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「電子回路」編

CHIROは12V入力で動きます。最大瞬間負荷は30Wくらいでしょうか。これは頭で使用している、Dynamixelサーボの電源電圧を基準に設計している為です。しかし、ラズパイは5V駆動ですし、他にも5Vデバイスは多く使用している為、内部で降圧回路を設けています。ざっくり説明すると、下図のようなイメージです。

電源ブロック

初号機のCHIROは(後から基板化することを前提に)、こういった電源回りの回路や各種通信線を、家にあった部品で無理やり作り込みました。電気部品や配線は、後から配置や取り回しを決めた方が効率が良いことも多いですし、何より、まずは”動かしてみたい”から、こうなってしまうのですよね。

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とは言いつつも、このままではメンテナンス性が悪いし、増産時に作り方の標準が保ちにくい為、主要な回路は1枚の基板に集約していきます。電源生成・分配や、各種通信コネクタを主とした、ラズパイ拡張基板を作ることにしました。

PCB CADは世の中に沢山ありますが、私は「Eagle」を愛用しています。Autodesk好きなので。最近、Fusion360と統合されたみたいですね。

まずはEagleでちゃちゃっと、下記のような基板を設計します。ポイントは、ラズパイにきれいに搭載されること、CHIROの外装に収まること。pHATボードのサイズ感を参考にしました。ちなみに、中心の穴はラズパイ冷却ファン用の通し穴です。

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設計が完了したら、Fusion360で3Dモデルを確認します。このスムーズな連携がEagleの素晴らしいところですね。

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そしていよいよ、生基板の製造に入ります。製造はSeeedの「FusionPCB」がお気に入り。安くて速い!そしてSeeedさんは名古屋に日本法人もあるので、いざという時の相談もしやすい為、愛用しております。

基本、いつも$12.9基板試作サービスを利用しており、5枚発注しています。その後、設計検証が完了し、追加発注したくなった場合のみ、もう少し多めに手配するようにしています。届いた生基板は下図。

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早いといっても、さすがに納入まで1週間はかかりますので、その間に部品も手配します。電気部品は秋月電子やDigikeyを好んで使います。少量であったり、ある程度一体化されたような部品は秋月で、チップ抵抗やICはDigikeyで購入していますね。但し、Digikeyは購入金額が6000円以上でなければ、送料が2000円もかかってしまうので注意必要です。

そしてようやく全ての部品が到着し、いよいよ部品実装。チップ部品を多めにしたのがやや辛かったですが、パッドの設計ミス等はなく、無事全て実装できました。はんだ面の小さなICは、Dynamixelサーボの制御用です。

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ラズパイにつけるとこんな感じ。

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この後は、電源や通信回路の評価を行っていきます。うまくいくといいな。

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