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経営者も他社の面接を受けてみるといい

カンムでも大量の面接をしているけど、ここ10年くらい、面接する側しかやってないとふと気付いた。完全に受ける側の気持ちが霧散しているので、気持ちを復活させてより良い面接を構築したいと思った。そこで、他社の面接を受けてみることにした。

思ったより連絡もらったので、条件は自分が興味あることと、応募職種が明確であることにした。採用にも結びつかないし、何のメリットもない中、ご協力ありがとうございました!!
※入社しないことが前提なので、事前に了承もらうべし。

実績

2社受けた。両者ともトップ面接。BizDevのポジション。大手企業とのアライアンス系を求められた。10名未満、25名未満、くらいの規模のベンチャー企業で、界隈では名が知れてる両社。そういう意味では、何やってるかをある程度知っていた2社ではある。

面接を受けた際の感想

下調べできる時間とアクセスできるリソースには限りがある
仕事しながら事前調査にかけられる時間はせいぜい30min-1h程度。たくさん受けてる人だったらもっと短いかもしれない。両社とも「これだけは見とけ」という採用向け資料があったので大変ありがたかった。逆にそこ以外の情報は深く読み込めていない。せいぜい、会社サイトとWantedlyの募集要項とリンク先くらい。ちなみに下記はカンムの資料。

資料に載っている情報はその会社全体の一部
ビジネス職にとって重要な、今後の戦略とかは基本一切載ってない。面接したときに説明されてはじめて、ああなるほど、ってなる。やっぱり本当のコアは載せないよね。特にベンチャーだと、大手に知られないうちに打ち手を進める戦略が重要だったりするし。

質問→回答、というスタイルは思った以上に創造的な回答ができない
覚えてることをちゃんと言おうとするモードになる。2分くらい喋ると、ちゃんと言うことに集中して、元々の問いを忘れがち。言うことも漏れる。特に自己紹介 / キャリア系 / 苦手なこと系の話とか。逆に前提を共有してもらって、ディスカッションに入ると言おう感が薄れた(入社したらまず何からやります?系の質問からの)。

割と初期に質問聞かれる
ちゃんと考えると出るんだけど、テンパってると全然出ない。これは事前に2, 3個用意してないと辛い。正直、初回面接において重要な問いは「自分のValue(提供価値)はこれだと思うんですけどこれで貴社の役に立てますか?」のみで、後は誤差だと思うレベルなので、特にそれ以上の質問とかは持ってなかった。戦略とかは説明されてディスカッションできるし。強いて言えば、会社のビジョンとか、Value(行動指針)とかが、どういう背景で、どういう決まり方をしましたか?と聞くと、割と網羅的にカルチャーフィットが見れるかもしれない。あとは、質問ではないけど、実際に働いている現場を見たいとは思った。セキュリティの問題はあるけど。それだけで割と雰囲気つかめる。

上記感想からの会社としての対応案

まず採用向け資料を用意すること
これがないと質問も作りにくく、提案するValueの仮説を作りにくい。少なくとも一箇所に見ておくべき資料を集約しておきたい。面接前に採用向け資料は見ておいて、と言っておく。面接者は思った以上に会社のリソースにアクセスできない。

ビジネス職(マーケや事業開発)では特に、採用向け資料すら見てない人はそれだけでアウト判断して良いと思った。
ビジネス職は提案力を見たい。自分の発揮できるValueの仮説を4分くらいで簡潔に説明できる、くらいは求めていい気がする。仮にズレててもそこから前提を共有してズレを合わせる活動ができて効率的。かたや、エンジニア / デザイナー / 法務 といったプロフェッショナル職は、スキルとカルチャーフィットを中心に見れれば良いかな、と思った。もちろん提案力もあったほうが良いけど(幹部クラスは特に)。

面接時にある程度簡潔に戦略を説明できたほうが良い
なるべく緊張感なく、雑談形式でディスカッションを整える土壌を作りたい。そこで会話しながら10分くらいで出せるValueを引き出すことも重要。そこにお互いの納得感(受ける側:あ、それならできそう、する側:あ、それならやってくれそう)があると面接の成果としてベストだと思う。

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