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マッシュアップ動画で楽しむGet Wild

2020/07/23


 マッシュアップは、複数の異なる楽曲を組み合わせて新たな響きを得られる、音楽のひとつの楽しみ方だ。この度は実に爽快なマッシュアップ動画が見つかったので、ぜひここでピックアップしておきたい。TM NETWORK「Get Wild」とAvicii「Wake Me Up」の融合だ。

 TM NETWORKの方はいくつもあるこの楽曲の最初のバージョンが1987年の発売。この当時の邦楽シーンのことはファンである僕も何も分からない。完全に後追いだ。かたやAviciiはスウェーデン産の現代の音楽。こんなに場所も年代も隔たりのある両曲が、はたしてうまく混ぜ合わさるのだろうか。再生前の、動画タイトルを読んだだけの段階での第一印象は、途中どこかできっと辻褄が合わなくなるパートが出てくるんではないか、という感じだった。

 ところが蓋を開けてみると、これが絶妙なミックスでうまくハマっている。TM NETWORKとAviciiって噛み合うのかあ、凄いな、よく気づいたなと驚かされた。注目すべきは、「Get Wild」の方はこの動画の中で「2015 HUGE DATA」と「GET WILD'89」の両バージョンを使用した上で、さらにAviciiを足しているので3曲を絡めた複雑なマッシュアップとなる。高度なテクニックといえるだろう。聴きなれたTM NETWORKの伴奏にAviciiの歌が乗る、なんとも言えない新鮮な響き。骨の髄まで染み込んでいるはずの曲なのに新曲を聴いているような感覚もする、この不思議な感覚をぜひ味わっていただきたい。イントロとアウトロで聴くことのできる、「2015 HUGE DATA」から「Wake Me Up」へ音量を絶妙に調節しながら移行していく部分は聴きどころだ。

 Aviciiといえばこちらの動画もあわせてチェックしておきたい。夜景をバックに三味線で海外のダンス・ミュージックを演奏する、Shamimaskの動画。以前から注目してはいたけれど、当ブログで取り上げるには、やや脱線するかなと思って胸の内に留めておいた。でもこの流れからならピックアップできる。どういう偶然か、僕も第一興商のカラオケサイト・DAM★ともで、これに似た格好で動画を撮影したことがあったんだよね。

 これを見てると、背景って疎かにできないよな~と思う。もし、まったく同じ内容でも、場所が縁側だったり畳の上だったりしたら、僕はサムネイルの段階で動画をクリックしないだろう。三味線ってなんとアグレッシブな楽器なんだろう。これまで三味線に持っていた、古臭い・眠い・退屈といった固定観念が、この動画でものの見事に取っ払われた。海外の視聴者からすると、「Oh!Wonderful!」ってな映像に見えるのかな。

 逆転の発想で、例えばハンドベルで演歌を演奏してみたりしたら、これまで持ってた「演歌は面白くない」というイメージも変わったりするんだろうか。

Shamimask「Wake Me Up」

 三味線と言えばこちらの動画もある。三味線で弾く「Get Wild」だ。和楽器って、TM NETWORKからいっっっちばん遠くにある楽器だと思うのだが、その界隈でも演奏されているのにまず驚く。どこまで広がっているんだろう。「Get Wild」は、女性シンガーにもたくさん歌われている他、フランス語やイタリア語でも歌われ、さらには外国人による日本語カバーまで出ている。その上に三味線奏者にまでカバーされているとなると、もうすでに永遠のスタンダード・ナンバーになった、と言ってもいい。この動画を視聴していると、Bメロの「It's Your Pain or My Pain~」の部分の各フレーズの頭が、三味線の特質が良く出ていて面白く聴ける。

I-Session「Get Wild」