留学プログラム IMLEXについて
こんにちは、はじめまして。3系M1の芳賀悠哉(@8gaU8)です。大遅刻してしまい申し訳ないです。ぎりクリスマスイヴ前なので見逃してください。
こちらはTUT裏アドベントカレンダーの15日目の記事です。
昨日の記事はGyr0さんの「2024年10選 selected by Gyr0」でした。僕が普段聴かないジャンルの曲が紹介されていたので大変興味深かったです。
明日の記事はくぅさんの「シリコンバレー研修~休日編~」です。2日連続留学関係でいいですね。
この記事では3系修士向けの留学プログラムであるIMLEX(Master of Science in Imaging and Lighting in EXtended Reality、光イメージング情報学国際修士プログラム)について説明します。
私は今年の9月からIMLEXプログラムのメンバーとして東フィンランド大学(University of Eastern Finland, UEF)でXR関連技術を学んでいます。ちょうど秋学期が終わるころなので、IMLEXプログラムについてとそこで得た経験についてざっくばらんにまとめます。また、現地での生活や金銭面のサポートなどについても説明したいと思います。
この記事を読んでIMLEXプログラムについて興味を持ってくれたら嬉しいです!
自分について
はじめましての方がほとんどだと思いますので簡単に自己紹介をします。
出身は茨城高専の情報系コースで、現在も3系に所属しています。高専の頃は機会学習に興味を持っていたので画像解析系の研究をしたりましたが今は認知神経科学系の某研究室に所属しています。結構移り気です。
所属しているサークルはジャズ研、吹奏楽団、喫茶の3つです。しばらく友人たちと演奏ができていないのでだいぶ寂しい思いをしています。帰国した暁には仲良くしてくださると大変嬉しいです。
ちなみにIMLEX以前の留学経験は全くありません。なんならGACですらない上に国際交流クラブにもほとんど顔を出していなかったので英語に触れる機会は全く無かったと言っても過言ではありません。なんで急に長期留学なんてしちゃったんでしょうね。
IMLEXプログラムについて
まずはざっくばらんにプログラムの概要について説明します。が、ほとんどが公式ウェブサイトで確認できるようなものなので読み飛ばしちゃってOKです。
IMLEXはコンピュータサイエンスや光学などのXRを支える/関連する技術を学ぶ2年半の日欧大学共同プログラムです。特色は半年ごとに異なる国で学べる点でしょう。M1後期では東フィンランド大学(UEF)で、M2前期ではフランスのジャンモネ大学(UJM)で、M2後期ではTUTで、M2.5では希望する国で修士研究をすることができます。
財政的なサポートとして日本人学生にはJASSOから留学中8万円/月の生活費と渡航費12万円が支給されます。また、フランスに移ったあとはErasmusからの奨学金が540ユーロ/月(約9万円)と渡航費395ユーロ/月(65,000円)が支給されます。なので合計で 8 * 12 + 12 + 9 * 6 + 6.5 = 170万円ほどの支援があります。JASSOのみだと生活は正直厳しいですが、フランスに移ってからは結構余裕があるのではと期待しています。
留学に応募したきっかけ
ヨーロッパで生活してみたかったからです()。ぶっちゃけXRに対して深い興味があったわけではありません。ただ、なぜヨーロッパで生活してみたいのか、という点についてここでは多少掘り下げたいと思います。
真剣に留学を考え始めたきっかけは、成人式で中学の元クラスメイトたちと再会したことです。自己紹介でも触れたように、私は高専から編入した典型的な技科大生です。5年間高専生として生活し、技科大への編入も決まった頃に出会った元同級生たちは自分の思っていた以上にさまざまな道を辿っていました。うまく言葉にできないのがもどかしいですが、似たような環境で最低9年間を過ごすであろうことに対して、多少の焦りを感じていました。
もちろん技科大生と一言にいっても多様な人々がいるのは承知ですし、自主的に交流の輪を広げていけばびっくりするほどいろんな人々に出会えます。実際にサークルの活動を通し、学外の人たちと交流する機会を得ることができました。とはいえ、自分はそんなにアクティブ人間ではないので手っ取り早く環境を変えてしまう留学を選択しました。
TUTにはIMLEX以外にもDouble Degree Program(DDP)がありますが、これは滞在できる国は原則フィンランド1カ国です。せっかく日本から離れるならいろいろと経験を増やしたいと思い、IMLEXを選択しました。
一方で私はXR技術にはそれほど深い興味を抱いていたわけでもなく、また研究内容もXRに根ざしたものではありません。そのため、1年間をかけて得る学びを自分のキャリアに直接的に活かせるかはかなり不安があります。
それでも持ち前の楽観思考(もとい後先の考えなさ)であっさりと決断してしまいました。今のところ後悔はしていません。
出国準備と到着
決意を固めてしまえばあとは応募と諸手続きだけです。
応募に必要な書類は履歴書、志望動機、推薦書2通です。当然全部英語なので早めに準備しましょう。面接もありますが相手は3系の先生方なので英語力はこの時点では(あんまり)気にしなくて大丈夫です。合格が決まった後には、フィンランドの在留許可申請と大学の諸手続きなどがあります。東京に行ったりと時間のかかる手続きが多いので気をつけましょう。
繰り返しますが全部早め早めにやりましょう。そして人の話をよくよく聞きましょう。面倒だからといって引き延ばすとギリギリになってからめちゃくちゃ焦ります。僕は大焦りしました。
学ぶ内容
各学期での学習内容はそれぞれの大学の特色を汲んだものになっています。まだフランスには行ってないのでUEFにおいてのみの感想です。
UEFではコンピュータサイエンスと光学の基礎を含めた広範な内容を学びます。参考までに今年度はこんな授業を受けました。
English Academic Writing
Physical Optics
Photonics & Optics fundamental
Color Science
Eye Tracking
Advanced Spectral Imaging
Robotics & XR
Algorithm and Data Analysis
上から下にかけてだんだんコンピュータサイエンス感が増していきます。どの授業もIMLEX学生向けに特別に開設されているわけではなく、一般学生や他の留学プログラムの学生と混じって受けることになります。特にCOSIプログラムの学生とは同じ授業を受ける頻度が高いので仲良くしておくとかな〜り助かります。
授業の進め方はTUTと大きくは変わらないです。座学を受け、対応した演習や課題を行います。強いて挙げるのであればグループワークの量でしょうか。3系の情報知能工学実験みたいな実験とレポート提出がセットになった課題がEye tracking, Robotics, Spectral Imaging の3つの科目でありました。最悪なことに提出時期が学期末に集中してる上に直前まで他の課題が出ているのでかなり忙しいです。が、ディスカッション力とチームワーク力は鍛えられた実感があります😇
科目の難易度に関してですが、(おそらく)最低限課題を出せば落第することはないです。成績評価は頑張った量がはっきり反映されている印象です。どの科目が特段辛いなどはなく、課題が少ない科目は試験が重めですし、逆は逆です。残念ながら楽単はなさそう。
ある程度真面目にやってれば日常を楽しむ余裕はあります。
現地の生活と交流
日々の生活
基本的に平日はほぼ毎日授業があります。大体10時前に大学に行きます。たまに8時から始まる授業もありますがそれらは大抵オンライン受講もできるので布団の中で受けます。
お昼ご飯と早めの晩御飯も大学の学食で食べます。外食するとミニマム2000円はかかりますが大学で食べれば500円。味もなかなかいいので最高です。TUTも見習ってほしいですね。
休日は課題で忙しくしていなければ(そうである日が大半ですが)、ヘルシンキに遊びに行ったり、サイクリングしたり、コンサートを楽しんだり、とのんびり過ごせます。
特に大学内のホールで開かれるコンサートには絶対に行った方が良いです。学割がかなり効くので1000円ほどで聴けます。
また、大半の留学生がシェアアパートに住んでいるのでホームパーティをすることもよくあります。各国から留学生が集っているのでホームパーティで食べる料理も必然と多種多様になったりします。エチオピア料理やロシア料理、スペイン料理などを楽しみました。 また簡単でもいいのでなんらかの日本料理を覚えておくとめちゃくちゃ喜ばれます。僕はBBQに焼き鳥とタレを持っていったらウケました。卵焼きもおすすめです。
11月終盤から街はクリスマスの装いに染まっていきます。特に大学横のスタジアムで催されるクリスマスマーケットは必見です。ヘルシンキのものとは違い、地域住民のためのマーケットなので、クリスマスオーナメントから日用品まであらゆるものが売っています。
フィンランドといえばサウナも欠かせません。ほとんどのアパートにサウナがついています。週に一回は無料で入れるのでぜひ!また、市内の公衆サウナも素晴らしいです。特に湖沿いにあるサウナでは冬になると美しい景色と寒中水泳を楽しめます。僕は正直サウナに対して懐疑的だったのですが、ヨエンスーに来てからすっかりファンになってしまいました。習慣とは恐ろしいですね。
天候について
寒くて暗くて雪が降ります。9月頃まではかなり日が長いのですがサマータイムが終わると急に日中の時間が短くなっていく印象です。また、それに伴って気温もぐんぐん下がります。どれくらい寒いかというと吐息で曇ったメガネが凍りつくくらい寒いです。
しかし冬はただ寒いだけではありません。景色が格段に綺麗になります。凍りついた河と湖に降り積もった雪が作る、どこまでも延びるような雪景色はなかなか貴重な光景じゃあないでしょうか。それを眺めながら入るサウナは最高です。
またマイナス10度を下回ってくるとダイアモンドダストが見られます!正直ちょっと舐めてましたがめちゃくちゃ綺麗です。感動します。
留学で現状得たこと
正直実感できるようなものはあまりありません。もちろん光学やスペクトル画像解析のあれこれだったり学問的な学びは多くありました。また、英語力も日本にいたころよりは多少上がった気がします(が、まだまだ盛大なポカをしたり全然会話についていけなかったりします)。
自分の内面的な部分の成長は、他者に指摘されるまでなかなか実感できません。しかし外国人として地方都市で生活することで得られる経験は旅行者としては得られないことですし、なんらかの形でプラスになったと思います。残念なことに必ずしも全ての経験がハッピーだったとは言えませんがありませんが、アジア人や日本人が外国から見てどのように思われているのかを再考するきっかけになったという点で、自分の
またなにか思いついたら加筆します。
最後に
いかがでしたか?
この記事ではIMLEXについてとフィンランドでの留学の様子を簡単に説明しました。
エッセイチックな文章を書いたことがあんまりないのでなかなか読みづらい点もあったかと思います。何か不明な点があればDMでもLINEでも気軽に聞いてください。
技科大生の多くは留学に対して少なからずハードルを感じているのではないのでしょうか。高専生と言えば英語デキナイの代名詞ですし。
しかし案ずることはありません。留学未経験でも英会話を学んだことがなくてもなんとかなっています。UEFにはTUT以外の大学から来た日本人学生も多く在籍していますし、なによりIMLEXのクラスメイトたちはあなたを助けることを躊躇しません。大学の先生も現地の学生も留学生慣れしているのでお互いが納得できるまでコミュニケーションすることができます。
兎にも角にも、必要なのは困った時に周りを頼る力だと思います。
ほんのちょっぴりでも興味が沸いたら是非とも周りにでも僕にでも相談してください!