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自己肯定感いろいろ

 自分自身に対しての評価を表す単語として、「自己肯定感」があることを最近知りました。佐藤友美さんの自著へのレビューを読んだからです。この言葉を知っていろんなことが腑に落ちました。

 自己肯定感に対して、低い-高い、外側-内側といった区分けがあるのかなと。低い-高いは、自己評価の高低。外側-内側は、自己評価の基準が自分自身の外側なのか内側なのか。全部で4分類。

①自己肯定感が低くて外側
 自身のスペック(外見や能力、経済力など)が低く、そういった外的要因
 が評価基準なので、自分より劣る人を貶めるか自分が役に立つ(=価値が
 ある)人であることを表明することで自己肯定感を上げようとする。
 ・いつも周りの目を気にして、自分の意見はあまり無く、たまにあっても
  言えない。
 ・強い口調や態度に弱いが、自分よりも劣る人には容赦ない。
 ・過剰な自己犠牲により、自らの価値を高めようとする。

②自己肯定感が高くて外側
 いわゆるプライドだけは高い人。ある程度のスペックがあるため自己肯定
 感はあるが、外的要因が基準なので、自分よりもスペックが良い人を許せ
 ない。劣っていることを認めることは自分自身の価値を棄損するのであり
 得ない。正当に評価されていないと感じている。
 ・批評や批判に過剰に反応する。
 ・おだてに弱い。
 ・周りの目が気になる。

③自己肯定感が低くて内側
 自分自身を信じ切れていないので不安はあるが、スペックには踊らされな
 いので振らつくことはない。
 ・孤立してしまうことには不安がある。
 ・周りの目が少しだけ気になる。
 ・自己肯定感を高める方法がわからない。

④自己肯定感が高くて内側
 最も安定しており、過ちを認めることや謝罪することにも何の痛痒も感じ
 ない。自己肯定を担保するものは自分自身の中にあり、外部からは棄損す
 ることや干渉することもできないため。
 ・他の人のスペックが気にならない。
 ・周りの目が気にならない。
 ・自分自身を大切にし、孤立しても自分の意見は言える。

 自己肯定感の高低は結果なのですが、評価基準が内か外かではかなり違ってきます。

 スペックなどわかりやすいものは共感も得やすいので評価基準にしがちです。ただ、理想的な顔立ちや体形などは時代によって変わりますし、頭の良さですら偏差値至上から柔らか頭の創造性へと基準が変わってきています。自分自身は何も変わらないのに、時代によって年齢によって、所属するグループによって自分の価値が変わってしまう。基準自体が不安定なので自己肯定感自体も不安定になり、それが攻撃性につながっているように感じます。誰かに取って代わられる不安に怯えてです。

 じゃあ内側の基準って何ってことになりますが、内側なので人それぞれでしょうね。私自身は、自分とした約束を守るということです。具体的に言うと、例えば「毎日最低1回、必ず誰かにありがとうと言う」とかです。言わなくても誰にもわからないけど、自分だけは守れなかったことがわかる。この約束を守り続けることができた時、「自分は約束を守れる人間なんだ」と自分自身を肯定できます。人から何を言われようが、自分がその約束を守っていれば常に証明されている自己肯定になります。

 これは私自身が②から①になり、いろいろ考えて③になり、今は④になった経緯みたいなものです。若い時には自分が「他人とは違う何者か」になろうとしますが、基準が外側だとほぼ上には上がいます。基準が内側になると、自分は「自分という人間」になれます。

 自己肯定感が低かったり脆かったりして、もしも今不安な人がいるなら、同じような不安を過去に抱えてきた大人の一人として、参考になればと思います。

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