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好きなものはふたりじめがいい


暑いねから始まる、庭のデッキに並んで座って好きな曲をかけながら食べるアイスは最高なの


私の好きな曲も好きなバンドも、知っているのはあの子だけで、これからもきっとずっとそう。

いままで好きなアーティストとか曲とか、誰にも言ったことはなかった。
好きなものは独り占めしたくなっちゃうから。
それにすごい有名って訳じゃないから尚更、私がこのバンドや曲たちに出会えたことも、そのバンドの曲を聴きまくったり歌詞の意味を考えていたりしていた時間も、簡単に誰かに持って行かれてしまうのが勿体無くて、軽々しく教えたくなかった。


だからあの子が、初めて私の好きなバンドも曲も全部教えた人。

好きだったからっていうのもあるけどね、この子ならきっと私と同じくらいこの曲たちを大切にしてくれて、聴いてくれるだろうなって思ったから。

最初はそんなような気持ちだったけれど、今は少しだけ違う。


私の好きなものや特別な思い出は、あの子だけが知っていればいい、あの子だけに知っていて欲しい。
ほかの誰も知らなくたって、あの子だけが知ってくれていて、一緒に大切に抱えてくれるならそれで充分だから。


知らないことだらけなのはこの街だけじゃくて、恋人のことも、なのかもしれないね。

恋人の友達に紹介されに、呑みへついて行った。友達と一緒にいる恋人を見るのは今回が初めてで、特にいつもと変わっているわけじゃなかったけど、隣に座っている恋人を見て、隣にいてくれる幸せと好きが溢れてこの子を選んで良かったと心から思った、そんな夜だった。

私とふたりきりの部屋、こっちを見る目はいつもとろんとしていて愛おしくて、胸がぎゅっと苦しくなる。
平日、行ってらっしゃいをしたばっかりで、夜になったら会えるのにもう会いたくて、早く会いたいだなんてメッセージを送ったり。
好きで好きで仕方なくて、苦しくて、恋をして間もない頃みたいな気持ちにもう一度見舞われる日々。苦しいけど幸せで、手放したくなくて、忘れたくないような。


輝いていて、特別な、いつもと変わらない日々。


夏祭りへ行った。地元の小さなお祭りしか行ったことがなくて、ほぼ初めての夏祭りはすごく楽しくてわくわくした。
それが隣に恋人がいたからなのか、何なのかはわからないけれど、ただ幸せで、楽しくて。
楽しいー!って嬉しそうに言う恋人が愛おしくて、大好きなんだ。

浴衣じゃなくラフな格好で、長蛇の列もあっという間で、友達と来るのもいいけどやっぱり恋人と来る夏祭り程最高なものは無いと思った。


愛おしい日々、愛おしい存在が私の腕の中で息をしているの、ベッドの上でぎゅっと抱きしめて撫でるとすぐに聞こえてくるすやすやと心地よい寝息が嬉しくてたまらない。



冬が待ち遠しい。
私たちが初めて会った季節にその場所でもう一度、ふたりだけで歩きたい。
それまでにもっともっとたくさんの思い出と感情を共有できたら。









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