「まっ、いいや」~恐怖の読書感想文~

(ゲッ!)重なった。(ゲゲゲッ!ゲッ!)

高校3年、夏休み最後の日。8月31日の夜である。遂にこの時が来た。焦った。「読書感想文」曰く、全く何にもしていないのである。「鬼の読書家」(?)。「歩くハスキーボイス」と共に、当時、勝手につけていたキャッチ・コピー。自分へのコピーだ。小学校の頃、教科書に「泣いた赤鬼」があったけど、「泣いたコピー」。読書家の名が、廃るわな。

本を読むのは好きだけど、ああいうコンクール。「感想」に「順位」をつけるのは好かないわ、第一ですね、、、自説を説くだけ、無駄である。どんどん時間が迫って来る。(ん?)閃いた。こうしましょう、ったら、こうしましょ。解説、大抵の本にはついている。研究者とか、編集者。同業者がざっと書いてる短文だ。アレを使えばいいッ!

早速「次郎物語」(下村湖人著/ポプラ社刊)。小学生の時に読んでいた、緑色の表紙の本を手に取ってみる。後ろをめくる。ほらあった。適当に引用、適当にわたしの文をくっつけ、完成の図。感想文というよりは、論文みたいなのが出来た。「まっ、いいや」そしらぬ顔で、提出する。恐ろしか女子高生だ。

「アレ、あなたが書いたんじゃないでしょ。読んで直ぐに分かったもの」

いやぁ~っ、悪い事は出来ませんなぁ。バレますなぁ。一週間後。那智休み明けの実力テストが終わった頃かと記憶するが、担当教師はモロ、見破っていたのだ。ふーむ、そういう事だよ、明智君(意味不明)。が、全くわたしは気に留めなかった。軽いお咎め、注意された程度と受け取った。だって元々、興味がないんだもん。読書感想文なんて。&義務教育の頃ならまだしも、余りねぇ、躍起になって「(これで)賞を取ろう」とか、「入選したい」だなんて思わないんですよ、高校生って。

てな訳で、8月31日の夜に小細工をした(?)、恐怖の読書感想文なのでぎいました。



#8月31日の夜に

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