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2021/3/24 「スーツと個性」

就活生の証でもあるリクルートスーツ。最近自分のスーツ姿にも慣れてきて、嫌だなと思うこともなくなりました。むしろ、企業からのお知らせで「服装:私服」と書かれている方が嫌なくらい。スーツの方が自分は就活生だと自覚できて、やる気が出ていいじゃない。そんなふうにも思えるようになってきました。ただ、前髪をピシッと横分けにするのはどうしても嫌で、触角だけは譲れず、作らせてもらっています。もっと小顔だったら。髪の毛が薄くなければ。私だって言うこと聞きました。

まぁともあれ。初めての対面型面接。渋谷駅で乗り換えて、京王井の頭線で下北沢まで行ったときのことです。


予想はしていましたけど、さすが古着の聖地、下北沢。正装の私。浮きに浮いておりました。もう電車に乗ったときから感じていたけど、あっち方面に向かう人たちは本当に皆さんおしゃれだから。個性で溢れているから。服が好きなんだろうなぁって伝わってくるから。すごく、申し訳なかったです。

夢の国に行こうってテンション爆上げの時に、スーツ着ている人なんて見たら、現実世界へ一気に逆戻りですよね。せっかく、日頃の生活から解放されようとしているのに。

下北沢へ行こうとしている人たちもきっとそうで。せっかく自分の好きな場所、好きな空間に行ける日なのに、本当にごめんなさい。身の小さくなる思いでした。


でも面白いことに、目立たないように目立たないようにと、すればするほど、というか、そんな私の切実な祈りなんて丸切り無視で。目立つんですよね(笑)

しかも30代くらいの大人の方とか、サラリーマンの方ならまだしも、こんな一番古着が好きそうな年齢の人、古着を着てそうな人が、古着屋がいっぱい集まっている町にスーツを着て行ってしまったら、そりゃあ目立つなんてもんじゃあないんです。

現に同世代と見える方達は、みんな古着で来ていたし。本当に場違いな人でした私。


でもこれって本当に不思議なことだなぁって思ったんです。

いつもは。就活就活って言っている人達の中では、オンラインのグループ面接では。みんな同じ格好で、髪型で、お化粧で。頭おかしくなりそうとか、これって何か意味あるのかなとか思っているのに、この日だけは私だけが着ているリクルートスーツで、そのリクルートスーツが私だけの個性になっていたんですよね。あれ凄く不思議で、すごく面白かったです。


スーツが個性って。聴いたこともなかったし、むしろ「個性を消している」って、反対のことを言われているのがスーツで。就職活動で一番と言ってもいいほど疑問とか反感を持たれているのがこのスーツだから。だからその分、頭にこの、不思議さが残ってしまいました。

電車に乗っている時も、道を歩いていても、お店の中に入っても。一番個性的なの、絶対私でした。「古着」「おしゃれ」の中で、一番目立っているのは、私でした。

目立っているから個性なのか?って話もあるかもしれませんが。

でもとにかく、一番は、「場所が変われば」「個性にもなる」「スーツ」っていうところです。

場所が変われば、個性と思っていないことでも個性になるかもしれない。と思ったということです。

今の場所では、特に目立たない存在、どうってことない部分、みんな持ってる長所かもしれないけど、ひとたびその場所から出てみれば、それは私やあなただけの個性になるかもしれないし、良いところ、になるかもしれないよってことなんです。


それからもう一つ。
「スーツ」はそれだけ曖昧で、ゆるゆるなものだった。

場所が変わったくらいで、多数派にも少数派にもなってしまう、そんな存在に惑わされちゃいけないなと思いました。スーツに怯えちゃいけないなって思いました。

そんな奴に負けてたまるかっ!って話です。そんな私の個性グラングランじゃないぞっ!ってことです。


でも、それを言うなら、表裏一体。一個前の話も、グラングランの個性に、ゆるゆるの良いところになってしまうじゃないかって。


自分で言ったことなのに、なにも言い返せません。やっぱり、「らしさ」って名前以外に、生きること以外に、ないんじゃないかなって。それが今の私の、かなり曖昧だけど、今の私が出せる正直な答えです。


またね👋






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