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博愛精神の時期

めっきり季節が変わって、クリスマスのイルミネーションが夕暮れを昼間より明るく照らす。

この時期独特のやさしさとか博愛とかそういうものがちらちらしている中、メールやらLINEとかにあるはずの無い集まりのお誘いがそれでもボチボチ来る。クリスマス会とかのご案内がほぼゼロになった理由が、仕事をシフトして無駄な外出を無しとした。流行り病。年齢。そこら辺かな。

元々人付き合いをあまりしない自分にしつこくお誘いがある。これは地雷。

行きたくない返答に「もういいじゃん。他を誘ってあげなよ」と言えば「だって一緒に遊びたいじゃん」とか適当な事を理由にするけど、単にあなたは暇で時間つぶしに使いたいんでしょ?となる。

こんな話を優しい世界に住んでいる人に言えば「本当に一緒に遊びたいんじゃない?」なんて返事。

違うから。

予定していた東京行きも、本来平日だった。しかし、くどい位に誘う相手に断るほうが段々と面倒になってきた。相手は銀座の鮨屋で食事をしたいと言う。ご飯を食べる相手が居ないとか、しおらしい事を言うから渋々日程変更をする。週末宿泊は値段が上がるからそれも無駄だったし、目的というか理想というか自分の都合が変更になったことも少しイラつく。

自分にとって、このシーズンの週末に銀座なんてバカみたい。

話を戻して、暇つぶしが欲しくて仕方ない相手はネコナデゴエで言う。

「もーほっっっと優しいから」
「会えるのうれしいいい」

はいはい。どーも。って心の声で返事をする。

こういう嘘っぱちってすぐ露呈するんだよね。すっかり適当に口から出た理由を相手は忘れて「今日○○とデパートでぶらぶらして、その後ご飯を食べてきた」

あんた、「ご飯をする人が居ない」って言ってませんでした?
もひとつ言うと「時間がその時しかないの」とも言ってたけど?

つい最近まで優しい人の別バージョン『良い人』って言い方をよく口にしていたけど最近誰も言わないのは、内在する『都合の良い人』と『どうでもよい人』がバレていると言う事が認知されてきたからだと思っている。
相手もそこは気付いて使わない。


相手は屈託も無く「週末楽しみ~」と言う。
全然楽しみじゃないよ自分はね。


多分、週末はすっかりクリスマスモードの銀座をウロウロするんだよ。
相手の行きたい場所に桃太郎の猿みたいにうしろから付いて行く。

鮨屋で大将に向かって「この人名古屋から来て、ご飯が一人で可哀そうだから誘ったの」と平気で言うだろう。博愛精神ありがとう。

だから自分も「本当銀座は不慣れだし、誘ってもらえてうれしいわ」って言うだろう。

本当に似非博愛精神なんてくそくらえ。


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