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物語「100年後の蚤の市で見つけたモノ」

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ここは、100年後の蚤の市。ふと目についたパーツのような“謎なモノ”。一体なんのために作られたものなのか、想像して楽しむための架空のお店です。
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第2話 【山のような…アクセサリー?】 -100年後の蚤の市で見つけたモノ-

ここは100年後の蚤の市。 古い本や家具、大工道具なんかを扱う屋台が建ち並ぶ。 その一角、白い木綿布を敷いたテーブルの上に、雑然とモノが溢れている。 ふと、パーツのような形をした“不思議なモノ”に目が留まる。 これは一体、何に使うものだろう? 店主に訊ねるも、ニヤリとするばかりで教えてくれない。 なんだ、これ… ① 鈍く輝く素材は真鍮。 鈍い黄金色で、時折、光が当たると柔らかい輝きを放っている。 「もともとはピカピカだったんだけど、経年変化で変色したんだ」と店主。 指紋の

第1話 【円盤のような金属板】 -100年後の蚤の市で見つけたモノ-

ここは100年後の蚤の市。 古い本や家具、大工道具なんかを扱う屋台が建ち並ぶ。 その一角、白い木綿布を敷いたテーブルの上に、雑然とモノが溢れている。 ふと、パーツのような形をした“不思議なモノ”に目が留まる。 これは一体、何に使うものだろう? 店主に訊ねるも、ニヤリとするばかりで教えてくれない。 なんだ、これ… ① 孔(あな)板状で、丸。コースターみたいな円盤型だ。 「丸と言っても、柔らかい表情を出すために一枚ずつ手作業でつくっているから、完全な丸じゃなくて“ほぼ丸”なん