地元に愛され78年、日々に寄り添うアイスクリーム(メキシコシティ)
清々しい朝だ。
今滞在しているアパートは風通しが良く、
朝、窓を開けると冷たい空気が流れ込む。
ちょっと寒いけれど、そうすると気持ちが引き締まる。
寝起きに真新しい空気に触れると、
今日はいい1日になりそうだと思える。
昨晩、作っておいたポタージュ飲んだ。
冬のメキシコシティの朝晩は寒いので、あったかいスープが染みる。
滞在しているエアビーが完全に“当たり”だ。
ちょっと古いけど、広いし、清潔。
キッチンは使いやすいし、シャワーのお湯もでる。
電熱ヒーターもある。
窓を開けて気持ちいいと思いつつ、やっぱり寒いのでにじり寄る。
そしてここのアパートは騒音問題がない。
なんと嬉しいことか。
こんなに都会なのにな。
滞在しているのは、メキシコシティの中心であるロマ地区。
栄えていて、ちょっとヨーロピアンな街並みだ。
なぜかこの辺りは“メキシコの代官山“と言われることもあるようで、
最初はよくわからなかったけど
確かに通りには服屋、カフェ、雑貨屋、ギャラリーが並んでいる。
数えきれないほどあるし、内装も商品もおしゃれだ。
パリのスナップ写真に出てきそうな、ファッション好きであろう人たちも歩いている。
犬のお散歩をしていたり、
テラスでコーヒーを飲んでいたりと、
絵になるなあと思う。
このロマ地区の好きなところは
おしゃれで現代的なのに、路上にモクモクと煙を上げるタコスの屋台があったり、
可愛い古着屋の前のベンチで地元のおっちゃんが駄弁っていたりする。
そのおかげなのか、別にすっぴんでも歩けるなと思う。
実際、お散歩している人の中には着飾っていない人もたくさんいる。
カルチャーが詰まったおしゃれタウンなのに、肩をはらなくていいんだ。
ここに馴染まなきゃって思わなくていいんだ。
これって、なんていい気持ちなんだ!
もしも東京なら、と考えてみた。
おしゃれな服屋さんに行くときは、おしゃれしなきゃいけない感じがするし、
すっぴんで百貨店の化粧品コーナーに行ったら相手にされなさそうだ。
ファッションって場所に合わせてコーディネートする楽しさがあるから、それはそれでいいけど時に息苦しくもある。
メキシコシティではそんなこと、気にしなくていい。
ここはヨーロッパのようなロマンチックさと、
ラテンの明るく素朴なムードが合わさった街だと思う。
この二色の混合感。
いいところ取りだ。
この旅中、ロマ地区に滞在するのは2回目。
前回は2週間ほど居たんだけど、全然足りなかった。
美味しいお店も、居心地のいいカフェも、
気になる美術館も無数にあった。
今日も街をお散歩して、古着屋さんに行ったりした。
お腹が空いたらタコスを食べる。
そしてまた街歩き。
途中、日本が好きだというメキシコ人に話しかけられておしゃべりしたり、
歩くのに疲れたらアイスクリーム休憩。
いい日だなあ。
ここのアイス屋さん、とっても気に入った。
なんと1946年創立らしい。
老舗だ。
どの味にしようかと悩んでいると、次々にお客さんがやってきた。
みんな自分のお気に入りがあるんだろうか、迷いなく注文していた。
そしてアイスを受け取ると席には座らず、
食べながらお店を後を去ってく。
“地元に根付く店”というのを
目の当たりにした瞬間だった。
みんなの忙しい日々の中にある、ちょっとした休憩なんだろうな。
平日だったからか、訪れる人は近所に住んでいるであろうお母さんとか、スーツに身を包んだビジネスマンばかりだった。
アイスの味はというと、
めちゃくちゃ美味しかった。
ダークチョコレート味を食べた。
シンプルで、まっすぐな味だ。
食感は濃厚でねっとり、なんならモチっとしている。
リッチな味わいなのに
手作り特有の素朴さがあるっていうか、なんだか温かさを感じた。
(アイスに温かいって感想は変かな?)
きっと78年前から変わらず愛されているんだろうな。
だから温かいんだろうな、と思った。
お散歩で疲れた身体にアイスが巡る。
改めて思う。
いい街だな、メキシコシティ。
日々の街ぶらを活かして記事を書いてみました。
メキシコを訪れる際はぜひ参考にしてください。