GoF感想

新テニスの王子様 氷帝vs立海 Game of futureの感想を書きました。氷帝が好きなので氷帝寄りの感想かと思われますし、ネタバレまみれな記事なので気を付けて下さい。





今回のお話は跡部財閥が湘南にテニスコートを作って、そこで氷帝学園中等部と立海大附属中学校がエキシビションマッチをするよ。というのがざっくりとしたあらすじ。許斐先生完全監修(←ここめちゃめちゃ重要)。氷帝VS立海なんて……それこそ二次創作で幾度も繰り広げられた夢のようなお話じゃない?令和で考えてる人まだ居る?居た、公式!

冒頭から絶好調の跡部景吾くんなわけだけど……薔薇風呂に入ってるシーンも引き締まった背中(裸)を見てもヘリコプターからスカイダイビングしてきても動揺すらしなくなったなあ。まあ跡部だしな。としみじみ思うのに、淹れたての紅茶の香りを楽しんでいる時の長い長い睫毛を見て「相変わらず綺麗な顔してるなあ」と思うので大丈夫です。私は今日も絶好調に氷帝学園が好きだ。

ワンシーンワンシーンに見どころがあって相席食堂の例のボタンがあったら毎秒押してる。割愛しなければと思うんだけど、これだけは言わせて欲しい。

テニスコートの名前が湘南キングダムらしいんだけどさ……キングダムと名付けたがるのは跡部景吾ではなくておじい様だったのね?遺伝???そりゃあおじい様も跡部に財閥を継がせたいと思うはずだわ(此処でまだ30秒ぐらいの話)。

ところ変わって新体制となった氷帝学園が映る。もう此処一番初めの泣きポイント。
部長に就任した日吉と副部長に就任した鳳とサポートをする樺地の三本柱。樺地、私よりエクセル使えるかもしれん。凄いね……跡部財閥の御曹司をサポートしているだけのことはある。
私が好きな氷帝学園中等部は跡部が率いていたから部長職しかなかったわけだけど、それを伝統的に継承していくのではなく、その人それぞれに合わせたシステムを取り入れてるところが良いなと思う。風雲少年で一年生は球拾いしかさせて貰えないと言っていたし、跡部が来るまでは比較的伝統を重んじる部活だったんじゃないかなと。それを「伝統だから」と頭ごなしに引き継ぐんじゃなくて、取捨選択をした上で跡部が代えていったんだろうな。
こうして私の好きな氷帝学園中等部は続いていくんだなあと思うと鼻の奥がツンとしちゃう。

それは立海大も同じというか、許斐先生のこの個性を活かすようなスタンスが好き。
青学なら手塚から海堂、四天なら白石から財前。性格もやり方も違う後輩が前部長とまったく同じやり方を引き継ぐんじゃなくて、その年その年で異なる色で纏まっていくところにテニスの王子様の「個性を大切にする」という世界観が垣間見えるよね。最高だね。

もうひとつテニスの好きなところがあって。それが「今日勝ったとしてもずっと強いわけじゃない」というところ。明日試合してみたら結果が違うかも。という考え方が大好きなんだけど、先生は実力に関してはかなりシビアな判断を下すといつも感じる。トンデモ技や奇想天外な展開ばかりが目立つけれど、実はそういうところは恐ろしいほどに現実的。ラケットを握ったことがないような初心者がラッキーで試合に勝つ、というのは中々見れないんじゃないかな。

だからこそ、今回のお話は怖いなと思ってた。私は何十年と氷帝が好きでいつだって勝ってほしいと願っているけれど、この世界では難しい話。決して諦めてはないよ。そんな考えじゃいつだって勝てると信じてるキャラクター達に失礼なので。でもそれこそ何十年と見てきたから、跡部の実力も氷帝の強さも「このぐらいの位置」と説明することができる。
正直、立海と試合をしますと発表された時から脳内で何度も何度もオーダー表を練った(マネージャーの鑑)。それでも立海はダブルスもシングルスも隙がないほど強い。いやたかがアニメなんだからもっと力抜いて観れば?と思う人もいるかもしれないけど、今回ばかりはそんな楽観的な気持ちではいられなかった。ずっとずっと観たかった。忍足と岳人がダブルスで勝つ瞬間。跡部が歓声の中、拳を天に掲げる絵を。氷帝が勝つところ。だからねえ公開日まではほんと遊びじゃないんですよ!って感じだった。

以前、ベストフェスタというライブが開催された時だったと思うんだけど、忍足役の木内さんが「岳人とダブルスで勝ちたい」と仰っていて、それはもう私も観たい!と思っていたんだけどさ。でも忍足侑士というのは氷帝が勝つためにはシングルスで出た方が良いんじゃないかな?と思うぐらい実力があって。きっと三強である真田や柳に対抗出来るとしたら忍足と樺地だろうなと思ってたから、それは難しいかなと思ってた。でも許斐先生は砂粒みたいな約束も叶えてくれるんだよなあ。

というわけで。ダブルス2は忍足・向日vs丸井・玉川。その文字が画面に映った時、言葉どおりに崩れ落ちた。良かったよね、家に一人で。そのあと、本当に試合を観に来ている人みたいにガッツポーズしちゃった。まだ勝ってもないのに。中学校生活最後の試合で関東緒戦の結果を精算して欲しい。
途中でペアプリに載ってた給水塔のエピソード出てきて情緒ぶっ壊れるかと思った。いや、OPでちらっと映った時に既に「まさか……!?」と思ったけどさ。まさかだったわ。思ってたより給水塔高いのね……また中一の忍足ボイスが聞けるとは。ほくほく。嬉しいな。
でもねえ、忍足侑士くんは高いところは嫌いなのよねえ。そこだけはちょっと引っ掛かったな。高いところが好きか嫌いか?という話ではなかったから目を瞑るけど。ちょっと気になっちゃった。
いやあでも今回も向日岳人は最高だった。岳人は私がテニプリで一番最初に好きになったキャラなんだけど、向日岳人の何が最高って自分の信念を曲げないところなんだよね。岳人の得意技ってアクロバットなテニスなんだけど短所だらけなのよ。岳人は身長も小さいし、アクロバットな大技は体力を酷使するし隙だらけになってしまうし。だけど岳人はその自分の長所を活かすし大切にするし、それで勝とうとする。痺れちゃうぐらい格好良い。岳人のそういうスタイルを忍足も気に入ってるんだよね。忍足が岳人の隙をカバー出来るぐらいの実力があるからこそ岳人は自由に跳べる。岳人も忍足を信頼してるし、本当に良いダブルス……今回改めて見てやっぱり大好きだなあと思っちゃった。最後は爆笑しちゃったけどね!ふふ!

対して、立海側は丸井くんと新キャラの玉川くん。よしお!よしお良い子過ぎてびっくりした。ジャッカルとのプラチナペアが好きなのでまた観たかったけど、各々がダブルスでもシングルスの戦いをする立海らしいオーダーだなと思った。でも玉川くんことよしおは今回が初陣で、そういう戦い方が出来ないとなればダブルスの名手である丸井くんを相方に選んでるのも納得がいくよねぇ。

思わず唸ちゃったのは、丸井君は前衛特化型の選手なので後衛に隙が出来るんだけど、ロブが上手いよしおは後衛特化型。相性が良すぎて唸ってしまったよ。確かにジャッカルほど鉄壁の守備で後衛を守ることは出来ないけど、ロブ、しかもその技は充分な武器になる。おまけにデータのないよしお。切り札としては完璧すぎる。先生、天才か?
ジャッカルも丸井くんと。丸井くんもジャッカルとダブルスで出たかっただろうに、現時点で次世代が育ってない立海のことを考えて玉川と組むなんて……本当に良い人達だよね。この二人、いつも後輩のこと気に掛けてあげてるよね。立海烈伝の時は三強にボロ負けした赤也もだし、新テニの合宿では悩む他校の鳳もだし(これはアニメオリジナルだけど大好きな話)。いつかまた二人が勝つ姿も見たいなあ。そんなこと言い出したら全キャラが勝つところ見たいけど。

丸井くんがワンダーキャッスルをしてくれた瞬間はめっちゃテンション上がったんだけど、そこで改めてこれは新テニ後の話なんだったと気付かされた。だから次のダブルスで真田が黒龍の技を使った時も同じく嬉しくなった。

これはあのお話の延長戦上の話にあるということは、実質原作のようなもの……って扱いで良いのかしら。そんな有難い話で良いのかしら。出来れば先生の絵で見たいわ(ド厚かましい)。
最初のほうで言ったんだけど、真田と戦うなら樺地か忍足しかいないと思っていたから、樺地がこの試合で出てきてくれて自分のオーダーが当たり過ぎて吃驚したと同時に真面目にマネージャーやってきて良かったと思った。でも真田のパートナーが柳、樺地のパートナーが鳳っていうのは予想外。どうしても鳳は宍戸さんのイメージ強いしね。プラチナが出てきてたら鳳宍戸だっただろうな。

見ていて気付いたんだけど、鳳と樺地っていうのは先輩との繋がりが強い二人なんだね。それこそ独り立ちしてる姿が想像出来ないほど。それでもまあ樺地というのは相手の技をコピー出来るし、体力もパワーもあるからシングルスでも十分通用する。対して鳳というのはサーブ特化型の選手でダブルス専門に近い。おまけに優しいから競争心に欠ける。日々蹴落とし蹴落とされな氷帝には合わないぐらい。だから余計なお世話だと分かっていてもつい心配になっちゃうんだけど、今回「強い相手と試合がしたい」「勝ちたい」と声に乗せてくれたから安心した。それに其処まで成長してることに驚いた。先輩と、ではなくて個人として。今の自分たちが率いるメンバーで勝ちたいってニュアンスだった。一番成長したの鳳かもしれない。

宍戸鳳のダブルスってそれこそ鳳が優しいから宍戸さんが後ろからしっかりしろって背中叩いてるイメージがあるんだけど、私はずっとこのダブルスは鳳のために用意されたダブルスだと思ってたんですよ。宍戸は一回公式試合に負けてレギュラー落ちしてるわけだから、もう席がなくて当然。けどダブルスならってことで鳳の隣があった。なんかこう漫画の描写が宍戸さん視点だったからか宍戸さんのためって感じがすごくするんだけど、実はそうじゃなかったんじゃないかと。あくまでメインは鳳のサーブを活かすためのオーダーというかさ。ハッキリ言ってしまえば後輩の添え物のような席だったのではないかなと思うから、宍戸さんがその席を選んだ気持ちを思うと今更ちょっと辛くなる。どれだけ惨めだと己を嘆きながらその道を選んだのか。でもプライドも何もかも捨ててその道を選んだ宍戸さんだからこそ、パートナーと向き合って氷帝で鉄板と言われるほどのダブルスを築きあげた。そのおかげで鳳はダブルス特化型の選手として経験を積み重ねて今に活かせてる。え……先生、天才?

何度読み返したか分からない原作も、先生天才か……と思うシーンが多々あるんだけど、シングルス3のカードが発表された時に確信しました。

先生は天才です。

シングルス3が宍戸VS柳生。
此処はもうフォントサイズ最大にして言いたい。

先生は天才です。

何で天才かって中の人が武道館を賑やかしたいペアとかそういうことではなくて。

柳生はレーザービームという超高速のボールを打つ技を持ってて。宍戸さんは瞬発力に長けてることに加えて、超高速サーブを素手で受け続けた経験がある。ということは、柳生のレーザービームを防ぐことが出来るとすれば氷帝では宍戸さんしかいない。確かに全体の実力を考えれば立海のほうが強いのだけれど、各々の得意技を防げる人がちゃんと居るんだよね。その無限の可能性が面白い。これが原作で読めなかったのが悔しいとすら思う。

この試合は宍戸さんの集大成とも言える試合だったなぁ。シングルスだった頃の自分。自分には何もないと嘆いた過去。ダブルスの始まり。鳳との特訓と積み重ねた絆。すべてが詰まってる。宍戸さんの背中をずっと追い掛けてきた人は嬉しい試合だったんじゃないかしら。
柳生は何だろうな、丸井君や真田と同じで無印、新の先に居る柳生っていうのがすごく分かり易かった。もちろん相方である仁王君とのダブルスも見たかったけど、個人的には海堂との伏線が回収されてて嬉しかったな。海堂が柳生から技のヒントを得たように、柳生もまた然りというのがとても少年漫画っぽくて良い。S3の二人はじシングルスでじっくり戦っている描写がないだけにどちらが勝つか一番分からなかったかも。それだけに未知数で最後まで目が離せなかったし、最後の瞬間はまるで本当にテニスの試合を観に来ているような気分になれた。うそごめん、ちょっと盛ったかも。でもそれに近い感覚。残るシングルスは誰が来るか?というところで前編は終了。

全体的な感想を一言で言うと最高。アニメだって分かってるけど、手に汗握るってこういうことを言うんだと実感したし、勝敗が決まるシーンは声に出して一喜一憂した。全試合とも拍手で選手を讃えたい。いやあ、本当に家に一人で良かった。

この感想を書いて気付いたんだけど、立海は新テニの延長線上にいる描写が多かったのって選抜に選ばれていたり、合宿できちんと試合が描かれているからなんだよね。テニスの王子様の世界で実力差がリアルに描かれるってこういう時に実感しちゃう。だって氷帝は選抜に選ばれたメンバーも少なければ合宿で試合があった人物も少ない。だからたとえ前編が氷帝優位だったとしても後編はどうなるか分からないから怖い。

後編のシングルスの二枠は誰が来るんだろうか。跡部・幸村がS2。日吉・切原がS1というのが妥当なところだろうけど……怖いね。
でも旅に出たとかいう詐欺師が出てこないわけがないので幸村に扮して跡部と試合しそうだなあとか考えてる。新テニで跡部と仁王の話も沢山あったし。何ならダブルスも組んだし。跡部は仁王の得意なアレを拝借してたこともあるし(オーストラリア戦良かったよね)。

あと後編の配信月が4月ということは、今本誌でやっている赤也の試合が終わっている可能性が高い。とすれば赤也の新しい力がアニメで描かれる可能性もあるんじゃないだろうか。

今回が氷帝視点のお話だった気もするし、後編は立海視点なお話なんじゃないかな?と予想する。知らんけど。S1が今から始まりますよってところで終わる可能性もある。テニプリのアニメそういうのやりがち。平和的解決策ではあるよね。だってどちらかが負けたら絶対悲しむ人が居るもの。私だって氷帝が負けるところはもう見たくないと思ってるよ。もう二度と見たくないと思ってるもんね。
どうして勝つか負けるかしかないんだろうとも思うけど、その世界で生きることを選んでる王子様達がどうしようもなく好きだから応援するしかないのよ。そして、我らが部長である跡部景吾が立海を倒すと言っていたから信じるしかない。幸村君が連絡先教えてないのに、何らかのルートで連絡先を入手して電話かけてくる我らが部長は最高よ。お馴染みの氷帝コールを、というところで気付いたんだけどさ。氷帝って女子生徒消えたの?氷帝コールやってるの男の子しかいないのどうしたの。女子生徒足らない?私行こうか?だって私、マネージャーだし。


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