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Under Water Audio / 水中のサウンドデザイン

今回は、映像制作における 【サウンドデザイン】 についての記事を書いておく。YouTubeでもチュートリアル動画をアップしているので、気になる方はチェックしてもらえるとわかりやすいと思う。また、YouTubeではなく自分のペースでという方は、記事の続きを読んでみて欲しい。


シネマティック作品に多く登場する水中のシーン

まず、この記事を読んでいる方の一部は、映像制作をやっている、興味を持っている方が多いかもしれないので、なぜ水中のサウンドデザインを取り上げたか書こうと思う。

最近世間で少しずつ広がっているVlogという、ブログの映像バージョンを指す言葉があるが、海外の方が前から流行しており、それを日本に輸入している感じがある。海外の有名なVloggerと呼ばれる方々は、日常の風景や旅行の映像をシネマティック(映画風)に表現している方がとても多く、そういった映像を作りたいと思っている人が増えている。

そんな海外のVloggerしかり、人気のシネマティック映像には必ずといって良いほど、綺麗な海の景色が一度は登場する。普通に撮影しても綺麗なのだから、よりおしゃれに表現されたその映像をみて憧れる人が多いのも理解できる。

海の景色はそのまま水中へ

先ほど述べたシネマティックな海の映像は、景色のシーンから水中につながることがしばしばある。そしてそこで、流れているBGMを水中で聞こえているようにエフェクトをかけている方とそうでない方が散見された。

音と映像は、シネマティックな表現をする上で切り離せないのは言うまでもないが、水中の映像に切り替わるところで、サウンドデザインをしっかりしている作品は、やはり没入感が違う。

どうやって水中のサウンドを再現するか

本題に戻るが、ここからはどうやって水中のサウンドをデザインするかについて解説していく。尚、この記事では、映像編集ソフトとして、Adobe社が提供しているPremire Proを利用した場合を例に説明することにする。

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水中の音の聞こえ方

まず水中の音の聞こえ方を再現するには、水中ではどんな風に音が聞こえるのか知る必要がある。水泳の授業や海での思い出を振り返ってもらうとわかると思うが、水中での音の聞こえ方は以下のようになる。

⚫︎低音(低い周波数の音)はよく聞こえる
⚫︎高音(高い周波数の音)は少し聞こえずらい

なぜこのようになるかは、空気中の水中の分子の密度差に理由があるが、詳しくは省略することにする。上記の聞こえ方を再現するには、Adobe Premire上で音声クリップに1つエフェクトを適応するだけで良い。

ローパスフィルターを適応

1. Adobe Premire Pro内のエフェクトパネルから、

オーディオとエフェクト ▶︎ フィルターとイコライザ ▶︎ ローパス

を選択し、水中のサウンドにしたいオーディオにドラッグ、適応する。

スクリーンショット 2020-06-16 22.19.09

2. エフェクトコントロールから、適応したローパスのパラメータを調整。

カットオフ→900Hzに設定(実際には、音声を聞きながら値を調整)

スクリーンショット 2020-06-16 22.54.38

これ以上下げると、iPhoneなどのデバイススピーカーではほぼ聞こえなくなってしまうので注意が必要。

水中のサウンドデザインが完成

以上の2ステップのみで、水中で聞こえているかのようなサウンドデザインにすることができる。
実際にエフェクトを適用するかどうかは、作品の内容にもよるが、意図的にこのエフェクトをかけるのか、かけないのか、という選択肢があるだけで、クオリティに差が出るかと思うので、是非挑戦してみて欲しい。

まとめ

Premire Proで水中のUnder Water Audio(水中のサウンドデザイン)をするときは、

⚫︎オーディオクリップにエフェクトパネルからローパスを適応
⚫︎カットオフを900Hzほどに調整

是非妥協しない作品作りを。

【運営会社】 合同会社meno
https://www.meno-inc.com/


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