Nobu Fuke

お山の大学の教員です。太陽光発電に25年程度関わり、R&D、発電所建設、営業、新規事業…

Nobu Fuke

お山の大学の教員です。太陽光発電に25年程度関わり、R&D、発電所建設、営業、新規事業と広範囲に経験。その中、米国国研と共同研究のために博士号取得、ファイナンス力強化のためMBA取得。これまでの知見や日々の教員活動などを発信していきます。文理融合、理系の底力で日本を元気にしたい!

マガジン

  • 大学スタートアップに関わるコラム

    大学発スタートアップに関するさまざまな出来事のコラム、創業を考えている人のご参考になれば

  • 教員、そして親として向き合う教育

    教員として働いていることもあり、教育に関心があります。大学のこと、初等中等教育のこと、また親として考えたことなどをまとめております。いろいろなご意見もいただきたいです。

  • 理系からみたMBAの世界

    理系からは遠い世界(と考えていた)のMBAに通学したときに感じたことや学んだことなどをほそぼそと書いています。

  • 理系の事業家のためのファイナンス

    理系の事業家が知っておいたら得するファイナンスの基本的な内容や実務での事例などを紹介、事業の一助になればうれしいです。(一部、会計に関わることも。)

最近の記事

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いまさらながら、プロフィール

ファイナンスの負債シリーズがひと段落したので、少しプロフィールを紹介いたします。 バックグラウンド 好きだったコンピューターが学べる高専の情報工学科に入学した。今思うと、とてもラッキーな選択となった。当時、高校がまだ週休二日制でない時に週休二日制のため休みが多く、出席確認も少なかったため、自由な時間を過ごせた。情報工学科の講義を受ける中、自分が情報工学科が好きではないことに気づい時にはかなりの焦燥感があった。そんな時、4年生(高専は5年制)の時に太陽光発電に出会った。自分が

    • 創業の時には、貢献と期待に応じた株価設定を!

       大学スタートアップの仲間から、出資時にいろいろ期待もあり、創業時の出資をお願いした方が、その後ほとんど貢献がないにもかかわらず、出資者として残っていることに憤りではないが、違和感を感じている話を伺った。 出資と株式配分を考える  まず、出資と割り当てる株式について考える必要がある。初めて起業する人は、最初の資本構成に関してあまり知識がないため、創業時の出資金に対する株式の割り当てを全員同じにすると思う。ただし、ここはよく考えてもらいたい。起業家であるあなたとその会社に1

      • 浪人までする必要がない大学受験が普通な社会

         可能性が無限の18歳の方達は、いわゆる志望大学にどうしても行きたいのであろうか?もちろん特別な職業に就きたい場合は必要かもしれないが、そうでない方たちはどうであろうか?私は、もう1年受験勉強するエネルギーを大学に行く目的である「やりたい学問」を大学で始めるほうが人生にプラスと考える。そこで、特別な必要性を除いた場合、志望校の設定から志望校以外に行くことについて少し考えてみた。ご自身や高校生を持つ親御さんの考えるきっかけになればと思う。 (前提として、大学の受験勉強はやりたく

        • 大学発スタートアップのすすめ

          現在、大学発スタートアップの起業支援をしており、日々、とてもオトクだなと感じることが多い。起業志向の方は、大学にその支援制度を目的に入学する事も選択肢にしてはどうであろう。それにより大学発スタートアップの希望者が増え、その質的向上は社会的に良いことだと考えてえる。 起業志向の方におすすめの要点を理解していただくことを目的に、オトクと思う点をまとめておく。 ヒト:大学にもよるが、技術や経営に関わる学部がある場合、それらの専門家の先生がおられる。それらの先生が参画していただけれ

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        いまさらながら、プロフィール

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        • 大学スタートアップに関わるコラム
          5本
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          4本
        • 理系からみたMBAの世界
          9本
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          21本

        記事

          一度決めたら最後、最初の出資者選択

          以前、下記のポストで起業メンバー選びについて書いたが、出資者の選択についても少し書いてみたいと思う。出資をお願いする前に、少しだけ立ち止まる参考になればと思います。  創業時に出資をしていただく場合、2つの重要なポイントがある。ひとつは、説明不要かとは思うが、最初の企業の運営資金を返済不要のリスクマネーとして調達できることである。もう一つは、その人(組織)が株主に名を連ねていることでそれら株主の「名声」や「第3者の保証機能」としてそれらの信用を借りることができる。米国のスタ

          一度決めたら最後、最初の出資者選択

          理系のMBA取得(卒業)後の方向性

           2021年の春入学を想定して、それぞれのタイミングで参考になるのでは?と思うことを中心に書いてきたこのマガジンも、おそらく最後のポストになるかと思う。最後は、やはり今後のキャリアの選択肢について書いてみる。私の同期や先輩方のお話を受けた事例から、私なりの理系のMBAのキャリアの選択肢を書いてみる。  内容が内容なだけに、完全な客観的な形にはならないかとは思うが、これから卒業に向けて論文のまとめや学習した知識を基にした事業計画の策定に格闘しているみなさまの筆休め(モチベーショ

          理系のMBA取得(卒業)後の方向性

          小さいスケールなら非公開会社

           新しい技術開発や新しいマーケット開拓が必要なベンチャー立ち上げには、起業せずに開始する方法もあるが、それだと他企業の協力を得難いので法人格が欲しいこともあるだろう。その一つの解として、合同会社があるが、ともすれば株式会社に比べて信用が劣る場合がある。そこで非公開会社という形で始めてはどうであろうか?  小さくも通常(公開会社)の株式会社の場合、取締役会と監査役が必要であり、その機関設計上、大変な点がある。現在、立ち上げ準備中の会社においても、監査役を誰に頼もうかや選任する予

          小さいスケールなら非公開会社

          最初が肝心、起業メンバー選び

           起業メンバーは、株主や取締役になり、末永く会社に影響を与えることはよく知られていることであろう。良いメンバーに恵まれればとても良いスタートが切れ、末永く余慶が続くことだろう。しかし、そこがうまくいかなければ、最初から色々な問題の源泉になり、余鞅が続くだろう。  そこで、どのようにメンバーを選ぶべきだろうか?自分が実際関わってみて思ったのは、当たり前ではあるが、 「今後、会社の役に立ってもらえるか?」 の視点がやはり大事ではないであろうか。「役に立つ」は個社ごとに事情が異なる

          最初が肝心、起業メンバー選び

          理系の事業家 | 研究開発系スタートアップの負債調達の現状

          前回の融資関連のポストはこちら  最近の株式市場、特にグロース株の大幅な下落から、将来のキャッシュフローを基にした資金調達が難しくなってくると推察される。その中でも、ディープテック系の融資については、市場リスクに加え、技術開発リスクもあるため、さらに資金調達が難しくなる恐れがある。これまで、いくつかの理由で負債調達の選択肢の提示を行ってきたが、最近の銀行の融資担当者との意見交換から得られた現状について共有し、資金調達の参考になればと考える。 根強い銀行の担保思想  ディ

          理系の事業家 | 研究開発系スタートアップの負債調達の現状

          理系のMBA 周囲との対話に注意が必要な時期(1年経過)

          前回はこちらから(時系列で書いており、単品だとわかりにくいかも)  そろそろ2年目のMBA過程が始まろうとしている時期ではないでしょうか?業務多忙な中、社会人学生として両立されている方も企業派遣や会社を辞めて新しい領域に挑まれた方も1年間お疲れさまでした。この1年間、真剣に取り組まれた方は、新しい考える軸をきっと得ていることだろう。そこで、自身の経験を踏まえて心がけたら良いのではと思うことをポストする。 周囲の普通との違いを理解 事業や財務についての知見が深まることで、こ

          理系のMBA 周囲との対話に注意が必要な時期(1年経過)

          理系の事業家が気にすべき、ファイナンスと事業の関係

          前回はこちら:  事業の資金繰りについてポストしたが、少し内容が上手く整理できていなかったと反省しつつ、少し違う切り口から大切な事業資金に関するポストをしたい。2-3回に分けて、ファイナンスが事業構造の決定に影響があることや、その巧拙が事業の浮沈に影響することを知るきっかけになればと考える。 資金の手当てが不十分な事業のゆくえ 事業には収益と費用の認識によって決まる損益計算書(P/L)的な考え方と、資金の出入りを示すキャッシュフロー計算書(C/F)的な考え方がある。例えば

          理系の事業家が気にすべき、ファイナンスと事業の関係

          製造系の理系の企業家が陥る、資金繰りの話

          前回はこちら:  これまで、理系の企業家(特に起業家)から距離があり、事業に重要な資金に関わる基礎的な話題を中心に取り上げてきた。今回は、特に製造系の事業家が事業運営を始めてみると気付く資金繰りのことについてポストしようと思う。本ポストで、事業を立ち上げ前に、最初から財務的に成立しない計画になってないかを検証する一助になればと思う。 損益計算書(PL)の罠、資金回収までできて事業 BtoBに関わる事業をしている理系の企業家が特に注意しなければならないのが、”掛取引”による

          製造系の理系の企業家が陥る、資金繰りの話

          コラム)ファイナンスの知見の投資応用|これからの理系の企業家向け

           これまで、理系の企業家(起業家や企業内起業家、新規事業担当者など)にファイナンスへの興味を持ってもらいたく、ファイナンス関連について15回程度ポストしてきた。これらの知見が、少しでも事業の役に立てたのであれば、これほどうれしいことはない。もう少し、ファイナンスと会計に関わるポストを続けようとも思っている。その前に、まだ企業家ではないが、弊マガジンを読んで下さっている方に、知見の応用先として投資(特に株式)についてポストする。これまでのポストを引用しつつ、それを応用した投資の

          コラム)ファイナンスの知見の投資応用|これからの理系の企業家向け

          少子化で考える、子供の教育機会

           少子化による問題が良く取り上げられる。一方、数10年前は人口増加が問題とされていた論調から考えると本当に大きな問題なのかだろうか。加えて、今の地球環境を考えると、ある程度の人口減は良いのではとも考える。  経済の観点では、需要側は、国内需要の減少は問題だが、海外の需要増を取り込めれば問題が緩和するとも考えられる。一方、供給側は、最近のロボット技術の急激な進展から作業人口減少は問題にならず、ロボットをフル活用し、生産能力の維持、生産性の向上が可能と考える。しかし、若者の母数が

          少子化で考える、子供の教育機会

          投資家と議論がかみ合わない時に参考になるかも、エージェンシー問題の研究

          前回はこちら:  理系とは縁遠い、スタートアップの事業に資金の供給に重要な役割をもつプライベートイクイティー ( PE )に関わる人たちのバックグラウンドをご存知であろうか?多くは、金融機関出身や(元)起業家が多いのではと考える。彼(女)らから資金提供を受け、企業を運営する中で、彼らとのコミュニケーションは重要になる。それは、特に当初収益がない研究開発系の理系の企業家にとって、そのコミュニケーションが資金提供の基礎となる信用の醸成につながるからである。  このポストでは、P

          投資家と議論がかみ合わない時に参考になるかも、エージェンシー問題の研究

          目的で異なる良い大学(弊息子との議論)

          前回の教育関連はこちら:  高校3年生の部活動も終わり、大学に進学を考えている生徒達は受験勉強モードというところでしょうか。弊息子も「受験勉強うつだ」などと言いながら一生懸命頑張っているようです。大学に行く目的や大学の情報収集をしながら受験したい大学について彼と議論する中で、いろいろな論点があることが分かりました。そこで、議論した主要な論点について徒然なるままに私見を書いてみます。(弊息子は理系のため、理系よりの内容となっております。)ご意見、コメント大歓迎です。 高偏差

          目的で異なる良い大学(弊息子との議論)