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やつしろ未来創造塾【第1期】9日目:2020年12月12日(土)

講義8「食・農・観連携による地域価値の創造」
    ~次世代へ”新たな里山農業”をつなぐ~
     ・・・株式会社パストラル 代表取締役 市原幸夫 氏

この日の講義は、熊本県山鹿市でアイスクリーム製造の「パストラル」、中山間地での農業、洋菓子店「ricca」を展開されている市原氏にご講義いただきました!

市原氏の取組みは、地域課題をビジネスに転化し、大企業が手を出せないところで勝負している点が、まさに「未来創造塾」が目指しているビジネスの身近なモデル事例です。

現在は、長男さん夫婦がアイス事業、次男さん夫婦が農業事業、三男さん夫婦が洋菓子事業と3人の息子さんが主となって事業を展開しておられ、事業継承の観点からも大変参考となります。

これまで順調に事業を拡大されてきている市原氏ですが、今年度は、コロナ禍でアイス事業が前年比マイナス80%、さらには15年来の取引先であったレストランが廃業と大きなダメージを受けておられましたが、そんな中でも、洋菓子店「ricca」には、名物のモンブランを提供する時期には入店が2時間待ちとなるような人気を誇っておられます。

講義では、そんな市原さんの歩みについてご紹介いただきました。

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■なぜ、産地アイスメーカーを立ち上げたのか?
・地元の人口減少
・企業、農業は自動化を目指すが、人がいなければ消費は生まれない
・人の働く場も無くなっている
・スモールビジネスの集積、スモールビジネスは“価値”を創りやすい。

■なぜ、里山農業に参入し、生産・加工・販売の一貫体制を追求するのか?
・中間山地の零細農家だけでは成り立たない
・規格外品(無価値)に価値を与える
・加工→販売を加えることにより、新たな収益となる

■なぜ、食・農・観(観光)連携による地域価値創造を目指すのか?
・自分のところだけでは、地域が成り立たない
・いかにスモールビジネスのネットワークを広げていくか
・連携して地域の“価値”をあげていく

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少量多品種のアイス製造は、大手のアイスメーカーでは真似できないため、様々な相談が舞い込む。

そういった相談に対しては、市原氏や長男さんが面白いと思ったものでなければ仕事を受けないそうです(笑)

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農業に関しても、地域を巻き込み、「あいがもん倶楽部」という合鴨農法でこだわった米作り、ブランド化を図り、合鴨のお肉もセットで商品化するなど、息子さんのお嫁さんにも意見をもらいながら商品化、販路拡大に取り組んでおられるという話でした。

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洋菓子店riccaについては、次のような目的で開業されました。
●農産物の生産・加工・販売の一気通貫体制を築く
●里山の食農文化の普及と域内連携による特産品開発と観光づくり
●地域農産物の価値向上とブランド化
●地域経済の循環および雇用の創出

広域商圏化を狙った店づくりとして、次のような考えをもって運営されています。
●店内 … 日常から抜け出した特別な空間
●コンセプト … 食・農・観連携による新たな山鹿の魅力づくり
●業態 … 神社に隣接し、樹々に囲まれたカフェ併設の洋菓子店
●イベント性 … ワークショップ、お菓子教室、ワイン用葡萄の収穫など様々なイベントの開催。
●SNSとeコマースの活用 … 広域商圏から来客してもらうための情報発信とネット通販による商圏の拡大。

市原氏の講義は、スモールビジネスの参考事例としてだけでなく、家族が一体となって取り組んでおられるところも塾生の関心を集め、大変共感を得られる講義となりました!

八代からも市原氏のようなビジネスを生み出す塾生が生まれるよう、精一杯支援していきたいと思います!

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