物語としての乃木坂46


乃木坂46が好きだ。

元々はバナナマンが好きで、乃木どこを観るようになり、バナナマンが可愛がり、バナナマンを尊敬するメンバーが好きになった。

それから楽曲も聴くようになり、握手会にも、ライブにも行った。

メンバーのインタビューも読むようになった。ドキュメンタリー映画も観た。

その辺りから、何となく気付き始めたことがある。

乃木坂は、とてもよくできた物語だ。

ストーリーを背負った唯一無二の主人公がいて、魅力的な登場人物がいる。

胸を熱くさせる展開があり、心が震えるほどの感動がある。

その中で、極力憶測や推測は抜きにして、事実をもとに乃木坂の熱い部分、深い部分をこじつけながら書いていく。


・乃木坂46における主人公

アイドルを語る上で、現在第何章か?という話題がよく出てくるらしい。

僕自身、アイドルに興味を持ったのは乃木坂が初めてなので、他のアイドルグループがどうなのかは分からないが、乃木坂46を物語として考えるなら、今は第二章である。

具体的に言うと、23枚目シングル「Sing Out!」までが第一章で、24枚目「夜明けまで強がらなくてもいい」から第二章となる。

恐らく、もう少し手前で分ける人がほとんどだとは思うが、分けるならここしかないと僕は思っている。

なぜなら、ここで新しい主人公が登場するからだ。

ジョジョの奇妙な冒険が各部ごとに主人公が交代していくように、乃木坂も主人公が交代していく。

なので今後は、名作に倣って、章ではなく部と書かせていただくことにする。

すなわち、乃木坂46第一部 生駒里奈、乃木坂46第二部 遠藤さくらである。


生駒里奈が主人公ということについて異を唱える人は少ないと思う。

まだ何も知らないうちから先頭に立たされ、メンバーを指して「命をかけてでも守りたい人たち」と言う彼女は紛れもなく主人公である。

涙ながらに、言葉を詰まらせながらAKB48を超えると宣言した彼女は、2018年、20枚目のシングル「シンクロニシティ」の活動をもって卒業することになるのだが、このシングルで今まで一度もなしえなかった初週ミリオンを達成し、さらにこの年のトータルセールスでは、ついに乃木坂はAKBを超えたのである。

また、若月佑美がフォーメーション発表後のブログでこう記している。

先頭を切った彼女にありがとうと
最後はみんなで囲む、そんな形に私は見えて
何だか心が暖かくなりました。

シンクロニシティにおける生駒のポジションは、2列目の真ん中。選抜発表時にバナナマン 日村氏が言ったように、生駒はみんなの中心にいた。

元々生駒をセンターにして20枚目を発売するつもりだったが、生駒はそれを辞退したという。

自分の卒業センター曲ではなく、乃木坂がもっと発展するためのシングルにするために。

その想いに応えるかのように、残されたメンバーもシンクロニシティのパフォーマンスを磨いて、レコード大賞を受賞するという、あまりに美しい展開に胸を打たれずにはいられない。


さて、そんな主人公生駒里奈が卒業してからの、21〜23枚目の間はどうなるのか?

ここは、乃木坂第一部が完結するためのエピローグである。


次回に続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?