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文春オンラインで書いた深津絵里記事の反響に思うサイレントマジョリティの存在と、『踊る大捜査線』の主役は本当は恩田すみれさんだったのではないかという思い出話

文春オンラインで朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の記事を、深津絵里さん中心に書きました。

オンラインのWEB記事と紙の雑誌との違いは、個々の記事の閲覧数がはっきりと数字に現れることで、たとえば紙の雑誌に掲載された記事は読者アンケートでも見ないかぎり記事単体の反響というのはわからないのだけど、WEB記事はもうそれが明確に出ます。

もちろん、TwitterなどのSNSで投稿した時にも、リツイートやいいねである程度のリアクションというのはわかるんですが、WEB記事のPV数は「シェア数」「リアクション」とはまた少し違うんですね。これは僕もライターとしてWEB記事を書くようになって知ったことなのですが、「シェア=反応の数」と「その記事を読んだ人数」は必ずしも一致しない。

たとえば冒頭にあげた今回書いた深津絵里さんの記事なんですが、Twitterでシェアされた数そのものは僕の記事の中で特別に多いわけではない。でも今回の記事、読んだ人の数がめちゃくちゃ多かったらしいんですね。
具体的なPV数というのは企業情報でもあり書けないんですが、文春オンラインで最もアクセスが集中するニュース記事レベルのPV数が、朝ドラ批評記事に集まるのは珍しい。その理由は何かというと、ほらCDBちゃんの原稿がよかったから…と言いたいところなんですが、ぶっちゃけやはり「深津絵里という人の未だ色褪せないカリスマ」なんだと思います。

SNSやメディアの『旬の人気、話題性』とは別に深く静かに支持されている人というのは他にもいて、過去に書いた記事だと『青葉家のテーブル』の市川実和子さんの記事、『大コメ騒動』の井上真央さんの記事などがそうでした。二つの映画はともにあまり公開規模の大きくない邦画で、普通はPVがあんまり取れないので記事を書かせてもらえないこともあるんです。でもこの二人なら、ということでOKが出て、書いたら本当にたくさんの人が読んでくれる。そんなにSNSやテレビで「話題の人」「時の人」という露出はしていない、落ち着いた活動をしてる俳優さんなんですが、静かに深く広く支持されてる人たちなんですね。

WEB記事を書くライターになる前までは、SNSのシェア数というのはなんとなく統計を反映しているように思っていたところもあるんですが、必ずしもそうではない。もちろんSNSのシェアというのはすごく貴重で、そもそも僕がライターとして声をかけてもらえるようになったのもSNSのシェア数を見ての話なわけです。でも、WEBライターをやってみて分かったのは、リツイートやいいねといったリアクションをするわけではなく「ただ静かに読んでいる」読者も世の中には多くて、それは単純にシェアからは測れない。そういう静かな読者層の存在を知ったことが大きかった。

深津絵里さんの話にもどりますと、彼女はここ数年、極端にメディア露出を減らしていたんですね。理由を本人が語った記事があまりなく探しているんですが、映画『悪人』で国際的に高い評価を受け、本来最もオファーが舞い込むタイミングで映画にもドラマにも急激に出なくなっていく。そこからの活動再開まもなくしての朝ドラですから驚いた人も多かったと思うのですが、一定期間メディアにほとんど出なかったにもかかわらず、いまだ多くの人に支持されている。

『踊る大捜査線』は、織田裕二さんが演じた青島刑事のイメージが強く(モノマネも流行りました)が、本当は深津絵里さんが演じた彼の同僚、恩田すみれの物語だったのではないかと思っています。『踊る大捜査線』の本広克行監督が押井守アニメのファンで、湾岸署が『機動警察パトレイバー』の特車二課の影響を受けていることは本人をふくめ結構いろいろな所で語られていると思うのですが、パトレイバーにならって警察ドラマを「公務員、役所の物語」として捉えたところが『踊る大捜査線』のひとつのポイントだった。

「都知事と同じ名前の青島です」という、織田裕二演じる青島刑事の初期の名台詞があったんですが、あれには理由があった。青島幸男都知事と『踊る大捜査線』はリンクしていたと思っています。

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