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「持ち家派か賃貸派か」論争まだやってたの?ガチ理系の俺が全員論破する(1/6)

こんにちは。タカナシと申します。普段はメーカーで研究職をしています。研究の一方で私は個人資産運用にも力を入れており、会社非公認で同僚に資産運用の基礎などを教えています。ここnoteで、私の力が少しでもお役に立てればと筆を執った次第です。

私の講義の中で、同僚は「持ち家と賃貸のどちらが得なのか」とよく質問してきます。私の講義を聞いてくれる方はまだ入社2・3年目の若手の方が多く、関心があるのでしょう。わかります。不動産は大抵の人には人生最大の買い物です。

私はこの返答にはしっかりと練りこんだ講義スライドを用意しています。一時間程度の時間を取り、いかにも理系らしい筋道建てたプレゼン、そして誰にもわかりやすく面白い完璧な解説をします。そして最終的な答えは「持ち家賃貸どちらでもお好きなように」です。

ところでこの持ち家賃貸論争、ファイナンス的にとっくに決着がついていて、講義をする誰しもが私と同じような説明をするものと思っていました。

しかし今日、初めてnoteというサイトを覗いてみて驚きました。記事ごとに言ってることがバラバラ、説明も全然明瞭じゃない。結論も著者ごとに違う。30記事くらい目を通してもう疲れました。大抵の記事は基本が抜けていて、「それってあなたの感想ですよね」というものばかり。これは、私が書くしかないでしょう、長くなるけど(ただし、いい記事もありましたよ)。

この記事では、持ち家と賃貸の優劣を金銭的な面でのみ論じます。noteには「持ち家だと家族の絆や思い出がより深まる」などといった精神論も散見されます。私はその価値観を否定しませんが、私の記事では立ち入りません。そこで次のような読者を想定しています:

* なんとなく賃貸に住んでいて、結婚したら家を買わなければいけないような気がして滅入っている人

* 不動産屋さんで「賃貸は家賃を払い続けても何も残らないけどマイホームは家が手元に残る」と言われ、モヤモヤしている人

* 奥さんや親族に家を購入するように迫られているが上手く言い逃れられない人

こういった人たちが、「私はこういう理由で賃貸を・持ち家を選択する」と明確な根拠をもって宣言できるようになる、これがこの記事の目標です。

それでは、お付き合いください。

バランスシートって何だろう?

賃貸と持ち家の優劣を論じるために絶対に欠かせないツールがバランスシートであると私は断言します。バランスシートは貸借対照表とも呼ばれ、簿記会計を習うと必ず登場します。個人的にはバランスシートの助けがなければ明快な説明は不可能です。話上手な人はできるかもしれません。

とは言っても賃貸持ち家論争の決着にバランスシートの詳細な知識は必要としません。そこでまず初めに、バランスシートの大まかな概念を説明します。ここでのバランスシートに対する理解は、ここでの議論だけでなく、お金の判断における人生の様々な場面で役に立つでしょう。

バランスシートは経済状況の健康状態を表す

バランスシートは法人・個人を問わず、その経済的な健康状態を表すスナップショットです。グーグル画像検索をしていただくとバランスシートがどのようなものかわかります。それは味気ない数字の羅列なのですが、その表はまず縦に二分割され、さらに右側が上下に分割されるという特徴的なフォーマットを持っています。そして区切られたそれぞれの欄にいろいろな金額が記入されるのです。

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Assetの欄には、個人の場合には「今自分が持っている換金できるものすべてと現時点でのその価値」を記入します。貯金、株、自動車、等々です。

Liabilityは要するに借金です。私たちはAssetを手に入れるために借金を使うことがたまにあります。例えば自動車ローンを使って自動車を購入したなら、バランスシートの上にはAsset欄に自動車を計上してLiability欄に自動車ローンを同時に計上するのです。

最後に、EquityはAsset上の金額からLiability上の金額を引いた額です。つまり、Equityの金額が、その個人の純粋な持ち分です。計算の定義上、右側と左側の金額は常に一致しています。これがバランスシートなのですが、これでどうして経済の健康状態が図れるのか、次回の記事において架空の3人を例に、実際にバランスシートを書いてみたいと思います。

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