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20210810


言葉の大切さは理解しているし、好きだし、でも同じくらい言葉にならない感情も大事で、多くを語らずともそれが伝わる魅力だって知っている。

自分のことを聞かれて話す度「好き」を括ってしまっているような感触が残ってずっと気になっていた。奥歯に何か挟まっているような悪い違和感は続く。私は枠に収まりたくないし、誰かの中でそうなるのも嫌なのだろう。せめて周りを気にせずに生きていけたら、どんなに楽だろうか。最近はそれ自体を諦めた方がいいのではないか、とさえ思い始めている。


実は、書きかけの下書きを温めすぎてしまった。
この日は好きな音を、声を全身で聴いて、言葉にならない癖に溢れんばかりの気持ちをどうにかここに、と家路に着いた。あんなに満たされたのは久しく、大嫌いな街さえ許せてしまいそうな、優しく大きく強くなれた夜だった。普段忘れている「好き」が沢山ある。すぐに思い出せなくても、人に言えなくても、言わなくても私の中ではいつだって救いであり意味なんだな、と改めて解る。私はただ大事なそれらを自分の中で守り、時々思い出したいだけなのだろう。