ぼくは　よっしー

ぼくはよっしー。

今、バイクの荷台に括り付けられているんだ。

どうしてそんな事になっているのかって？

じゃあちょっと遡ってみるね。

ぼくは、とある建物の中で他のお友達と一緒に座っていたよ。

ある時、その建物に１人の女の子がやってきて、ぼくにこう言ったんだ。

「よっしー。今日から私と一緒に暮らしましょう」

ぼくは、その時から「よっしー」という名前になったんだ。

そして、その女の子のお家に今向かっているんだって。

ちょっと怖いけど大丈夫。

その女の子がすぐにぼくを見て微笑んでくれるから。

そして、ぼくはその女の子と暮らし始めた。

女の子はぼくのことをとても可愛がってくれた。

いつも一緒に寝たし、お出掛けにも連れて行ってくれた。

女の子はぼくが大好きで、ぼくも女の子が大好きだった。

ぼくはとても幸せだった。

ある時、知らない男の子がお家にやってきた。

知らない男の子は、それからもよくお家にやってきて、ぼくとも一緒に遊んでくれた。

そして、男の子も一緒にお家で暮らすことになった。

最初は少しびっくりしたけど、男の子はとても優しくて、ぼくも好きになった。

３人で仲良く暮らし始めた。

ぼくはもっと幸せになった。

女の子の名前はママと言うらしい。

男の子がそう呼んでいたから。

男の子の名前はパパと言うみたい。

女の子がそう呼んでいるから。

ぼくは２人の子供なんだって。

なんだか嬉しくなっちゃった。

いつまでも３人で仲良く暮らせたらいいな。

パパとママが、お店を始めるんだって。

ぼくもお客さんに頑張って愛想を振りまくんだ。

知らない人がいっぱいいてちょっと怖いけど、パパとママのために頑張るよ。

そんなパパはお店の鏡にぼくの絵を描いてくれた。

ちょっと恥ずかしいけど、嬉しいな。

ママの様子が最近変なんだ。

なんだかお腹が大きくなってきているんだ。

パパに聞いてみたら、赤ちゃんが出来たんだよって。

ぼくに弟か妹が出来るんだって。

ママが取られちゃうみたいでなんだか寂しいな。

でもぼくはお兄ちゃんなんだからしっかりしないといけないかな。

ぼくが少しくよくよしていたら、パパがそんなぼくの顔を凛々しくしてくれたんだ。

ママ、ぼくは寂しくないよ。

お兄ちゃんだもん、頑張るよ。

とうとうぼくに弟が出来たよ。

ママがお仕事出来なくなるから、お店もお仕舞いにするんだって。

楽しかったお店で、最後に写真を撮ったんだ。

初めまして。

ぼくが君のお兄ちゃんだよ。

これから4人で一緒に幸せに暮らそうね。

パパやママは弟のお世話で忙しいみたい。

ぼくはあまり構って貰えなくなったんだ。

ちょっぴり寂しい。

弟と遊ぶと、腕を引っ張られてちょっと痛いときもあるんだ。

でもぼくはお兄ちゃん、しっかり頑張るよ。

ぼくはママと一緒に寝れなくなった。

お出掛けも殆ど行けなくなっちゃった。

でもぼくは弟の成長をしっかり見ているよ。

みんなの幸せを一生懸命見守っているよ。

弟はどんどん大きくなったよ。

今度、小学校っていうところに行くんだって。

最近、一緒に遊んでくれなくなったんだ。

寂しいけど、仕方のないことなのかな。

パパ、ママ、最近ぼくとても眠いんだ。

パパやママの声も聞こえにくくなってきたんだ。

でも大丈夫、心配しないで。

ぼくはよっしー。

ちゃんとみんなの幸せを見守っているよ。

ずっとこれからも一緒だよ。

ぼくはよっしー。

あの時君と出会えて、本当に幸せだったよ…。