Beastie Boys の『Licensed to Ill』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

Beastie Boys の『Licensed to Ill』を聴いてみた編をお届けします。

爽快に斬り込んでいくユーモアたっぷりのリリックと、ハードコア・パンクとヒップホップの融合が痛快。

流れるように滑らかで凶暴なラップが、サウンドと一体化し、ワイルドに高揚させる一枚。

是非読んでみて、聴いてみて下さい!

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1.Rhymin & Stealin
1音目からビクッとする。変な方向に上がっているテンションでラップの掛け合い。言葉が流れていくようなラップ。心地良いルーズさ。スクラッチ音高まる。0:55〜の「got your money and your honey and the fly name plate」が気持ち良い。1:04〜負けじとギャリギャリのギターが鳴っている。1:36〜「Ali baba and the forty thieves.(アリババと40人の盗賊!!!)」と興奮状態で繰り返し叫んでいるの面白い。訳がわからないのに高揚感がある…混ざりたい。

(Led Zeppelinの「When the Levee Breaks」、Black Sabbathの「Sweet Leaf」、The Clashの「I Fought The Law」がサンプリングされている)

2.The New Style
ボーカルのエコー。リズムが噛み合ってないようで噛み合っている。リリックの緩急。度々トラックが停止し、歓声が沸き起こる効果音が鳴り出すのツボ。3:20〜「…drop」の勢いにも驚かされるけど、その後の3:22〜世界観の変わりっぷりにも驚かされる。あまりにも緩い「Ho〜」。

3.She's Crafty
ドラムの刻むビートが気持ち良い。「She's crafty 〜」の一連の流れを聴いて、何故か3人は凄く仲が良いんだろうなと思った。1:19〜新しい楽器が鳴り出す。文章の頭の単語を伸ばして自分のパートに入っていくことで、それぞれの個性や存在感が引き立っている気がする。最後の気の抜けた「She's crafty」はずるい。

(Led Zeppelinの「The Ocean」がサンプリングされている。)

4.Posse In Effect
細かく刻むリズム。狂気のボーカル。シャウト。エコーにより目の前がチカチカするようなクラクラするような感覚。言葉の流れが速い。1:08〜「I'm a Def Manhattan killer〜」と1:19〜「The needle's in the groove and the vinyl's on the platter〜」の一連のまとまりの韻の踏み方と流れが好き。DJがチェケチェケしまくってる。

5.Slow Ride
新しい感じの雰囲気。南国。民族。太陽。間奏が陽気すぎて面白い。どの曲もリリックがなかなか攻めてる。1:45〜オラオラになる。吐き捨てる単語。構成はシンプルなのに、抑揚と独特の3人のテンションで退屈しない。

6.Girls
最初から17秒くらいまでずっと可愛らしい。0:36〜油断してたらもっと可愛いコーラスが入ってきて楽しくなる。「hey!」、「way!」、「guy!」で揃うところみんなでやりたい(みんな…?)。最後の「girls」でふざけ出しちゃうの良い。

7.Fight For Your Right
最初からテンションアゲアゲ。すでに出来上がってる。ギターがめちゃくちゃ格好良い。1:53〜ギターソロイケてる。ヘビーなドラムの音も特徴的。「Your mom busted in and said, "What's that noise?"Aw, mom you're just jealous it's the Beastie Boys!”」という文章が最高。

8.No Sleep Till Brooklyn
燃えている。初っ端から流れるようなラップが格好良い。1:02〜真似できない。自分たちのバンド名がリリックに組み込まれていることが多い。皮肉る歌詞が癖になる。声を揃えてのタイトルコール”男”を感じる。”鍛え上げた肉体”という感じ。2:51〜自由自在なギターソロが気持ち良い。だんだんとギターが前面に出てきてノイジーに終わる。

9.Paul Revere
逆再生みたいな音に惹き込まれる。全ての音が特徴的。0:09〜それぞれの名前を、それぞれ本人が言うの良い。絶対仲良いだろうな…。静と動。存在感のある効果音が多い。不思議なストーリーのリリック。絶妙なところで終わる。

10.Hold It Now, Hit It
始まった途端騒がしい。0:13〜めちゃめちゃ好き。ポヨンポヨンした音可愛い。0:35 〜「I got friends in high places that are keeping me high」言葉の流れも、抑揚の付け方も、イントネーションも全てが気持ち良すぎてここだけ4回聴いた。1:39〜急に子供の声真似。同じ展開が繰り返されるから時間が戻ったような錯覚に陥る。

11.Brass Monkey
色んな「プー」が鳴ってる。リリックのスピード感と勢い。団結感。とにかく「Monkey」。1:47〜ヤバイ…息が合いすぎている…。重低音が頭の中で響く。突拍子のないところでぶつ切りになって終わる。

12.Slow And Low
最初から気持ち良い韻。声を揃えることで勢いが増す。1:22〜トラックとラップが噛み合っていて、興奮が押し寄せてくる。1:31〜音が右側に遠のく。遊び心。流すだけでなく、止めるのも良い。あらゆる「tempo」が気持ち良い。

13.Time To Get Ill
「It's time to get ill」に対する自信と勢いと圧。「ill」はラップ界的に「病的な」という類の褒め言葉らしいことを学んだ。強烈なスクラッチ。1:13〜ラップがメロディーと一体化している。色んなサンプリングが入り乱れる中、2:00〜の効果音には聞き覚えというか親近感があった。3:08〜の音ずっと聴いていたい。3人の掛け合いが気持ち良い。仲良くないと絶対できない…3人とも仲良しであって欲しい…


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崖に衝突した飛行機が描かれているジャケット。鏡に写すと飛行機の番号3MTA3が“EAT ME”になる。

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Beastie Boys は、1978年に結成されたアメリカのヒップホップ・グループ。メンバーはマイケル・"マイク・D"・ダイアモンド、アダム・"MCA"・ヤウク、アダム・"アドロック"・ホロヴィッツの3人。ジャンルとしては、ヒップホップ、オルタナティブ・ヒップホップ、パンク・ロック、ハードコア・パンク、ラップコア、ラップ・ロック、ハードロックなど。

● ラップ・メタル:ラップ・メタル(ラップ・コアともいう)とは、ラップとメタルを組み合わせたジャンルのこと。

● ライム:韻=母音を合わせること

●フロウ:リズム、ビートへの乗せ方

●フック:歌詞(リリック)のサビの部分


ヒップホップ・アルバムとして初めてビルボードで1位を獲得したり、全世界で1000万枚近く売り上げていることを知り、ただならぬ偉業を達成した空前絶後のスーパーアルバムだということがよく分かりました…

弟がラップやヒップホップが好きなのですが、ラップの気持ち良さ、魅力、ラップ初心者ながら分かった気がします。

ラップ・ヒップホップ界隈で使われる様々な専門用語も同時に学ぶことができて、ふむふむとなりました。(今までa.k.aとかしか知りませんでした…)

奥深い…もっと勉強します…!

次回は Can の『Monster Movie』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに!

最後まで読んで下さり有難う御座いました。

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