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CAMPFIRE AngelsのリブランディングとWebサイトデザインの過程

この記事は、2020年11月にCocodaGalleryに掲載した記事を転載したものです(元の記事は以下)。

こんにちは。CAMPFIREグループのデザイナーのあゆみです。

CAMPFIREグループでは、購入型クラウドファンディングの「CAMPFIRE」を含めたいくつかのクラウドファンディングサービスを運営しています。

こちらの記事では、今年8月にリリースした株式投資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Angels」のリリース前に行ったことについてご紹介します。(※運営会社:DANベンチャーキャピタル株式会社)

ちなみに株式投資型クラウドファンディングとは、エクイティファイナンスによる資金調達をしたい非上場企業と、非上場企業に投資をして株主として応援したい投資家を繋ぐプラットフォームです。

(サイトはこちら https://angels.camp-fire.jp/

リニューアルの背景

実は今回は、新規サービスではなく既存サービスリニューアルでした。

昨年グループ会社となったDANベンチャーキャピタルが運営していた株式投資型クラウドファンディングサービス「GoAngel」を、CAMPFIREのサポートのもとブランディングを新たにして、サービス名もサイトも一新して再リリースする、というものです。

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リニューアルの主な目的は、既存サービスのビジネス面での課題を解決し、CAMPFIREのグループサービスとしてより人のため、社会のためになるサービスに生まれ変わらせることです。

行った内容は、リブランディングやそれに伴うSI設計・ロゴ作成、サービスサイトの設計・デザインなど。

サービスサイトは、既存サイトの改修ではなく0→1で設計することが決まっていました。

デザイナーの私がリサーチから着手しはじめてリリース前のデザイン業務を完了するまで、サイトの開発と並行して、約3ヶ月の期間で行いました。

リサーチ

まずは、前身サービスの現状の把握、業界やユーザーのリサーチから入りました。

株式投資型クラウドファンディングの仕組みで解決できること・できないこと、法的な制限や必要機能、このビジネスモデルを利用してどのような人たちにどんな価値を届けることができるのかなど、主にインターネット検索や知人へのヒアリングで、まずは最低限把握するべきことを把握します。

機能や仕組みについては前身サービスをもとに、国内外の同業サービスや関連サービスも参考にしながら把握しました。

また、サービスのユーザーとなるのは起業家や投資家ですが、自分はそのどちらでもないので、双方の考えていることを少しでも理解すべく、どんな人たちなのか、何が求められているのか、どんな課題があるのか、前身サービスについてどう感じているのかなど、メディア記事やブログ、SNSで情報収集しました。

世界観・トンマナ検討

事業戦略担当のメンバーが主体となってサービスのターゲットやバリューを定義・言語化し、それをもとに改めてリサーチして、どんな世界観・ビジュアルでサービスを伝えるべきかを検討しました。

CAMPFIRE Angelsはスタートアップ企業のためのサービスにすると決めたので、スタートアップ向けサービスにふさわしい世界観はどんなものかを考えるため、イメージ画像を集めてFigmaにぺたぺたと貼り付け、もう少し深堀って考えをまとめたNotionと共にチームメンバーに共有して、イメージしている方向性がずれていないか確認しながら進めました。

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世界観を検討する上での軸は、ユーザーであるスタートアップ起業家が資金調達と同時に株主という応援団を見つけることができる場所、そして、そんな起業家にエンジェル投資したい投資家が集まる場所にする、ということです。

また、誰もがエンジェル投資家になれるという、まだ日本ではそこまで広く認知されていない仕組みのサービスのため、業界の外にもインパクト・革新性を広く伝え、業界全体を盛り上げることができるサービスにしていきたいという思いもありました。

ロゴ作成

先に検討したサービスの世界観を念頭に起きつつ、社内サービスや同業他社、近い業界のサービスのロゴも改めて見直しながら、方向性を絞っていきました。

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そして決まったのがこちらのロゴ。

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「CAMPFIRE」の社名の冠がつくサービスはこれまで全て赤いロゴだったため、青を選択するということは勇気のいる決断でした。

ちなみにシンボルマークには、赤よりも温度の高い青い炎で、ユーザーとなるスタートアップ企業が勢いよく大きく燃え上がっていって欲しいという気持ちを込めています。

サービスカラーを青にしたことには、他にも、「知性」や「信頼」などの印象を持たれやすいため事業者向けサービス・金融サービスと相性がいい、そして伝えたい世界観を表現しやすい、などの理由もあります。

サービスサイトデザイン

サービスサイトは、前身サービスを基とはしつつ0から開発するため、仕様や構造も大幅に変更しました。

サイト制作は、ざっくりまとめると以下のような流れで行っています。

①機能・仕様検討
②サイトマップ作成(構造決定)
③ワイヤー作成
④デザイン

①〜③は、作りながらいったり戻ったりして、より良い方向に修正しながら行います。

機能や仕様はNotionでまとめ、今ある機能でも必要のない部分は削ぎ落とし、なるべくシンプルにしていきました。

そして、Figmaでサイトマップを作成。ユーザーにとってのゴールを意識して、より親切で無駄がなく、そして数字に繋がるよう、構造も改善していきます。

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そして、世界観を反映したトンマナでテキストやボタンやラインなどのコンポーネントを含む簡易的なデザインシステムを作成し、それをもとにデザインを作成。

トップページやプロジェクトページ、投資家登録導線ページやマイページなど、すべて合わせて60画面ほどのデザインが完成しました。

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あまり余裕のないスケジュールだったため、すべてに満足に時間をかけられる状況ではありませんでしたが、最も重要なページであるプロジェクト詳細ページは特に時間をかけて設計しました。

ブランディングは一新するものの、前身サービスからのユーザーからの期待も裏切らないようにする必要があるため、もともとユーザーから評価を受けていた情報の量・質の部分は落とさないように気をつけました。

実際、プロジェクト詳細ページは前身サイトのデザインと比較してかなりシンプルになりましたが、情報量は減っていません。

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トップページも、改善を回していく前提でまずは必要な要素に絞ってシンプルに作りました。

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リリースを迎えて

こうして、「拡大縁故」という考え方で身近な人から出資を募るサービスだった「GoAngel」は、将来性の高いスタートアップ企業とそんな企業を株主として応援したいエンジェル投資家のための「CAMPFIRE Angels」として生まれ変わりました。

リリース時には、起業家や投資家の方々から多くの反響をいただき、ローンチして最初の案件は1日で2,000万円の資金が集まり、2号目の案件も4分で1,000万円が集まる好スタート。

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そして、投資したユーザーの7割が初めてのエンジェル投資だったというデータも出ており、業界を盛り上げることに少しは貢献できているのではないかと密かに思っていたりします。

最後に

というわけで、サービスリリース前に行ったことを、デザイナー目線でデザイン業務中心にざっくりとですが共有させていただきました。少しでも参考になれば幸いです。

最近CAMPFIREグループではデザインチームが発足し、グループ内の事業チームの横の連携や動きが活発になっていて、CAMPFIRE Angelsを運営するDANベンチャーキャピタルのプロダクトチームとしても、CAMPFIREグループのデザインチームとしても、今後がますます楽しみです。

前身サービスGoAngelの「エクイティファイナンスを多くの成長志向の中小企業に広げる」という意思を受け継ぎながら、「資金集めを民主化し、世界中の誰しもが声をあげられる世の中をつくる」というCAMPFIREグループのミッションの達成をゴールとして、今後も引き続き人に寄り添うサービスづくりに取り組んでいきます!


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