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【競馬】JRA勢も歯が立たなかった「地方の王者」アブクマポーロの再来を願って

ちょうどカフェファラオがフェブラリーSを制した次の日のことだった。かつて「地方競馬の雄」として交流G1を4勝したアブクマポーロの訃報が届いた。フジキセキやマヤノトップガンの同期生、29歳での大往生である。

ちょうどこの馬が活躍していた時代は、僕が競馬を見始めた頃。最初は「地方馬」が何かということも漠然としか理解できていなかった気がするが、次第にその偉大さがわかるようになっていった記憶がある。

改めて成績を振り返ってみる。通算32戦23勝、重賞は9勝でうち4つがG1。ぐうレジェですなあ。
ちょうど当時はメイセイオペラとの「ダブルエース」が君臨していた、とんでもない時代。一方のJRA勢は女王ホクトベガが去りエース級が不在ということもあって、この2頭にはなかなか歯が立たなかった。マイル戦ではメイセイオペラ、そして2000mではアブクマポーロが主役だった。

この2頭は何がすごいって、「ホーム」の地方交流重賞のみならずJRAの重賞にも乗り込んで堂々と勝利を収めている点。メイセイオペラのハイライトが99年フェブラリーSなら、アブクマポーロの場合は97年の東海ウインターSが強烈に印象に残っている。

やっぱり中京2300mの東海Sはスリリングでおもしろい。

それはさておきアブクマポーロ、めちゃくちゃ強い。カンペキな立ち回りを見せたトーヨーシアトルとエムアイブランを、外を回る正攻法でゴール前きっちりと差し切る。これが交流重賞初制覇となるのだが、すでに王者の風格のようなものが漂っていた。



さすがにアブクマポーロに肩を並べるとまではいかないが、現在も地方競馬から交流G1を制する強豪が出現しているのは立派なことだ。JRA勢が育成・調教メソッドの進化でどんどん強化されていく中、昨年のJBCスプリントを勝ったサブノジュニアや、先月の川崎記念でオメガパフュームらを退けたカジノフォンテンなど、地方馬も負けじと進化を遂げている。
この流れを持続できれば、もしかしたらまた地方競馬から「王者」が誕生するかもしれない。アブクマポーロとどっちが強かったかを論争できるような強豪を、心待ちにしたい。

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