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街中の鳥


1.街中の鳥

自転車通勤をしている。公園が多い街であるせいか、鳥をたくさん見かける。よく見る鳥だが、そういえば名前を知らない。

羽が青く、尾が長いあの鳥はオナガだ。和菓子のような緑色で、まん丸なのはメジロ。このあたりまでは知っている。
黒い頭に白い頬、羽がきもち青いあれはシジュウカラという。電線にずらっとつらなっていることがあるあれはムクドリだ。嘴はオレンジ色。

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スズメとカラスとハトは、まあ、もはや鳥というか住人と言ってもいい。一人暮らしを始めて2年目になるが、隣人の顔は知らない。前述の鳥たちの顔は、ほぼ毎日と言っていいほど見かけている。そろそろ挨拶すべきかもしれない。

2.街中の鳥とわたし

鳩の短歌を詠むことが多い。鳥はじつは、どちらかというと苦手な方だ。
頭が良さそうで、嘴が痛そうで、足の爪と節がしっかりしているところが、ちょっと怖い。

だのに、短歌は続々とできる。
やはり、翼があるからだろうか。空との親和性。
だが、わたしの歌に出てくる鳩は大抵ぽっぽぽっぽと地面をつついているばかりだ。
鳩の何がわたしの歌心を刺激するのだろう。

鳩を好きな人と嫌いな人がものすごく明確なせいだろうか。鳩好きは笑顔でパンくずを与え、鳩嫌いは顔をしかめて彼らを追い払う。わたしは中庸派だが、そのどちらの気持ちもわかる。

パン切れに群がって一所懸命食べようとする姿は健気でもあるし、必死すぎて恐ろしくもある。キレ物であるような気もするし、ものすごく頭が悪いような気もする。
そのあたりに秘密があるような気がするが、とりあえず自転車用の道にものすごい貫禄を出しながらどうどうと座るのは遠慮して欲しいなと思っている。


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