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たまには実績について話す① "ランチタイム・トロイメライ"

(業種は違うが)東京で一緒に頑張っている友人に、「実績物についてTwitterで語ることも必要なのでは」と諭されたことがある。自分の仕事は主に、「デザイン」と「フロントエンド開発」であるので、例えば「これはこういう意図でデザインをした」とか、「こういう部分にこだわって提案した結果、喜んでもらえた」などというツイートにあたると思う。実は自分、 ”そういうこと” が大変苦手である(いろいろな理由で)。
しかしそういう話も読みたいという方がこの世に1人くらいはいるかもしれないという考えと、制作当時のことを振り返ることも大事だなあとも思ったので書いてみることにする。後日消すかもしれない。

コミックマーケット100合わせで発表された、栗原さくらさんによる漫画作品『ランチタイム、トロイメライ』のデザインを担当させていただいたので、今回はこちらについて振り返っていきたい。

実績:『ランチタイム、トロイメライ』

栗原さくらさんによる『ランチタイム、トロイメライ』

同人イベントあわせでの制作は、コロナ前と比べると明らかに減っている状況の中、知り合い経由で「あなたに頼みたいって言ってるよ」とお聞きしたのが一番最初の出来事。その時点でかなり嬉しい気持ちでいっぱいだった。

オーダーいただいた内容が「漫画作品の装丁」だということが確定すると、それまで意気込んでいた気持ちと同じくらいに「どうしたものか」という苦悩が発生した。 具体的な物語性に向き合うということが大変難しく、作家さんとこの作品を読むユーザーにどう思ってもらえるかをずっと考えていた。

この作品、『ランチタイム、トロイメライ』は題材が【ゾンビと人間】で、そこから「理性」という言葉をキーに作業を進めていくことになった。きれいなもの、きれいでないもの、整っているもの、整っていないものなど、そういうものが合わさって「気持ちの良い違和感」が表現できないかと探った。筆と絵の具を買ってきていろいろ描いてみたりもした。

やや頭を抱えたのは、「具体性をどこまで持たせるか」ということだった。 近年はこういうデザインやプロモーションの時点でなにかを仕掛けるというようなことも珍しくなくなっている気がしていて、その分ユーザー側もかなり鍛えられていて察しがかなり良い人が多いと思う。「なにか意味がありそうなもの」をどこまでデザインに含めるか、そのバランスに非常に悩んだ。

最終的には、こちらとして意図はありつつも「ユーザーそれぞれが思う別々の感情が反映できるもの」にしたいということをブレずに持ちながら作業していくことにした。タイトル・作家名以外はあえて「具体的な意味がないもの」だけにして仕上げていって、無事完成した。

結果、自分の中では「これが一番良い」と思うものが完成したので送ったところ、大変喜んでくださって本当によかった。その後、気が抜けたのか表紙案を提出した翌日に高熱が出て3日寝込んだ(一応検査もしたが陰性だった)。

▼作家の栗原さんによるあとがき投稿。自分のことをご紹介いただきました、ありがとうございます!
https://aru9a3.fanbox.cc/posts/4321447

栗原さくらさん/Twitter
作品『ランチタイム、トロイメライ』通販サイト

サインと一緒に、ドラを描いていただいた


雑談=最近のこと

  • 今年は映画100本観たい。現在65本。

  • ちいかわに激ハマりしている。ちいかわ飯店、2回行った。

  • スプラトゥーン3最高。


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