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週刊長島diary2〔8/10〜8/16〕

お盆。休みなく働く生産者さんのところへ。
うれしくって泣いちゃいそうな日々。一週間の記録。

8/10(月)

昨年通っていた企画を学ぶ連続講座『言葉の企画2019』の同期であり飲み友達のふくままさひろくんから「来月の言葉の企画、一緒のチームで参加しない?」と電話がきた。

今年はオンライン講座として開催されている『言葉の企画2020』。毎月一度の講義に、わたしたち卒業生も聴講生として参加することができる。9月の講義は5人1組のチームで企画を考える課題だそうで、そのお誘いだったんだけど、おもしろそうだから参加してみることにした。

わたし以外のチームメンバーは全員バリバリの広告マンなので心強い。あわよくば長島のことを絡めた企画提案できればいいなあ。

お昼から台風がひどくなりそうだったので、午前中のうちにおでかけ。西松屋にプレゼントを買いに行く。木曜日に木場さんの娘さんの出産祝いパーティをするから、その時に渡すんだ!よろこんでもらえますように。

帰り道に寄った阿久根のケーキ屋さん『いしはら』のシュークリームがおいしかった!

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外はサクサク、中はほどよいあまさ。どうやら地元で評判のお店らしい。

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帰宅後、夕方からビールを飲みつつ副業の仕事を進めた。

8/11(火)

早朝3時半起床。

トラフグ漁の見学を約束していたけど、明らかに雷が鳴り響いて雨が窓を打ち付けてる。案の定、漁の見学は中止。

もう一度寝るのもめんどうになってきて、起きっぱなしで仕事開始。役場に行ったりもしたはずなんだけど、いまいち記憶にないくらい没頭していた。

寝る前、10代からの友達と少し電話。「昔はもっとゆっくり喋る人だったよね」と教えてもらえて、東京で長年暮らすあいだに早口になってたんだと気づく。なめられないように、弱々しく思われないように、不自然に威嚇するような態度になっていたのかもしれない。

声と顔には人柄がでるし、文章にだって人柄はでる。書くことを生業にしている以上、じぶんの人柄を大事にすることだって仕事のうち。気をつけよう。

8/12(水)

まるっと1日、漁業を営む『錦盛丸水産(きんせいまるすいさん)』さんのところへ。錦盛丸水産は長島のさらに北の島『諸浦島』の北端で、夏は岩牡蠣、秋冬はヒオウギ貝やアオサノリをつくっている。家族で創業し会社の歴史は20年。たしかな味と品質でリピーターも多い。わたしも入社前の週末に『食堂あさひや』で錦盛丸水産の岩牡蠣を食べて大ファンになった。

先週のごはん会で長男の水永魅人(かいと)さんと知り合って「いいPRの方法ないでしょうか」とご相談いただいたのがきっかけで現場にお邪魔させてもらった。

取材をしながら、少しだけ牡蠣の出荷お手伝いをさせてもらったよ。

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8/13(木)

朝から役場に出社。協力隊の先輩に、島の子供たちへの取り組みについて相談に乗っていただく。もともと教師として働かれていた方なので、教育関連のことについてすごく詳しい。

わたしがもっているアイデアの中に、どれだけ納得できる材料が少ないか、もしものことがあった時にどう対応するのか、そうならないためにどうするのか、など考えが至っていないことを痛感。

子供を相手に何かをするということ、すごく慎重にものごとを進める必要があるんだな。あと「しんみさんも公務員なんだよ」って言われて仰天。そっか、わたしいま公務員なんだ。ひゃ〜。

ずっとフリーランスで意のままに働いてきたので、これを機にカチッとした組織の中での仕事の進め方を勉強して、しっかり人に納得してもらった上で企画を実行できる力を身に付けたい。といいつつ、スピードを求められる場面もあるはずで、そんなときリスク承知で突破していく性質は失いたくない。そのためには信頼してもらう人になることが大事。地道に真面目にがんばるぞ。

午後は岩牡蠣にまつわるエッセイの企画出し。「かぞくのじかん」をコンセプトにして執筆予定。来週には公開できるよう準備中。情報だけを載せた「いかにもPRです!」ってことならわたしがやる理由がない。自分だからできることを模索する。

夕方からは蔵之元港の民宿『えびすや』さんが営業する観光グラスボート体験へ。グラスボートは船底がガラスになっている海底観察用の船で、ガラス越しにサンゴやクマノミなどの観察をすることができる。船長の岩崎さんは、魚を「食べる」ではなく「観る」ことで身近に感じられる場所をつくりたいとの想いでグラスボートの事業をはじめたそう。物腰柔らかな声でアテンドされる岩崎さんの海底探検、たのしかった〜。

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(サンゴまだかな〜って待ってるところ)

一応PRの相談ってことでお伺いしたものの、私以外の方が担当することになり、ただ楽しんだだけになってしまった…。いつか必要な時にお手伝いできたらいいな。その時には、とびきり綺麗な海の中をみんなにみせたい!

夜は木場さんご一家の出産祝いパーティへ。月曜にえらんだ西松屋セット、無事に渡せてよろこんでもらえた。鹿児島市内で働いてる木場さんの息子さんも帰ってきていて一家勢揃いの中、焼肉とお寿司をごちそうになる。

21時においとまして早めに就寝。

8/14(金)

在宅でエッセイの企画執筆をすすめる。書く時間ってどうしてあんなに吐き気がするのか。ずっとしんどい。頭はふくれあがるし、内臓はうずまいてる。しばらくこの感じとの戦いだ。

8/15(土)

一日、錦盛丸水産さんのお手伝い。

お手伝いをはじめて、ものの30分で汗まみれ。それなりにしたメイクも、お気に入りの香水も、現場では無意味だ。時間の経過と共にぜんぶ消えてなくなっていく。じぶんもみんなも汗臭くて、でもそんなの気にしてる隙もない。身なりを気にせず過ごすなんていつぶりだろう。

なりふり構わず目の前の仕事に全力。それが水永さん一家の日常。そばにいて、「毎日こんなにも一生懸命に仕事しているんだ」って知れたことがいちばんの収穫だった。

ライターの仕事をするようになって取材を何度か経験してきたけど、いつも1、2時間しか話せないのがさみしくて「もっとゆっくり取材してみたいなあ」って願望をもってたから、何回も現場に入ることを許してくれた水永さんにはとても感謝。

まるまる一日を共にしてわかったのは(それでもほんの一部しかみれていないのは承知の上で)、仕事に信念を持って一生懸命働く人は、かっこつけたり、見栄をはったりすることとは無縁で、愚直に頑張り続けているということ。

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なにも着飾っていないのに、とくべつな煌めきを放つ。それってむちゃくちゃかっこいい。

そういう生産者さんの姿を、たくさんの人に知ってもらえたらいいなあ、なんて思ったりした。

この日は取材というよりバイトとしてお邪魔していたんだけど、うちの父が牡蠣大好きだから実家に送りたくて、「バイト代はお金じゃなくて牡蠣でください!」って頼んで牡蠣を実家に送ってもらったんだ。明日届くらしいから、両親とテレビ電話をつないで一緒に食べる約束をした。たのしみ!

8/16(日)

朝、母から「届いたよ〜!」と牡蠣の整列写真が送られてきた。15個も送ってくださってたんだ。なんて太っ腹、、、またお手伝いいかなきゃ!

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昼前にわたしのぶんの牡蠣を取りに行ったら、取りに行っただけのつもりが水永家に4時間滞在してた(笑)喋って、ぼーっとして、牡蠣つめてもらって、ごはんご馳走になって、帰る。これぞ島時間。

東京では「タイムイズマネー」の概念に重きを置いて生きてる人が多いから、「○時に取りに伺います」って言われたらその時間にモノが用意されているのが当たり前だったし、滞在時間だって「他人の時間を奪っちゃいけない」と思って長くても10分〜15分とかだったけど、ここではそんなに急いで生きている人はいないんだろうなあ。

ほんの少しそわそわしちゃったのは、きっと東京時間が染みついているからだけど、流れる時間をゆっくりにしてくれる人の存在にホッとする。ありがたい。

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(水永家の食卓をパシャリ)

夜、両親とテレビ電話をつないで一緒に牡蠣を食べる。

「こんなに立派な牡蠣、お店でしか食べれへんよ!」と興奮気味に話す父と「画面越しやけど、同じもの食べとるから近く感じるなあ」と笑顔の母。

この夜のことはエッセイにして公開する予定なので、詳しくはまた今度。
書き上がったらお知らせするね。

つめてもらった牡蠣だけチラ見せしとく!

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めっちゃおいしいんだぞ〜〜!!!

※気になった人はこちらをチェック↓


以上。2020年8月10日〜16日の日記でした。
また次回会いましょう。


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