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子どもが楽しめるお菓子づくり

子どもが産まれてから、お菓子をつくる機会が増えた。

ニュージーランドのキッチンに、大きなオーブンはデフォルトの設定だ。賃貸でも、オーブンなしはあまりお目にかからない。

だからなのか。日本人がおにぎりを作る感覚で、さささとマフィンやケーキを作る人によく出会う。しかも、おいしい。

市販のケーキはどっさり砂糖が入っているのに、手作りだと甘さも控えめ。みんな、やっぱりスーパーのお菓子は甘いと思っているのかしら。

そんなわけで、簡単なマフィンやクッキーなら作るのに抵抗がなくなった。

出かける予定のない休日は、お菓子作りのチャンス。ただし、子どもが楽しめるもののほうがいい。

難しいお菓子は、一緒に作っても「ああっ、そんなことしないで」と親と子ども共々不機嫌になるだけ。

先週の休み、家でゴロゴロしていた娘が唐突に「お母さん、お菓子つくろう!」と提案してきた。お菓子作りはいつも突然にはじまる。

冷蔵庫の中身を思い出す。バターと卵はあるけれど、牛乳はない。

家にある型は、マフィン型・パウンドケーキ型・ドーナッツ型。でも、今日はわざわざ型を出したくない気分だ(めんどくさい)

型を使わず、子どもが楽しめるお菓子。そうだ、スコーンにしよう。それなら、ボール一つでつくれるから。

娘に「スコーンをつくろうか」というと、元気よくボール、お玉、泡だて器を出してくれた。娘とのお菓子作りはいつもそう。提案が急なので、材料を準備しながら進めることになる。

こちらが準備万端で誘ったタイミングだと「今日はつくらない」とそっぽをむかれるのだから、不思議だ。

小麦粉、砂糖、塩、ベーキングパウダーをボールにいれる。

小麦粉の袋を持ち、「私がいれたい」と娘が主張したものだから、すでにキッチン台のうえに白い粉が舞っている。しかたがない。目をつむろう。

「きれいさ」を無視する。それが、子どもが楽しいお菓子作りには重要だ。

ふるいの代わりに、泡立て器で粉類をかき混ぜる。これは、娘の役目。

お次はバター。ブロックを取り出してきたら、娘の目がきらり。

「娘ちゃんが切るの!」と、しゃしゃり出てきた。

バターを渡してあげる。わわわ、怖い怖い。粉のついた手で、べったりバターを触っているし。

娘が切るにはバターが固すぎたので、代わりに私が。その後、サイコロ状に小さく切るのを手伝ってもらった。

そして、ここが一番楽しい工程。粉にバターをいれ、つぶすように粉とすり合わせていく。スコーンは、粉とバターを練ってまぜてしまうとグルテンが発生してサクサクにならない。

だから手のひらをすり合わせながら、バターが粉をコーティングして黄色っぽくなるまで混ぜ合わせる。

手を使ってやるので、5歳の子も楽しい。

まるで、砂場遊びみたい。

娘からすれば、粘土遊びだろうか。

お菓子作りは、ささっとやるのがおいしくするコツだと思うけれど、手際が悪くても目をつむる。バターを力強くつぶしても、粉をぎゅっと握っても、娘の好きにさせる。それが、子どもが楽しいお菓子作りだから

「もうそろそろ、混ぜるのやめようか」

とボールを引いたら、

「だめ!娘ちゃんが、チーズっていうまでダメ」

といわれた。なんでチーズなの?と尋ねると、粉が黄色くなっていく様がチーズに似ているからだという。たしかに。ボールから、バターのいい香りが立ち上ってくる。

娘が「チーズ」というまで続けると言った以上、待つしかない。途中で切り上げると、途端に「まだやりたかったのに」と不機嫌になってしまう。

3分ほど待っていると、「チーズ」と言われた。

すっかり黄色くなった粉に、水と卵を合わせた液体を流し込む。本当は、牛乳を使うのだけど。冷蔵庫にないから、水でもいいよねと、適当なレシピに。

ゴムベラで、ぱぱっと混ぜ合わせる。練らずにさっくりと、といきたいところだけれど、娘はここでも必要以上に混ぜたがる。まあ、仕方がない

サクサクにならなくても、食べられるものになるだろう。楽しいことが今日は大切だ。

生地がまとまったら、冷蔵庫にいれて30分寝かす。

粉だらけになったキッチン台を片付けようとしたら、「娘ちゃん、粘土つくるの」と。娘が言っているのは小麦粉粘土のことだ。水・油・小麦粉をまぜてつくる。保育園の定番の遊びであり、娘のお気に入りだ。

ひたすらめんどくさいなと思ったけれど、すでにキッチンは粉が舞っているし、もうついでだわと、あまり使わない中力粉の袋を出してやる。だけど、袋のしまりが甘かったらしく盛大に粉をこぼしてしまった。白くそまる床。ああ、仕方がない。

娘は、青色のフードカラリングを入れた小麦粘土で遊び始める。私は、ボールやナイフを洗いながら、しばし休憩。

粘土のお店屋さんから、ハンハーグやら餃子やらが出てくる。しまいには、コップを並べてコーヒーを作り出した。粘土で。洗い物が増えるだけだけど、これも仕方がないと思おう。テレビにくぎ付けになるより、粘土遊びを満喫するほうが楽しそうだ。

30分たったので、生地を出して適当に伸ばす。娘に「やる?」と尋ねたけれど、すでに粘土遊びに夢中で「やらない。お母さんやっていいよ」といわれた。はいはい、お母さんがやります。

型抜きして、180℃のオーブンで15分。すこし柔らかい生地だったから、うまく丸くならなかった。まあいいか。15分~20分焼いたら、こんがりとしたスコーンの完成。

粘土遊びの残骸を片付けたら、一緒に娘とお茶しよう……とはならず、おなかを空かせた娘が先にぱくつきはじめる。

いつも、タイミングがあわないんだよなあ。私は、洗い物したり材料の準備したり白い粉を拭きとったり。なんだか慌ただしい。

まあでも、娘がずっと楽しそうだったからいいか。おいしいお菓子をつくるより、娘が楽しいお菓子作りをするのが今日の目的だから。

見た目はそれほど膨らまなかったスコーン。口に入れると、サクサクほどけてバターの香りがした。うん、子どもと一緒につくるお菓子も悪くないね。

レシピを載せておくので、よかったらあなたの家でも週末のおやつにどうぞ。

~子どもが楽しんで作るスコーン~

【材料】手のひらサイズの小さいスコーンが6個~8個
(少量なので、たくさん作りたい方は2~3倍量で)
・薄力粉 100g
・砂糖 8g
・塩 1g
・ベーキングパウダー 6g
・バター 40g
・卵 15g
・牛乳 45g
①粉類をボールにいれて、泡だて器でかき混ぜる。空気がはいってふんわりする。
②バターをサイコロ状に切り、粉のボールに入れる。
③バターをつぶしながら、粉とすり合わせるように混ぜる。全体が黄色くなって、ぽろぽろになるまでやる。
④卵と牛乳をまぜあわせ、ボールに入れる。ヘラで、全体を切るように混ぜる。ここでも、こねないほうが出来上がりがおいしい。
⑤ラップに包み、冷蔵庫で30分寝かせる。
⑥オーブンを180℃~190℃に温める。
⑦冷蔵庫から出してきた生地を、適当に伸ばす。型で抜くほか、包丁で切る、スプーンですくって天板に置くなど、成型方法はお好みで。オーブンに入れ、15分~20分焼けば完成。


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ライター。ニュージーランド在住▷noteでは育児、海外生活、書くことについて。▷#あの夏に乾杯 審査員賞(スイスイさん)。#はじめて借りたあの部屋 審査員特別賞(いい部屋ネット)▷執筆ジャンル|人事・採用・働き方等。お仕事のご依頼はTwitter・DMから。