
アシカのポイントは風上にあり常に吹きさらし状態だそう。
辺りに珊瑚礁などもないので、波が砕けることなく直撃するという。

この小さな船ではそこに近づくことができないらしい。

そしてこの小さな船にも事情があった。
このあたりはガソリンを船でメキシコ中心部から運んでくる。
ガソリン代が高く、ダイビングの船は小さいものでないと経営していけないそうだ。

しかし、大きな船じゃないと今日みたいな波の高い日はアシカの生息地に近づけないという。
この辺りのショップが抱えるジレンマだ。


これがバハ・カリフォルニアの現実だった。

なるほど、そう簡単に海洋生物に出会えるわけないか。
なんというか、人間が無理矢理にでも会いに行こうとしてる感じだ。

前回、イルカと出会したときもそうだった。

イルカは必死でマグロを追いかけ、私たちのことなど眼中になかった。
群れはものの3分ほどで過ぎ去ってしまい、広く深い海と人間だけが残った。

その時も風が吹き荒れ、船は揺れ、海に飛び込んだ後も波に飲まれそうになっていた。
イルカとマグロが去った後のシーンとした感じ。
ポツンと私たちだけが残された感じ。

やはり海は、人間が行く場所じゃない。

そう思うと、今回アシカに会えないのは当然のように思えた。

ここのダイビングショップのスタッフは
本当にホスピタリティ溢れる人で、
アシカが見れない理由や、今日行く他のポイントを全力で説明してくれた。

おかげでダイビングは楽しめた。
3ダイブの内、2ダイブは沈船をまわったんだけど、どっちも良かった。

とても大きな沈船だった。
今までに見たことのない規模に圧倒されたし、
人間の作り出すものの儚さや、当時から眠っている記憶なんかを想像できるダイビングだった。

そして最後のダイブ。
アシカの子供たちがいる場所には行けなかったけど、
なんと!大人のアシカには会えた。

ほんとに、ほんとに嬉しかった。

生息地はいくつかあるようで、比較的穏やかなところがあるみたいだった。

私たちの思いを汲んでくれたスタッフの方が海の様子を確認し、無事近づくことができた。
とてもありがたい。

ここも波が強くなるとアシカは移動してしまうらしいんだけど、いた。

いっぱいいる!
ちょっと近づいてきたり、
離れて行ったりを繰り返す。
基本的にみんなでくっついて泳いでいる。
泳ぐというか、浮かぶというか…。
ずっとこんな目をしている。
眠そう。
後ろ姿もなんと愛おしいこと。


成長したアシカは人間への興味は薄れている。
遊ぶことはできなかったけど、十分観察できた。
というか、遊ぶとかじゃないぐらい
ねむねむしてるのがたまらない。

泳ぐというよりかは、一緒にフヨフヨ〜と海中を漂った。

愛おしき、海のわんちゃん!
可愛くて、愛おしかった。
見れて幸せだ。

やっぱり、この広い海で海洋生物に会えるなんてとんでもなく貴重なことだ。
一緒に遊ぶなんて、奇跡なんだな。

生息地ってつまり、動物のお家だ。
ズカズカ入っていって怒られないこと自体すごいことだな。
私たちは喜んでいても、動物側にはまるでメリットがない。

勝手にお邪魔して、潜って、観察して、
動画を撮ってインターネットに放り出す。
(すごく人間だなあ。)

本当は直接交わることなんかない人間と海洋生物。

海って入るようなもんじゃないのに、
文明の進化に身を委ねて潜っている。

機会を作ってくれているダイビングショップの方にも感謝である。

きっとこれからも私はその機会に飛びつき、
道具に身を任せ、
無理やりにでも海洋生物に会いに行くんだろう。

そして会えないもどかしさにモヤモヤしたりもするんだろう。

そう、わたしはこんなにも自然界のリアルを痛感しているのに、
イルカと泳ぐ夢は醒めない。

プロフィール:

1996年、サブカルインドア人間として大阪にて誕生。
服飾専門学校卒業後テキスタイルデザイナーを務めるが都会的な暮らしや流行に嫌気がさし退職。
2021年、沖縄県の宮古島に移住。
趣味だったハンドメイドウィービングや料理の仕事に就く傍ら、フリーダビングにはまり毎日海で泳ぐ。
さらなる自然への興味と世界を深く解釈したい欲が矢を放ち、世界を駆ける。
ラジオとゲーム実況が好き。

情報記事はこちら。
https://maryojourney.com
良ければインスタグラムも覗いてみてください。
https://www.instagram.com/_maryo.san_



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maryo/世界一周中
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