トライアスロンに出た。


トライアスロンに出た。

怠慢や台風といった強敵に阻まれながらも、なんとか完走したので感想を粛々に書く。前日は避難警報が出るほどの豪雨で開催するか怪しかったが、当日はあっぱれな秋晴れ。日頃の行いの賜物である。

賜物

出たのはオリンピックディスタンスと言われるトライアスロンで、水泳(スイム)1.5km/自転車(バイク)40km/ランニング10km。めっちゃ疲れた。


スイム

前回貴重な海練習をシュッと寝坊して失ったので、海で泳いだのは結局ぶっつけ本番だった。ウェットスーツも着る練習した方がいいよと何度も言われたが、前日に初めて着た。本番の3日前くらいに東京体育館で参加したオープンウォーターのレッスンでは初対面の若いコーチに「付け焼き刃ですね」と追認された。ご指摘の通りである。付け焼き刃は本当におすすめしない。

コースは750m x 2周。伊勢志摩は水が綺麗なことで有名(首都圏に近いトライアスロンはもはやドブに近いという声も..)だったが、前日が避難警報が出る豪雨なので濁り気味。「🐟とか見えて集中力欠けちゃうかも?☆」は杞憂に終わった。

600名ほどの文字通り老若男女が参加していたが、スタートはローリングスタートと言われる、6人x10秒毎にスタートだったので超 ごった返しているわけではなかった。が、やっぱり泳いでいると目の前に人の足が登場するので、結構空きスペースを見つけてシュッと滑り込んでいくのがポイントだった。ウイイレと大体一緒だなと思った。

意外と泳げた、というのが所感だった。前述のように海で泳ぐのもウェットスーツ着るのも初だったが、ウェットは結構足が浮くのでむしろ疲れにくいかも?と思ったし、プールのようにコースが区切られていないところを泳ぐのも心地よかった。やっぱこうやってコースとか縛られずに大海原に飛び出すのが俺だぜ.. って思ってたら平泳ぎの足にぶたれた。人生みたいだね。

いざ、大海原へ

結構ウイイレやってたので空きスペースに滑り込むことはできた。かつ、やっぱり大海原でも泳ぐのはそんなに好きじゃないので、最短距離で泳ぎたかった。なので、曲がる地点(複数ある)のブイでは毎度かなりスレスレでターンをした。これが功を奏したのか、後でスマートウォッチでチェックしたけどあまり無駄なく1.5km泳げた感じだった (結構前が見えないので、下手すると100mくらいは余計に泳ぐこともありそう)。


バイク

そうやってブイブイ言わせながらスイムを終えて、次はバイク。スイムは主に手を使うので、足はそんなに疲れてない。しかもバイクはまあ、全身を使うというか漕げば進むので、割と前向きに2種目めに向かうことができた。

バイクは、全ての事象を(勝手に)ポジティブエネルギーに換えることを意識した。沿道の応援は全部自分へのもの。ちゃんと会釈したし、最後の方は手を挙げて応えた。トライアスロンは結構平均年齢が高い。今回もボリュームゾーンは40-50代だったのでないかと思う。そしてそうした方々は財力をレバレッジしてかなりバイクにお金をかける。なので、年上+推定30-50万のバイクを抜かす際は、若さのレバレッジが効いてることをappreciateしつつ、ドヤ顔で抜かし(グラサンでどうせ見えない)、抜かれる時は「歳を取っても人間は動けるのだ」と感動することにし、若い人に抜かれる時は舌打ちした。ちなみにバイクは普通に結構抜かれた(お金の力って凄いネ)。

ちなみに散財ポイントの一つだったバイクウェア(1.1万円)はよくできてて、背中に色々入るポケットがあり、そこに補給食を入れていた。補給食はMugと言われる濃いウイダーみたいなのを3つくらい入れてた。あと仲間が小豆バーくれのだけど、小豆嫌いなこと忘れてて伸ばした手を引っ込めるシーンもあった。なお、カロリーメイト(メープル味)はパサパサなるよーって言われたけどまあ言うても慣ら親しんできたんで✋、て思ったけどパサパサなるから論外だった。Sorry mate. 


トランジション

トライアスロンが他の競技と違う点に、トランジションという概念がある。これは、スイム→バイク、バイク→ランの間に着替えたり靴はいたりするシーンである。ここもタイムに含まれるので、早着替え(または着替えない)こともスキルの一つである。

バイクを終えてランに移る際のトランジションで、バイクウェアの前のジッパーを下ろしながら自転車を止めようとしていたら、バイクウェアは下ろしてはダメと注意された。事前に配布されたパンフレットにたしかに、競技の見た目の美しさを保つためにジッパー下ろすなと書いてあった。解決したいイシューに立ち戻ると自分の体6packで美しいで?と思ったけどたしかに皆そういうわけじゃないから景観は大事なので従った。

注意されて、ジッパー上げるまで体をまじまじと見つめられた。これはこれでまた一興..と思ったが 1分くらいロスした。1分というとラン10kmでkmあたり6秒縮めなくちゃいけないので結構インパクトある。早着替えスキルを高めるところにbetしない人には、トライスーツなる、スイムもバイクもランも一着でいけるよ!という服がある。もちろん1万円を超えるオプション課金である。


ラン

ランはとにかくしんどかった。正直バイクまでは、ちょっとおもろいことあるかなって考える余裕も少しあったけど、ランはただただしんどかった。結構バイクで抜き去られた猛者っぽい人たちもペースは遅めだったし、歩いてる人も少なくなかった。一緒に出た仲間も4人中2人は足がつったらしい。

猛者たち(スタート前)

3つの種目の中で一番沿道との距離が近い、かつラストの種目でもあり、沿道のおじちゃんおばちゃんが声援や氷、そして水シャワーを与えてくれる。ここでも全ての声援は自分に向けられたものと理解して会釈とお礼を言ってた。時々「頑張れ〇〇○」という個人名も見かけたが、それは無視した。

途中、心臓破りの坂、と呼ばれる坂があった。前日に見ていたコースの動画で、心臓破りの坂〜♪とポップな感じで紹介されてた気がしたが、全然ポップじゃなかった。どっとかというとヘヴィメタルだった。ちなみにこの心臓破りの坂のてっぺんにやたらテンションの高い応援の人がいて、「ラストラスト〜!知らんけど!」と叫んでいた。その人だけポップだった。ちなみに2/3周目だったのでラストではない。

ランは1kmごとくらいにエイドステーションがあり、水を沢山くれた。しかも(コロナだから?)コップではなく500mlのペットボトルで、全然飲みきれないから毎回頭からかぶって、終盤は体がタポタポになってた。しかも前にかけてるゼッケンがふんどしみたいで、力士感があった。

力士感はあっても、力士よりも俊敏に走らなくてはいけない。3.3kmx3周するコースだったのだが、最終周は本当にしんどかった。補給の水と沿道からの水シャワーでスイム後?ってくらい濡れてた。あんなにシャワーかけられたのは、10年前のスペインのトマト祭り以来だった。余談だがトマトが嫌いなのでトマト祭りは地獄だった。台風後でめちゃめちゃ晴れており、最後はやや意識が朦朧としてた気もしてて、最後の折り返し地点にある店の名前が「オンチ水産」で、なんでオンチやねんってツッコむ余裕もなかった。

トマト祭り(2011)。最高に愉しいけど、トマト嫌いにはおすすめしない

最終コーナー。最後はカッコイイ感じでゴールのゲートが設営されてるので割とテンションがあがる。最後の直線は猛ダッシュして、なんか前の人を抜かしてゴールした。それは良かったんだけど、そこが撮影地点で、皆いい感じに手を上げてカメラに微笑んでるのに、自分だけ前のめりで突っ込んだから、多分全然写ってない。ユニバのアトラクションのカメラとか絶対外さないのに、失態だった。まあでもゴールできて良かった。靴が大破したけど、私は走破した。

走破を支えて大破


結果

着替えのペースあげたら順位が50位くらいあがりそうだった

2時間45分。スイム1.5km (31分半), バイク40km (1時間19分), ラン10km(47分半)。結構頑張った。個人的には最後のランを1キロあたり5分ギリギリ切れたのが良かった。

もうやりたくない
と終わった瞬間に思った。


最後に

目標としてた完走、及び3時間を切るという目標が達成できた。全体で167位/600名、年齢別だと13位/37名だったので結構満足感もあった。

でもみんなできるよ!明日から走ってみよう!って「トライ☆明日」論を展開する気は毛頭ない。客観的にお金かかりすぎるし(詳述するが15万くらい)、輪行(自転車の車輪を外して新幹線とかに載せる)はめちゃめちゃ面倒くさいし、そして当日はバチバチにしんどい。練習も3つやらなくちゃいけないから、考えるのも面倒。メリットよりデメリットの方が10xくらい挙げられると言っても過言ではない(ちょっと過言かも)。

でも最後撤収する際に、ボランティアの方々にお礼言いながら帰ってたら、「来年も来てや〜」とおっちゃんに言われて「いやあもうしんどすぎて来年のことなんて..」言ったら「そう言う時は行くってとりあえず返しとくんや!」と言われて、またちょっと行きたくなった。

なにより、今回は友人、同僚とその友人の4人で出たのだけど、当日まで4人で練習したりとか情報交換する会話が、部活感があって楽しかった。同僚が出るーとつぶやいててノリで参加したけど、踏み出してみてよかった。

(かなり)長い運営からのメッセージ。ちょいちょい精神に訴えてくるあたりが日本ッポイネ


かかったお金

でも、プライスレスだろ?(震え声)

私はロードバイクを持っていたから良いが、なかったら更に10万円以上かかる。


それでも出てみたい方へ

別に参加をすすめることもしないが、出てみたい方への初参加視点での備忘的アドバイス。

  • ウェットスーツはwiggleで買うと安い(1.5万円前後で買える)。ワイズロードとかだとミニマム4-5万と言われたので、続くかわからない自分のような人からすると中々手が出せない。ただしおそらく海外から送られてくるので、余裕を持って注文する必要がある。

  • ウェットスーツはレンタルでも良い。私はwiggleで買ってメルカリで売ろうかと思ってたけど、サイズなかったので結局レンタルした。送料いれて6,000円くらい。固定費を変動費化するのはファイナンスの観点からも良い精神である

  • バイクは10万円前後のエントリーのものでもok。友達に借りたら良い(大体使ってない人いる)

  • Nikeの厚底スニーカーで走ったのだが、前述の写真のように大破してしまった。耐久性が低いらしく(160kmくらいが寿命だとか..)、使うなら本番にとっておいて練習にあまり使わない方がいいかもしれない。

  • トランジションで時間かかってしまうのはとても勿体ない。トランジションの時間も計測されて順位が出るのだけど、自分は3種目のどれよりも着替えの順位が低かった。まぁ自分の場合は今回テンションを重視してランニングウェアを新調して、それで気持ちは良かったので、まあそこはよしなにでいいと思う。

  • 練習に関しては、東京体育館が優勝してる。施設が綺麗、50mプールが8レーンあるし、荷物おいて外苑も走れる。シャワーも風呂もあって、それで600円/回。都のもののようだけど、管理はTipnessが代行しているのがいいのかもしれない。ちなみに都庁で働く友人によると、定年前の夢の異動先らしい。

  • 往路でテンション上げるために駅でこの本を買った。とりあえず運動するのに納得感が欲しい人は読んでもいいかもしれない。途中までしか読んでないけど、とりあえず運動すると脳にもメッチャイイってことを一生言ってる(多分)

  • 出るのは自己満と自己責任で。金銭的にも、その練習の過程もかなり時間をとられるので、家族への感謝を忘れないようにしましょう。

追伸

感謝のゆくえ。


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