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タイププロジェクトが”東京シティフォント”を公開

さて今日も早朝に記事を執筆しています。「タイププロジェクトが”東京シティフォント”を公開」というタイトルでお送りいたします。


タイププロジェクトとは??

皆さんは「タイププロジェクト」について知っていますでしょうか?こちら公式ホームページは以下になっています。

タイププロジェクトというのは、プロジェクト名ではなく会社の名前です。東京都練馬区にある、書体(フォント)の積極的な研究開発、販売を行っている21世紀の文字カンパニーで、同社の製品で有名なものと言えば、AXIS font(アクシスフォント)がよく知られているのではないでしょうか。

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▲タイププロジェクトより

タイププロジェクト内では、ニーズに応じて微細に調整する既存フォントなどをチューニングするカスタムフォントの開発をはじめ、”有の文化をもつ都市の個性を書体デザインに反映させたユニークなフォントづくり”として、都市フォントと呼ばれるフォントを制作する取り組みも行われています。

この都市フォントは、2010年に都市フォント構想として同社が発表して以来、都市独自のフォントをコミュニケーションツールとして活用することで、都市独自のアイデンティティを形成することを狙いとしていて、2017年7月には横浜をイメージした「濱明朝」、2020年3月には名古屋をイメージした「金シャチフォント 姫」というフォントをそれぞれ公開しています。

東京シティフォントをリリース

タイププロジェクトは、2020年7月1日、新しい都市フォントである「東京シティフォント」をリリースしました。東京シティフォントは、都市空間に増えつつある「交通機関の案内表示」「デジタルサイネージ」などに最適な機能性、柔軟性を重視したフォントファミリーで、3つの字幅を適切に使い分けることで、審美性と判読性を確保できるサンセリフ体です。

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▲東京シティフォントプレスリリースより

公開されたのは、正体・コンデンス・コンプレスの3スタイル。それぞれEL(エクストラライト)、L(ライト)、R(レギュラー)、M(ミディアム)、B(ボールド)のウェイトがあり、合わせて15フォントのファミリー構成となっています。

見てわかるように、線が細いものから太いものまで、文字の空間が比較的つぶれないため、判読性が確保されています。

和文部にはTPスカイを採用

今回公開された東京シティフォントの和文部には、同社が提供するTPスカイと呼ばれるフォントのローコントラストを採用しているとのこと。現代の情報表示に適した設計をおこない、遠距離からの判別性と表示品質の安定性を実現するための選定だったようです。TPスカイは、”サンセリフ体に「抑揚」の軸を導入し、スクリーンで効果を発揮するよう設計されたフォントファミリー”で、明朝体ともゴシック体とも異なる特徴を持った「第三の書体」として開発されました。こちらはWebフォント用にすでに販売もされています。

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▲東京シティフォントプレスリリースより

対して欧文部は今回新たに開発されたものとなっていて、TPスカイの基本設計を踏まえ、内側は直線的、外側は曲線的に、東京の建造物との相性がよくなるよう設計されています。

TP国立公園明朝と組み合わせることで役割を拡張

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▲東京シティフォントプレスリリースより

今回公開された東京シティフォントの正体とコンデンスのMにおいては、同社がすでに公開しているTP国立公園明朝と組み合わせて使用することにより、サインシステムの機能的な役割を拡張できるとしています。

TP コネクトで提供が開始

タイププロジェクトは「TPコネクト」と呼ばれる独自のサブスクリプションサービスも提供していて、正体とコンデンスのM(ミディアム)はオンラインショップでのダウンロード販売も開始されている。TPコネクトは年額30,000円から利用でき、AXIS Font、AXIS ラウンド、AXIS Latin Pro、TP 明朝、TP スカイ、TP スカイラウンド、濱明朝、SST JP、TP国立公園明朝、金シャチフォント 姫のすべての書体ファミリーなどが対象に含まれています。

▶︎製品詳細・販売窓口
東京シティフォント:

▶︎販売価格(税込)
1ウエイト(東京シティフォント正体/コンデンス M:ダウンロード版のみ):20,750円
TPコネクト:30,000円/年額

Webフォントに関しても、こちらのREALTYPE.jp サブスクリプションから利用できることになっています。

▶︎REALTYPE.jp
サブスクリプション:

まとめ

新たな都市フォントとして公開された「東京シティフォント」ですが、内容を見てみると東京都内でのサインシステム(駅の案内板など)に広く利用されることを想定しているようです。実際に採用する企業や自治体が今後増えていくかどうか注目ですね。


【運営会社】 合同会社meno
https://www.meno-inc.com/

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