お気持ち表明

この文章を皆様の目に触れるところに出すのは、かなり抵抗がある。それでも、今自分が何を思い、何を感じているかを少しでも誰かに理解してもらえればいいなという思いで筆を執っている。

こういう言い方をすると語弊があるのは否めないのだけれど、昨日の試合、自分は正直「負けても仕方ないかな」という気持ちでモニターを眺めてしまっていた。古橋,山口,酒井高徳,アンドレス…みな疲弊していた。なんとかして勝ちたいという思いが、傷だらけの選手たちを前へ前へと急がせる。だが、苦し紛れのパスは通らずに、逆に相手のカウンターを食らう。いつもの自分なら「何やっとんねん!クローズにやれや!」とおそらく吐き捨てているのだろうけど、そんな言葉すら口に出す気にならなかった。

ひとつ言っておきたいのは、この連敗期間中神戸は全くもって希望のないフットボールをしているわけではないということ。個人的には寧ろ評価に値するレベルだと思う。こんな正気を疑う日程の中でも、フィンク監督及び首脳陣の方々は自分たちの目指す大まかなゴールを変えることなくチームを前に進めている。結果にこそ繋がっていないのが本当に悔しいけれど、やれることは確実にやっている。そこは勘違いしてほしくない。

Twitterにも度々書いているけれど、神戸のやり方はまず根本的に頭と体の両面に多大な負荷がかかるものだ。"相手を動かす"ということは、自分たちから動くよりもはるかに難しい。常に適切なポジショニングをし、適切なタイミングでボールをリリースして、適切なタイミングで走る。これを中2日,中3日で90分フル出場して行い続けるなんて自分には絶対出来ないし、どれだけ頑丈なプロのフットボール選手でもどこかで必ずガタが来てしまう。それを20人程度のアクティブなスカッドで行おうというのだから、ここ数試合のように後半にクオリティーが低下するのは当然である。

勿論、この状況を作り出したのは特定の個人ではない。なんとかして全日程を消化したい、というJリーグ側の事情も当然理解できるし(ACL組にここまで露骨に負担がかかるのはどうかと思いますけど)、降格もなければタイトルも望み薄な中、強化部が動きづらいのも(元からスカッド薄かったやんってのはひとまずおいといて)仕方ないことなのかもしれない。

でも敢えて言う。このままでは選手が壊れてしまう。昨日の試合は中2日vs中5日の対戦であることを逐一確認させられるような内容だった。「若手の成長に期待!」と言えば聞こえはいいかもしれないが(そうせざるを得ない面があるのは承知の上です)、今のままでは育つ若手も育たないし、何よりずっとスタメン出場を続けているコアメンバーの負担はもはや限界に達しているように思う。確かにフットボールは見たいし、神戸が勝つところだって見たいけれど、たとえそれで勝てたとしても酷使されながら徐々にパフォーマンスが落ちていく姿を見たいわけではない。

ここ1ヶ月ほどは、フィンク監督の交代策はほとんどが疲労を考慮したものだ。少なくとも、"フットボール"をやるための交代はできていない。今年何より重視すべきことは、首脳陣とフロントが一丸となって選手を守ることではないだろうか。少なくとも自分はそう思うし、その為ならターンオーバーなり2種登録の選手を多くメンバーに加えるなりするのは許容する。勤続疲労はプレーヤーを殺してしまう。降格制が戻ってくる(し、かつ過密日程が予想される)来年にパフォーマンスが落ちてしまっていては元も子もない。

8月の移籍市場では全くというほど動かなかった強化部だが、10月のウィンドーではどうするのだろうか。前述した通り、事情があるのは十分に理解している。だが、ピッチ内でどうこうするのはそろそろ不可能になりつつある。今手を打たなければ、修復できないようなダメージが与えられてしまうのではないだろうか。

クリムゾンレッドの戦士たちに"フットボール"をさせてあげてほしい。「勝ちたい」と無責任に言える日ができるだけ早くやってくることを切に願っている。