
不妊の方に鍼灸治療が良いとつくづく思う。
私は、奈良県生駒市で鍼灸治療をしています。主に不妊鍼灸をしていますが、最近も40代の患者さんが次々と妊娠されているのを目の当たりにすると鍼灸は効果があると改めて感じます。
まだ鍼灸治療を試されていない方が鍼灸を受けると、その方々も妊娠される可能性が上がると思います。しかし、鍼灸って何をするの⁇といまいちイメージができずにキョリを感じてる人のために、またそうでもない人のためにも、私の不妊鍼灸治療の方法を簡単にご紹介したいと思います。
まず、鍼灸の特徴は診断即治療です。
診断即治療とは、患者さんの身体の状態を四診という診断法を使って把握し、改善すべき場所を見つけ出して、それを元にすぐに治療を行うことです。
検査をして結果を見てからではなく、すぐに治療をしていくことができます。
検査結果に問題がない原因不明の不妊であっても、四診を使えば解決の道すじを立ててすぐに治療を行えます。
四診とは、望診・聞診・問診・切診の四つの診断方法です。
望診は、体の全体像や目・口・爪など局所を見て診断する方法。
聞診は、声や音、においなどから診断する方法。
問診は、主訴の経過や現在の状態、既往歴などを聞き、それを元に診断する方法。
切診は、主に手首の動脈から診断する方法で、一般的に脈診と呼ばれています。
どれを主にして診断するかは鍼灸師によって違いますが、私の場合は今はほぼ望診だけで問題箇所を見つけます。
それゆえ、初診時に書いていただく問診票はとてもシンプルです。
患者さんが当院の問診票を見て拍子抜けするくらいにシンプル過ぎて、逆にこんな問診票で大丈夫なの?と思われることもありますが問題ありません。
患者さんの身体の状態を詳しく知るために問診票にたくさんの質問項目をのせても、本人が忘れていることや気付いていないことはそのままスルーされてしまうことがありそうだし、望診をした際に患者さんの身体の異常や違和感を感じるので、その時にこちらから聞く方が間違いが少なく診断できると考えています。
例えば、椅子に座っている時に片方の肘をテーブルにつく癖があるから腰が曲がりやすくなっている、髪の毛を洗った後のドライヤーがテキトー過ぎて首が冷えやすくなっている、太ももを上げないで足をすりすりして歩いているから下半身がむくみやすくなっている、小さい頃よく転んで頭を打っていたことで頭と首のつけ根辺りの状態が良くないなど。
患者さんの過去から現在までの癖や行動から、妊娠の妨げの一因になっているかもしれないところを挙げていきます。
望診をして気になったことをこちらから尋ねると、『言われて思い出しました』や『帰ってから家族に聞いたらそうでした』ということがよくあります。
私の望診は、患者さんを見るのと感じとるのと2つの診方をしますが、見ると感じるでギャップがある場合もあります。
実際に目で見る患者さんは、ぽっちゃりとした体型でも、感じとって見た場合は、細く感じる(見える)こともあります。ぽっちゃりしているのは、水の流れが悪くてむくんでいるだけで、水はけが良くなればむくみがとれて実際の見た目より細くなります。
この場合は水が治療ポイントや指標になりやすいです。
不妊鍼灸をする上で重要なポイントは子宮や卵巣につながる道がどうなっているのか?どのようにすれば道をつなげていくことができるのか?ですが、これは実際に見えているわけではなく感じとります。
この道については以前に書いていますので、
「原因不明の不妊症の方への鍼灸師の私の見立て方 」を参照してください。
当院に2、3回来られた患者さんであれば、目の前にいなくても感じとった感覚から身体の中の状態がイメージできるので、夜寝る前にあの患者さんの気血水の流れの悪いところ、冷えているところ、どこに鍼をすればどんな変化が起きるのか、頭の中で展開していくことがありますが、展開途中で寝てしまっていることもあります。。
施術は、四診から得た情報を元に皮ふ上にあるツボと呼ばれる場所に鍼やお灸をします。
この時によく使うツボは、太渓・太衝・足三里・三陰交・関元・身柱・腎兪・脾兪・肝兪・次髎・曲池・合谷など、不妊鍼灸ではよく使われているツボがほとんどです。
ツボに鍼やお灸をすると、気血水の流れと内臓が整えられます。
ドロドロとした流れからサラサラとした流れに変わり、内臓が生き返ります。これらの変化は患者さん自身が自覚できます。冷えが気になる人は冷えを感じにくくなったり、肩凝りを常に感じていた人は凝りが軽くなったり、生理痛がひどかった人は痛みが改善するなどしていきます。
そのような体の変化は、妊娠しやすくなっているしるしでもあります。
施術は週に一回程度の頻度で定期的に行うことで、妊娠の妨げになっている原因を取り除いていきます。
サクサクと取り除いていくことができたら、40代の方でも5ヶ月の通院期間で妊娠される場合もあります。
しかし、こんな患者さんもおられました。
施術を終えて、今の身体の状態とお灸をしたらいいツボの場所を説明したら、患者さんは『これを続けるだけでいいなら家でします』と言われて、それっきり来られませんでした。
私としては、子宮と卵巣につながる道がどうなっているか今でも気になっていますが、不妊の原因が分からないのでどうすればいいか答えが見つからない状態から、何かをつかむことができたんじゃないかなと思い、一度だけでも来ていただいてよかったとも思っています。
この患者さんのように鍼灸院に来ていただければ、不妊解決の突破口が見つけられると思います。
鍼灸で妊娠へ!