名前はまだないの独り教育再興戦略日記④

(1)GIGAスクール構想わくわく編②
 前回の続き
 前回、タブレット・wi-fi環境のセットがあれば、児童生徒が他地域の児童生徒と交流することができる授業構想を述べた。やはり未来の授業はわくわくするものでなくてはならない。これは、公教育に課された使命でもある。
 今、変化のスピードに追い付けない公教育に限界を感じている保護者、児童生徒、教員も少なくない。1クラス40人という規模で個に応じた教育、個別最適化の実現はなかなか難しい。並みの一斉授業、講義型の授業などは、やがて不要になると言ってもよい。優れた一方方向の授業であれば、YouTubeにあふれる時代がやって来る。そうなれば、厳しい集団生活、その中で繰り広げられる様々な人間関係のストレス、個に応じることが困難な学習環境は捨てられてしまうかもしれない。公教育は、危機的局面を迎えているのである。
 だからこそ、キーワードは「わくわく」である。しかし、公教育に携わる教員だけで、この「わくわく」を実現しようと気負う必要はない。そこでもGIGAスクール構想である。学校にwi-fi環境があれば、教員も自分のスマホを自由に使うことができるということである。大変な仕事は全てスマホ君に任せればよい。
 世の中にはマッチングアプリというものがある。こちらの希望や条件を設定して、それと上手くかみ合いそうな相手(校)を見つけてくれる場所を学校の外に作ればよい。ネット上であれば、学校専用アプリのようなものを開発さえすれば、すぐに実現可能である。
 例えば、「小五・社会科・4クラス・〇〇県」のように条件を設定し、相手の条件に見合えば、カップル成立である。そこからは教員同士が職員室のwi-fi環境を存分に活用し、個々に日程などの約束を取り付ければよい。
簡単なことのようだが、これは今までの学校では難しかった。教員には当然携帯電話など配られるはずもなく、職員室に固定電話が数回線ある程度である。保護者と連絡を取っている担任が数人いれば、電話が終わるのを待ち、順番で連絡を行わなくてはならない。wi-fi環境の整備で、教員一人一人が職員室の外とつながるデバイスをもつことになる。
 ところで、マッチングアプリのていで話を進めてきたが、結婚相談所のような形でもよいと思う。学校と学校をつなぐのをメインの仕事として働く部署を教育委員会に作ったり、外部業者に業務委託したり、NPO法人を設立したりするのである。教育委員会以外の団体に委託するのであれば、都道府県、世界をまたいで働く彼らには、ぜひ日本政府から報酬を出していただきたいところである。
 今までほとんどの教員が子どもたちに「わくわく」を与えるために、尽力してきた。その結果、学校に求められるハードルは年々高くなり、また多岐に渡る業務を一手に引き受けることとなった。厳しい環境の中でつぶれていく者も少なくない。現場の教員の願いはいつもこうだ。
「教員を増やしてくれ。」
わかる。とてもよくわかるのだが、私はこの願いでは不十分だと考える。はっきり言ってその場しのぎにしかならない。理由は、また今度述べたくなったら述べたいと思う。教員を増やすのではなく、仕事をうまく外部に回し、様々な大人たちの手で、未来の大人を育てるべきだと思う。
2020年8月3日(月)

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