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月曜日のあさ。


可燃ゴミのビニール袋の口を縛りながら、そろそろ、行こう。そう、催促をすると物分かりの良い彼は、食べ終えた食器を流しに運び、もぞもぞと着替えを済ませ、玄関で僕を待っている。おまたせ、と玄関のドアを開けて、彼の寄り道のせいで実際よりだいぶ遠くなる保育園へと歩き出す。トウカエデの街路樹が並ぶ緩やかな上り坂の途中、すっかり反応が鈍くなったカードキーをかざし、扉を開けて園舎に入る。毎朝、決まった数足の靴だけが置かれたスカスカのシューズボックスに無言で靴を置く彼。階段を上がり、保育室の前で、おはようございます。おそらく彼にとってのこの日の1番であろう大声。運良く声が届き、おはよう。と近づく先生にその日の収穫物である小さな葉っぱと木の実を差し出し、こちらを振り返ることなく部屋に入って行く彼。感染病対策で部屋に入室できない僕は離れ行く彼を横目でみながら、先生に一つ二つの申し送りを済ませる。慌てて、じゃあね、ケイシ。と呼び止めると、じゃあね、パパ。と小さく手を振り、また背を向ける。

月曜の朝、決まって、僕は、彼に掛けるべき言葉を押し潰して園を後にする。

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