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コンテンツのネタを『ファネルからこぼれる理由』から探す

コンテンツマーケティングにおいて、ファネルの考え方は非常に重要なうえ、汎用性があるためよく利用する。
このファネルにそってコンテンツを企画している方も多いことでしょう。

一般的には、『ペルソナの検討段階に応じたコンテンツを用意しておくことで態度変容を促し、最終的なCVに至る』というのがファネルを用いたコンテンツマーケティングの鉄板法則といえる。
なので、検討段階に合わせたコンテンツは絶対に必要である。

しかし、多くの方が見落としているのは、『ファネルからこぼれ落ちる選択』の要素である。
このこぼれ落ちた選択肢を基にコンテンツを作ることで、ファネル遷移(態度変容)の転換率をあげることができる。

ファネルからこぼれ落ちるということ

ファネルはよく、ToFU・MoFU・BoFUと三段階に分けられることが多い。また各々のフェーズの説明としては、
・ToFU:課題認識層
・MoFU:カテゴリー認知層
・BoFU:製品認知層

といった具合で説明される。
ファネルを用いたマーケティングにおいては、ToFU⇒MoFU⇒BoFUという遷移(態度変容)を描き、コンテンツやアプローチを変えていくということになる。

しかし、実際にはファネルに沿って態度変容していくのは、あくまで理想形でしかなく、現実的にはその転換率は数%にも満たないだろう。
大半はファネルからこぼれていく。

ファネルからこぼれる選択肢

ファネルのステージを転換するにしても、こぼれ落ちるにしても、そこにはたくさんの「選択」があったはずである。
選択があるということは、選ばれる1つの解とそれ以外の無数の選択肢が存在する。
世のマーケターの皆さんは、この「こぼれ落ちた選択肢」をないがしろにしすぎてはいないだろうか?

こぼれ落ちた選択肢の意味

ファネルからこぼれ落ちたペルソナが多数存在するということは、逆に言うと、無数の選ばれなった選択肢は、『ペルソナが選んだ解』と捉えることができる。それを無視してしまってはもったいない。

選ばれなった選択肢にはどういうものがあったのか?を列挙し、それに関するテーマでコンテンツを作ると、ペルソナに刺さりやすくなるのではないだろうか。

ここで、具体例を挙げてみよう。

例えば、とある『タスク管理ツール』のマーケティングを行うために下図のようなファネルを描いたとする。

ファネルからこぼれる選択肢の例

◆ToFU:課題認識 タスクが増えすぎて困っている
◆MoFU:ツールを入れてタスク管理を効率化
◆BoFU:自社製品を選んでもらう
といった定義になるだろう。

この“理想的な”態度変容があらゆるペルソナに適用されれば、素敵なことだが、実際にはこんなにうまく転換していかない。
なぜなら、こぼれる選択肢 が無数にあるから。

こぼれる選択肢の例としては、
・ToFU⇒MoFU:人員を増やす、ツールではなくガッツ
・MoFU⇒BoFU:他社製品を選ぶ 別カテゴリのツールを導入する
といったことが考えられる。

このようなこぼれた選択肢を選んだペルソナにはどのようなアプローチをすればよいのだろうか?

幅広い選択肢の提示と失敗要因分析 

こと、コンテンツマーケティングの文脈においては、この「ファネルからこぼれる理由」は非常に重要になる。
理想的な態度変容を進めるにあたっては、ファネルからこぼれる人に対して、もう一つの選択肢として、自社における態度変容のストーリーを届けてあげたい。

一方で、選ばれなかった選択肢に関して、「うちではそのサービスは提供してないから・・」とコンテンツを作りたがらないケースもある。
もっと顧客目線でものを考えましょう。
潜在的なユーザーが欲しい情報を届けられないのに、自社サービスを選んでもらえるわけないでしょう。
自社「が」提供しているかどうかではなく、
ペルソナ「が」欲しい情報を提供する。
主語はあくまで「ユーザー(ペルソナ)」であるべき。

具体的には、検討フェーズにおける選択肢を幅広く見せるコンテンツや、各々のプロ/コンを解説するコンテンツ。
それがあった後に、ようやく自社の提供サービスを紹介すればいい。

これくらい割り切れると、潜在的なデマンドを持ったペルソナに対して有益な情報を提供できているといえるだろう。

ちなみに、この考え方はコンテンツマーケティングだけではなく、セールプロセスにも適用できる。
つまり、受注要因やベストプラクティスの分析は重要だが、それだけではなく、「選ばれなかった理由」を明文化し、対策を練るということ。

コンテンツマーケティングを進めていると、どうしても理想的な態度変容や都合の良いカスタマージャーニーばかりに目がいってしまう。
でも、コンテンツマーケティングに限らず、マーケティング全般の本来の考え方としては、ユーザーが欲しい情報を提供し、最終的に自社を選んでもらうこと を改めて意識していく必要があるのではないだろうか。

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