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【2020年10月更新版】上場SaaS KPI公表のすべて

(お知らせ)
「企業データが使えるノート」は2020/11/20より有料継続マガジンの提供を開始しました。本記事はβ版の過去の無償開放記事となります。最新のアップデートやデータの取得に関しては、コチラをご覧ください!

企業データが使えるノートでは、現役アナリストが上場SaaS企業のKPIを月次で集計し、データ化を行っています。

公表されている主要なSaaS KPIは網羅しており、決算説明会資料などからの個別確認することなく、データの利用が可能です。

なお、本データは、2020年10月時点においては無償にて提供を行っていますが、11月より有料マガジン内のコンテンツに移行を予定しています。

saaasがいよ

Excelデータは、以下のダウンロードページより取得可能です。

■ ファイルダウンロードページ
パスワード: 6ejg61xt

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KPIデータ中よりアップデートした2020/10時点のARRランキングは以下の通りです。

ARRランキング

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アップデート・新規カバレッジ企業に対するコメント

■ Rakumo
 9/28上場のrakumoは直近四半期売上高のSaaSサービスではARR6.4億円と上場SaaS企業では最も小さい規模です。成長率もYonY +23%と順調な増加ではあるものの、他社比較をすると抜きん出た水準ではありません。

一方で、初値付近のPSRが25倍を超える場面もあり、ARR・成長率に対して高いマルチプルを記録しています。直近は株価を下げており、IPO時初値プレミアムによって一時的に高騰したバリュエーションに対し、足元で調整局面に入っていると見られます。

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■ AI Inside
本月からデータ収録開始。

直近四半期ベースでのARRが20.2億円に対し、成長率が157.4%とSaaSでも屈指の伸び率を見せています。8/12の第1四半期決算公表では、35.9%の通期予想上方修正を行っています。

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通常のThe Model型のSaaS営業手法では、自社内で積み上げ的に売上を予測するので、第1四半期といった年度の早いタイミングで売上を修正することは滅多にありません。

一方で、AI Insideは、パートナー戦略をとっていることが飛躍的な成長率につながっています。自社プロダクトのみならず、OEM提供でのパートナー、特に今回の資料で挙げられているNTTグループの影響から大幅な売上げ予想の伸びにつながったと考えられます。

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■ スターティアホールディングス

本月からデータ収録を開始しています。同社のIR担当役員の方にも直接話を伺う機会があり、SaaS事業への注力状況を説明いただきました。

スターティアホールディングスは、「情報通信機器の販売や保守」を提供するサービスが売上の8割を占めており、現時点においては、いわゆるSaaS企業ではありません。

一方で、今後の重点成長領域をSaaSの「デジタルマーケティング事業」としていく旨を5/15に公表をした中期経営計画で明らかにしています。

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現時点で、同社SaaS事業のARR換算は13億円・10.5%成長という状況ですが、今後5か年のARR CAGRを30%という強気の目標を示しています。

現時点の当期予想ベースPSR 0.54倍という水準が示す通り、投資家からは既存事業に対しての評価を受ける形となっていますが、今後SaaS事業の成長が実績として積まれれば、異なった見方がなされる可能性があると考えています。

企業データが使えるノートでは、SaaSビジネスへの転換・進出を図る上場企業は増えると予想しており、その中でも意欲的に事業ポートフォリオ転換にチャレンジする同社の進捗をSaaS KPIやバリュエーションでトラックしていきたいと思います。

以上です。

「企業データが使えるノート」では、今後も継続的にnote上でSaaS/IPOのデータ・コンテンツを提供していきます。

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