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子育てとは「新人育成」だと思っていたけど、こっち(親)だって新人だっつーの。

子育てって「新人育成」だよなー、と常々思っていた。

息子は右も左もわからずにこの世に誕生して、見よう見まねでたくさんのことを吸収して、褒められたり叱られたりしながらいろんなことを覚えて、すこしずつ「できる」ようになっていく。

息子は、この世界の「新人」だ。

知らなくて当たり前。わからなくて当たり前。
本人の努力と、わたしのサポートで、これから一人前になるひと。

子育てが新人育成だとすれば、まずはていねいに話したり見せたりしてやることが必要だし、あらゆる場面で気を配ってやって、口を出したり手を出したり、あるいはそれをせずに見守ることに徹したり。失敗しても、成功しても、過程を評価してやって、助言をしたり、次のチャンスを与えることが大切。

子育てだと思うから気負うことはある。やり方を間違えちゃいけないとか、立派に育てなきゃとか。だけど、新人指導やってまーす!くらいの感覚なら、本人の素質や努力に頼ることができるし、いっしょに仲良くやっていければいいなーなんてカジュアルな気持ちで育てていける気がする。


なんてことを思ってたんだけど。

よく考えてみたら、わたしも「母親」としては新人だったんだよなって。

息子を産んだ時点で、この世界のことは、生活に困らない程度は知ってだけど。「親」という分野に関しては、まったくの素人だった。

新人に新人育成させるって、やばくない?

いやいや、半年以上前から「異動」という名の出産あるって予告してたでしょってことかも知れないけれど、未経験の他部署への異動初日で「じゃあ、この新人、おまえに指導任せっから」ってどんなブラック企業なのよ。

立場違うかも知れないけど、むしろわたしと息子、同期じゃん。
わたしにとっての「こどものいる生活」的には、同期じゃん。


とは言え、わたしだってもう30年以上この世界でやってきた、いい大人。
これまで「新人」やった経験のひとつやふたつはある。

じゃあ、新人としてのわたしがやるべきことは何か。

決してわたしは優秀な新人じゃない。
はあ、資格?とくに持ってません。ええと、展望?とりあえず毎日がんばります。

それでいい、それでいいと思うんだ!

銀行に入ったら頭取目指すのは当たり前って大和田常務は言ってたけど。
そんな逸材じゃなくていい。その世界に入ってきた経緯なんてどうだっていい。大きな夢を持っていようが、この業界が好きすぎてやばかろうが、あーなんか成り行きで?チィースだろうが。
やることさえやればそれで何の問題もない。はず!

とにかく「新人」として、まずやるべきこと。
それは、毎日ちゃんと出社すること!

そして休みたいときは、ちゃんと相談する。
同僚(夫)に相談して、休みたいときは休む。パートのおばちゃん(実母)に代打をお願いしたっていい。休みたいときは休む。そんでまた出社する!

これで8割は「やれてる」。そして、自分で「やれてる」と思うことも大切。

仕事は積極的でなくてもいいから、自分がやるべきことを把握する。
自分がいまやるべきことは何かを考えて、とにかく実行してみる。
…ミルク作ればいいのか?…オムツ替えればいいのか?思いつく限りの手を尽くす。うまくなんてできなくていい。そんなのは回数こなせば自然と速くなるしうまくなる。そしていつか「…自分!オムツ替えられますっ!」って自信もって言えるようになる。
とにかく、やる!やる、やる、やる!

マニュアル(育児本)を読み込んで、ノウハウを学ぶのはいいことだけれど、わからないことがあったときは信頼できる先輩に相談する。はじめのうちはどの先輩が信頼できるかもわからないので、数人に相談してみて、納得できる答えや自分に合いそうなアドバイスをくれる人をリサーチするのも大事。
そして、頼ることを恐れない。自分は新人、わからなくて当たり前、できなくて当たり前だということを自分で受け入れること。責任をたったひとりで背負い込めるなんて思わないこと。

それから、自分にすこし自信がついてきたときとか、逆に自信がなくて不安になったときにやりがちなんだけど。ちょっとできるようになったからって、自分より就労(育児)時間の短い同僚(夫)や、ライバルになりそうな取引先(ママ友)に対して、無意味なマウントをとろうとしないこと。
同僚(夫)に手伝ってほしいことがあるのなら、それを素直に簡潔に伝えればいい。取引先(ママ友)のやり方が気に入らなくてもそれは自分には関係ない。
新人のうちから人間関係こじらせても何もいいことないからね!


新人の「新人育成」。

そりゃいろんなトラブルあるよ。うまくいかないことたくさんあるよ。
落ち込んだり、自分を責めたり、ひとを羨んだり。

うまくできなくていいんだよ。できなくて当たり前なんだから。
それでもやろうとしてるだけで偉いんだ。だって、新人なんだから。

何度ミスしても、諦めずに続けてるなんて努力家だ!すごいすごい!

わたしは息子が5歳になって、ようやくこのことに気づいたけれど、
あのとき必死だった自分に、この話をしてやりたかったなと思った。
「あなたすごいよ!」って言ってやりたかった。言ってほしかった。

そう思ったから、ここに書いてみた。


5年経っても「5歳児の母親」としては新人。
子供を育てることって、親にとっても、はじめてのことだらけ。

やってるだけでえらい。がんばってるだけですごい。

それを忘れずに、これからもマイペースで「新人」やっていこうと思う。

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