行政書士試験から1年
令和6年度の行政書士試験が終わりましたね。
行政書士受験生の皆さん、本当にお疲れさまでした。各予備校が公開している回答速報を見て、択一と多肢選択でだいたい何点取れたかは確認されたことと思います。どうでしたか?
記述抜きで180点の合格点を達成できたと思われる方は来年の合格発表を待たずして、今、喜びと安堵を噛み締めているかもしれませんね。マークミスの恐怖😱だけは完全には拭い去れませんけれど。
しかし実際には記述抜きで180点を取れる受験生は、ほ〜んのひと握りしかいません。実際に何%程度いるのかは公表されていなかったと思うのでわかりませんが、何十人かの行政書士仲間に聞いた感じでも記述抜きで180点を取って合格した人は数えるほどです。
行政書士試験は300点満点の内180点で合格の試験ですが、記述式の配点が60点あります。「なぁんだ、じゃ、記述抜きの240点の内で180点取れば良いんだから簡単じゃん」と、側から見ると簡単な試験と思われるかもしれません。
ところがそれがうまくできているもので、半年以上かけて一所懸命勉強してきた真剣勝負=ガチ勢の受験生の多くが記述抜きで140点〜160点程度に集まる傾向にあります。やってみた人にしかわかりませんが、この試験で記述抜きで4問中3問の正解を試験全般に渡ってクリアするのは、至難の業なのです。
となると、結局60点の配点がある記述式の結果が合否を左右することになります。そしてこれもガチ勢の受験生の多くが20点〜40点程度に分布します。
結果として、160点以上180点未満くらいで落ちてしまう受験生が非常に多くなります。この結果は、一見「あと一歩!」なので悔しさ満点になります。こうして来年もチャレンジしよう!という多年度受験生が大量に誕生していく資格試験です。
そして受験生の約10人に1人がめでたく合格💮ということになります。この試験は180点取れば合格という絶対評価の試験なのですが、合格者は概ね10人に1人という割合になるように記述式の採点で調整されていると考えざるを得ない試験でもあります。
記述抜きの点数が高めの年(解きやすい問題が多かった年)は記述式の採点が厳しくなり、記述抜きの点数が低い年(難しい問題が多かった年)は記述式の採点が甘めになる傾向があります。
3回目の受験で合格した私もこの暗黙の仕組みに多いに振り回された受験生の1人でした。
結果的に記述抜きで180点には到達しなかったのですが、3年目はそれを目指して勉強したことが、勝因のひとつだったとは思っています。
詳しくは1年ほど前のnoteに記載しているので興味のある方は読んでみてくださいね。
さて、あれから1年。
行政書士試験の合格を契機に大手企業に35年間勤めたサラリーマンだった私は、一大決心をして会社を辞め、セカンドキャリアを行政書士として独立開業して歩み始めています。
まだ積極的に受注活動をするというよりも、専門家になるために毎日必死で実務の勉強と士業関係者の人脈を構築すべくご挨拶や研修会への出席などを中心に予定を組んで過ごしています。
行政書士のできる仕事はひとつひとつが本当に奥深く、それこそ専門性が問われる仕事ばかりです。例えば、写真を載せている通り今は遺言書について勉強したりしていますが、たった1通の遺言書であってもその人とその人の家族の人生に大きく関わる書面です。
遺言書を書くお客様の思いを形にして、その気持ちが遺されるご家族にきちんと伝わるようにしたためるサポートをする必要があります。遺言者様の思いをご家族に伝えることを大前提として、財産を法律上有効にきちんと相続できるようにアドバイスして作成しないといけません。
責任重大でやりがいのあるお仕事だと思っています。
今回の行政書士試験で合格できそうな方、来年のリベンジにかけることがほぼ確定、といった方、いろいろいらっしゃると思います。
私のセカンドキャリアもそうですが、行政書士試験の合格は人生を変える大きな転機になりえます。でも、その行政書士になることができる資格を貴方がどう活かすのか、活かさないのか、は貴方次第です。
試験に合格しても何の専門家でもないのが、行政書士試験です。でも合格して、何十万円かのお金と事務所を用意して登録開業すれば、「行政書士」にはなれます。
私はその道を選び、受験生時代以上の勉強と行動を重ねて専門家への道をもがき苦しみながら歩んでいます。
皆さん、様々な思いで行政書士試験を受けられたと思います。試験を終えた今、もう一度、この資格が取れたらどうしたいのか、自分のキャリアにどう活かしていきたいのか、考えてみる良い機会だと思います。
一度しかない人生です。悔いのないように生きて行きたいものですね。