
いい距離感でメンバーを支えるのがPMOの仕事/PMOチーム 松尾浩志インタビュー
タンバリンにおけるPMOチームの役割は、PMやプロジェクトメンバーが働きやすいように内外からサポートすることです。積極的に前から引っ張るのではなく、ある時はアドバイスをし、ある時はメンバーの意見を取りまとめるなど、状況に応じて立ち回ります。その先の未来図を、PMOチームメンバーの松尾浩志に聞きました。
プロフィール
松尾 浩志 / Hiroshi Matsuo
株式会社タンバリン PMOチーム
新卒でSIerに就職し、エンジニアとしてWeb制作会社を数社経験後、株式会社TAMのCTOに就任。2017年からタンバリンに参加。PMOチームとしてプロジェクトのプロセス改善やチームビルディング、アジャイル開発の推進などに携わりながら、フリーランスとしてスクラムマスターや開発現場向けコーチングも行っている。認定スクラムマスター資格保有。社外コミュニティ活動として「スクラム道関西」にスタッフとして参加している。
PMOの役割をメンバーに理解してもらうことから始まった
――まず、松尾さんの経歴を簡単に教えてください。
ずっとエンジニア畑を歩いてきました。最初はSlerから始まり、Web制作会社をいくつか経て、CTOも経験させてもらいました。その後、チーム開発に興味を持ちアジャイル界隈のイベントに参加するようになり、認定スクラムマスター資格を取得。2017年9月にタンバリンに入社し、はじめはエンジニア兼スクラムマスターだったのですが、2019年2月のPMOチーム発足を機に、萩原さんと2人でPMOチームのメンバーになりました。
タンバリンは今どんどんメンバーが増えていっているところです。今後さらにメンバーが増えてもきちんと組織として仕事が回るよう環境整備をするのが我々の役割。手探りですが、萩原さんと協力してPMOチームのあるべき姿を模索しています。
――それまでなかったPMOチーム発足にあたり、大変だったことはありますか?
まずメンバーに理解してもらうことが大変でした。PMOって同じ肩書きでも会社によって果たしている役割が違うんですよ。最初は自分たちもまだ型を作れていなかったこともあり、メンバーにうまく伝えられず、すんなり受け入れてもらうことができませんでした。みんなが期待しているものと自分たちが認識しているものに差異もありましたし。今もまだ100%ではありませんが、徐々に理解されてきているところです。
メンバーが働きやすいようにチームを補佐する
――タンバリンのPMOチームの役割を教えてください。
PMやプロジェクトメンバーが働きやすいようにチームを補佐するのが私たちの役割です。チームの中に入ることもあれば、外側からチームを支援することもあるのですが、どちらにせよ先導していくというよりは、ボトムアップでうまくいくように下から支えています。トップで中尾がいろいろ発信していくのに対して、メンバーが自発的に動けるよう仕掛けていけたらいいですね。
例えばチームが課題を抱えていたら「こうしたらいいんじゃないの?」と横から言うのではなく、チーム内で考えてもらう材料として第三者的な意見や素朴な疑問を投げています。インプットの機会も大事だと思うので、勉強会やイベントを開催しては興味がある人に参加してもらっていますよ。
▲あるプロジェクトチームと松尾のMTG風景
――1月7日にイベントを開催予定なんですよね。
そうなんです。「Scrum Evening 2020 in Tokyo 御茶ノ水」と称して、スクラムについてみんなで勉強したいと思っています。と言うのも、その翌日1月8〜10日にRegional Scrum Gathering Tokyo 2020 (以下RSGT) というアジャイルやスクラムに関する国内最大級のイベントが開催されるんですね。RSGTには数年前から個人的に参加しているのですが、ものすごく楽しいイベントでメンバーには前々から「興味があるなら行ったほうがいいよ」と声をかけていたほど。それが今年は東京オフィスのご近所の御茶ノ水でやると言うのだから、もういてもたってもいられなくて企画しちゃいました(笑)。7日は前夜祭的にみんなで盛り上がれたらいいですね。
ちなみに当日は、ありがたいことに僕が大阪で運営スタッフとして参加しているコミュニティ「スクラム道関西」からひとり登壇してもらえることになりました。タンバリンからもひとり登壇予定です。
PMOはあくまで場を用意するだけ。その役割もいずれ終えるべき
――PMOが実施している「ふりかえり」について教えてください。
簡単に言うと、プロジェクトの途中や終わった後にみんなで考える場ですね。今までのやり方を振り返って見直したり、自分がやりにくいところが他のメンバーにとってはどうなのかなどの認識をすり合わせたり。普段、目先のタスクに追われて見落としがちな部分や「もっとこう進めたほうが良いのでは」「他の人はどうなのだろう」といった要望・疑問などについてチーム内で話し合い、「もっとうまくやる方法」を一緒に考えていきます。
こうしてあえて時間をとって話し合い、改善のために言い合える場を作ることで生産性が高まりますし、チームの雰囲気もより良くなっていくと思います。
なお、僕たちPMOは司会進行によって話の交通整理はしますが、アドバイスはしません。この役割も初期は僕たちPMOチームが100%担っていましたが、最近はチーム内で完結しているケースも出てきました。とてもいい進化ですよね。
――萩原さんは「いずれ私たちの仕事がなくなることが理想」と言っていました。松尾さんはどのようにお考えですか?
本当にそうだと思いますよ。スクラムマスターはよく牧羊犬に例えられますが、PMOも同じです。前で引っ張ることもあれば後ろで吠えたり、横に寄り添って歩いたり。その役割をいずれ羊たち(プロジェクトメンバー)に任せるべきだという点も同じですね。
PMOの仕事がどういうものかが本当の意味で浸透すれば、自ずと必要がなくなるのだと思います。いつか来るその日まで、あらゆる方面からメンバーを支えていきたいですね。
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