笑神様は突然に・・・

今日は、中学時代の切ない思い出を書こうと思う。

あれはある日の放課後。教室でクラスメイト4人ほどで談笑し、かなり盛り上がっていた。

そうこうしてるうちに下校時間になった。帰らなければいけないけどまだまだ足りない。みんなそう感じていた。

話が中断になるのが惜しい気持ちから、誰からともなく「帰ってから電話しようよ」といいはじめ、その流れで男子の1人が私に電話番号を訊いてきた。その場にいた他の子の番号はすでに知っているようだったが、まだ私の番号だけ知らなかったからだ。

話したいのは山々だったけど、私は内心、(やばい、困った...)という焦りでいっぱいだった。

というのも、当時私はケータイを持っていないていにしていた。

小1のときに連絡用に買った、電話とメールと「モグコ」という謎のクソゲー以外は何もできないコドモケータイは使える状態だったけど、そのあと特に新しいケータイを買うこともなく、そのまま中学生になっていた。中学生にして持ってるケータイがコドモケータイなのは恥ずかしかった。周りにはスマホの人も多かったけど、ガラケー通り越してコドモケータイかい、と思われるのが嫌だったから、いっそ持ってないということにしていたのだ。

だから私はその子に「私ケータイ持ってないんだ」と言おうとした。それで解決かと思いきや、問題が2つ浮上した。

1つは、その場の空気を白けさせてしまうということ。別にケータイ持ってないということは全然言ってよかったけど、なんとなくみんなで盛り上がって電話しようとなっているところでそれを言ってガッカリさせたくなかった。それにそもそも何かを断ること自体苦手だった、断りたくないことだったらなおさらだ。

そしてもう1つは、じゃあ家の電話番号教えてと言われてしまうんじゃないかということ。女子ならいいけど、男子からの電話に父親が出てしまった日にはおわりだ。思春期の私にとってそんなこと考えただけで目が回ってしまう。それに、そもそも「ケータイ持ってない」と断るのが嫌なのに更に「家の番号も教えられない」と2回断ることになるのはもっと嫌だし意味がなかった。

そんな心配が脳内を飛び交い、完全に後がない状態になってしまった。私はなんて答えればこの場を丸くおさめられるのだろう・・・


そんなとき!突然笑神様が現れた。

笑神様は微笑みながら、こう言った。

「0120-88-0480(ハハオシャレ)(レディースアートネイチャーのやつ)と言いなさい」

私は笑神様言われた通り、その子に"0120-88-0480"と書いた紙を渡した。

笑神様に特に指示されなかったが、「私の番号色々事情があって、フリーダイヤルなんだけど気にしないでね」という補足も添えておいた。

これで、断ってその場を盛り下げることも、コドモケータイがバレることも、家に電話がかかってくることも避けられて、おまけにめっちゃ笑える。笑神様のおかげで一件落着と見た。

しかし次の日、昨日一緒に話していた別の友達に話しかけられた。

「あいつ怒ってたよ、ハハオシャレに電話しちゃったじゃん。騙すなよって」

いや、本当にかけたんかーい!

たしかにその日一日中私はその子に口を聞いてもらえなかった。申し訳ないことをした。でも、「私の番号色々事情があって、フリーダイヤルなんだけど気にしないでね」を信じるなよ。気にしろ。それに、フリーダイヤルだから料金は発生してないので、そこは許してほしい。ごめん。

私はどうしたらよかったんだろう。

それは7年経っても未だにわからない。




最後になるが、私は1度も日本テレビ「笑神様は突然に・・・」を見たことがない。どういう番組かも全くわかってない。見たことないと言えば秘密のケンミンSHOW 極もぴったんこカン・カンも1度も見たことないけど、なんとなく内容はわかる。ケンミンショウは題名からしてわかるし、ぴったんこカンカンはCMを見かけたことがあるからわかる。でも笑神様は突然に・・・は本当に何もわからない。もしかしたら1番わからないかも。笑神様は突然に・・・の内容が全くわからないの勝手にあるあるだと思ってるから(共感されて面白いかな)と思って今書いてるけど、私以外のみんな笑神様は突然に・・・のことめっちゃ知ってたら全然この文章面白くなくなっちゃうな。試しに自分の中でこの文章の「笑神様は突然に・・・」の部分を「イッテQ」に変えて読んでみたらやっぱり全然面白くなくなった。イッテQは世間では1番人気らしいし子どもの頃にみてたので私もよく知ってるから、もしイッテQを全く知らないことを主張してる人がいても(珍しいな)とは思っても(あるあるだなー)(わかるわかる)(確かに言われてみればそうだわ!)とは絶対にならないから。でも私は本当に笑神様は突然に・・・を知らない。

おわり

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