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メモ:出口治明 最後の講義(NHK)

響いたので、備忘録としてメモします。
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・推薦を受け、学長の面接に声がかかった。APUの公募条件は、博士号・英語・大学の管理運営経験だった。そのどの条件にも自分は当てはまっていない。しかし、成り行きで学長に。選ばれたから、がんばるしかない。
→モチベーションは、あきらめから生まれる。あきらめ=現状をリアルに受け入れること。

・誘われたら断らないタイプ。

・ガキ大将だった少年時代。ケンカは一方的には勝てない。3発くらい殴られ、5発を殴り返すことで勝つ。
しかしアレクサンダー大王は10年間、勝ち続ける。なぜ…?調べると、新しいメンバーが絶えず投入されていたから、と知る。
→これがエビデンス(根拠)。なぜ?を繰り返して、エビデンスを掴む。
・大学生活は就職時、なりたいものもなかった。法学部だから、弁護士試験を受けることに。しかし試験に落ち、すべりどめとして友人の声かけで受けていた生命保険会社へ就職。売り手市場ではあったが、就職なんて、そんなもの。
・愛読書はダーウィン、種の起源。コロナウイルスしかりだが、何かが起こったとき、強いものや賢いものが残るのではない。運と適応。偶然、誰かに会う。そのとき、adjustした者だけが生き残る。
・部長になった頃、当時の社長と意見の食い違いがあり、出向人事を受け、暇に。誘われて、ライフネット生命の立ち上げ、還暦ベンチャーに。
・どうやったらいいひとに会えるのか?そんなものわかったら、誰も苦労しない!誘いを受けたら「まずYes」から始め、いろんなひとと会ってみればいい。

・まず、現状を分析すること。人間は見たいものしか見ない動物。世界をフラットに見るには縦(歴史)横(世界)算数(数字・ファクト・ロジック。イデオロギー・思い込みを解きほぐす。エビデンスベースで考える。
・この30年でなぜ日本が低迷したのか?
 GAFAやユニコーン企業があまり誕生しなかった。女性の社会的地位が153ケ国中、121位。これらは、実はつながっている。
 GAFAが手掛けるサービス産業のユーザーの7割が女性。それを50−60代のおじさんが考えられるか?ダイバーシティがない。社会構造の変化に需要と供給のミスマッチが発生しているのが原因。国際比較でみると、日本は、あまり大学や大学院へ行かないし、社会人になっても長時間労働で、勉強したくてもできない。
 これらが、日本低迷の根本原因。

〈Q&A〉
◎成長は必要か?そこそこだから良いのでは?
→一人あたりGDPは26位。日本は高齢化が世界で一番進んでいる。お金がかかる。今のままの状態を続けるだけでも出費がかさみ、貧しくなる。生活水準が下がって良い社会になったことは歴史上、ない。せめて現状をキープするだけの成長は必要では。

◎権力を持つ側が、加害性と向き合うには?
→地位が高いほど、アンコンシャスバイアスが強い。1.知識・教育 2.社会の構造。その両方で取り組むべき。前者はどうしても自己責任論という「迷路」に入る。後者のアプローチを。DVの背景には、貧困や職場ハラスメントがあったりする。性分業を前提にする社会保険制度の見直しも必要。

◎顧客の「腰が重い」。変わろうとしない。そんなひとを動かすには?
→そういう会社は滅びていく。新陳代謝を良くして、新しいものを生むことが大事。部分最適と全体最適の問題でもある。

◎自分は障害者。インクルーシブ&ダイバーシティの言葉が先行してしまい、進んでいないように感じる。
Knowledge is power.(フランシス・ベーコン)IBMでのエピソード。全盲の社員が、音声デバイスと人間のインターフェイスを開発したいと提案。上司に反対されつつも推し進め、粘り強くアプローチしたところ、マーケットは当初想定より大きいことが判明。「全盲であることはハンデと考えていたが、これは私の個性。」置かれた状況のなかでできることにチャレンジすることは、自分が考える以上の大きい影響・マーケットを開く。さまざまなハンデについて、お互いに知る、シェアすることから、ちょっとずつ前に進める。
考えてもしかたのないことは、考えない。だから、死生観も、ない。死ぬのも偶然。死んだら、星のかけらに戻るだけ。向こうで新しいものになるなら、ワクワクドキドキする。

〈さいごに〉
・人間の人生は自分で選べるわけではない。いろんな出会いのなかで人生が決まっていく。ほとんどのひとは大坂なおみ選手ほどの個性はないのだから、迷うのは当たり前。勉強すれば、好きなものもかわっていく。今、やりたいことや好きなことが見つからなくても、焦らない。一生かかって探せばいいだけ。
・人生とは、川の流れに流れていくもの。
・やりたいことがあるなら、目標に向かって泳ぎきれば良い。やりたいことが見つからないなら、流れ着くところが運命。そこでめいっぱいやれば、面白いものが見つかるかもしれない。

Go where nobody has gone,
Do what nobody has done.

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