オノヅカ・シノブ

自分の好きなこと、気になってること、伝えたいことについて書きます。 友達が少ないです。

オノヅカ・シノブ

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最近の記事

短歌 「猫ネコねこ」

夕焼けに見向きもしない白猫と僕は孤独な博愛主義者 我が庭はスタジオジブリ野良猫がたどる軌跡も有意的なり この家で猫が飼われていたらしい何も覚えていない縁側 欠伸する猫の横顔いっぱいに開いた宇宙の入り口をもつ 甚平を着た四つ足の弟と挨拶交わす長い毛の猫 猫ネコねこ今宵はどれを抱いて寝る朝には消えてしまうのがいい

    • 短歌 「夢を」

      夢で見たいつもの道のその先の知らない家の松のある庭 夏空の夢引きずったままでいる初めて選んだチューハイの色 将来のお義姉さんかもしれぬひと夢の国にてぬいぐるみ抱く 将来の夢鉛筆でまだないと埋めてしまってからが本当 見る描く育てる繋ぐ諦める抱く引き裂く叶える夢を

      • 短歌 「学生の頃」

        クロアリの修学旅行についていく一番遠くに行けそうじゃない? 理科室のスパイごっこで見つめるはドアの向こうの仮想敵国 あと一つ最後の曲り角で待つ私のママは弟の母 別冊の答えの裏の記名欄ペンで書いたら強すぎました 二人ずつ歩く隣は通れずに私が半歩ずつ帰る道 校庭の掛け声背にし門を出る落ち葉積む音(ね)に見送られてる 中綴じの糸をなぞって考えるこれまでのことこれからのこと さざ波にアルトの記憶蘇る黒鍵多し大地讃頌 五時間の距離にすがりて毎日をくうねるいきるわれきせい

        • 短歌 「頑張るからね」

          しーちゃんは旅に出たからばあちゃんにべっぴんさんとして会いに行く 誰そ彼と笑いかけられて仕方なく骨に働く白い褶曲 ガーゴイル六階の窓の十センチ先の天気を教えておくれ 病院でトイレを借りた怖かった何も残してならぬ気がした すたすたと廊下前だけ見て歩く過去に荷物は置いてきたから カタカナの名前の人が青色のポロシャツを着て働いている スイッチで動く人形サヨナラの周期を規則的観測す エレベータ扉の閉まるのを待って鏡に映れば世の人になる また同じ嘘を重ねて帰るとき自分を

        短歌 「猫ネコねこ」

          短歌 「不可解な日常」

          ぬるま湯のシャワーを浴びることにより君を少しだけとっておきたい キッチンの電子音楽前倣え音程高い順に整列 左手にテーブルナイフ五本ありこれでいったい何ができるか ママが家出しそうにみえるから今日は皿洗いして学校に行く 中指の第二関節付近のみ死後の提供同意いたします 豆皿に乾いた素手でぶつかって鳴かせるたびに死刑執行 三杯のかき氷をのみ後悔の理由にできる人が目標 夏の夜の隅に小さく泣き疲れアケメネス朝に会いに行きたい 厚切りの食パン半分でいいから持って行きなよ夜

          短歌 「不可解な日常」

          短歌 「セカイでは」

          ―――――――――――――――――――――――――――――――――― もの言わぬ笑わぬ石の中の死者 痛みを知らぬ水底(みなそこ)の我 鳴る声にひれ伏す母の背をまねぶ子の目の端で蛙(かわず)が跳ねる エプロンの紐少し緩く結びおり素麺たっぷり茹でている母 んめぇ桃「福島」の文字見るにつけいつもの朝に静かに祈る ニッポンと小さく叫ぶ声よりも大きく囁(ささや)く声強き国 友だちを検索することはずすこと向き合えないまま縦スクロール 君のいないセカイなどもう……でも僕のキミ

          短歌 「セカイでは」

          短歌 「生きている」

          ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 青の自分 黄色の自分 赤の自分 パカパカパカパ 声を出したい まるで遺書のような言葉で君を呼ぶ仕方がなかった弱い人間 友の名と心にしまったバイバイを二十歳(はたち)の部屋でそっと取り出す 何度でも気づくわちょっと短くて光呼びこむカーテンの裾 妹の卵焼きを食う男の名 知りたくもあり知りたくもなし 冬の日に見ておれなかった太腿が光まぶしく跳ね返す夏 できるのねあなたに私を守ることツナ缶半分とってお

          短歌 「生きている」

          短歌 「恋すてふ」

            恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思いそめしか                      (第四十一番 壬生忠見) この歌は、百人一首の中でも好きな歌の一つです。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 千円の赤い口紅くり出して丁寧に塗る逢わない日にも 十七のわたしに欠けていたものは勇気ではなく弱さだったの    左目の形に恋す片目だけ見える向きにてあなたを愛す  蝶のごとき君と遠くなった日は 一人で一青窈を聴く日だ

          短歌 「恋すてふ」

          「明日、天気になりますか」

          友人に、雨が好き、という人がいて良かったと思う。 その友人と遊びに行った。 美術館をゆっくり見て、お昼ご飯を食べ、恵比寿あたりをぶらぶらして、 歩いて渋谷駅に向かっている道中だったと思う。 朝は降っていなかった小雨が降りだした。 初めはまだ雨の日の準備ができていない街の様子を窺うかのように、 次第に人々が足を速め、または傘をさしたいとは思うくらいに。 しばらく歩いていると、私の履いていた黒いPUMAのスニーカーはみるみるうちに重くなってきて、 あ、これ靴下までくるや

          「明日、天気になりますか」

          久しぶり短歌 「部屋で女がひとり」

          素敵な短歌に出会い、いいなあと思っていたら、 久しぶりに自分でも詠んでみたくなりました。 目の前でかたまっていく私 見て 大きく混ぜて ゆっくり混ぜて 真昼間(まひるま)にセミは鳴かぬと知っている あの日と同じ暑い夏には 100均で出会った葉っぱ 君の名は セイロンベンケイソウというのね 抜きすぎた眉毛は誰のために落ちていったのかと 鏡の前で 無花果を渡されている俳優にうちのも分けてあげると思う 三年もニシツノメドリがいる部屋でひとり女をやっているのです

          久しぶり短歌 「部屋で女がひとり」

          私がnoteを書く理由

          私がnoteを書こうと思った理由や、自分の言葉や文章に対する姿勢の振り返り、これからnoteを書いていく自分がいま思うことを書きます。 「自己紹介をします」と合わせて読んでもらえたらうれしいです。 読む人から書く人へ世の中にnoteなるものがあることを知ってからの約一年弱、私はいわゆる「読む専」でした。 そんな私が、自分でも文章を書くことに至った理由を考えてみました。 一言ではうまく言えないのですが、やっぱり自分は文章が好きで、書きたいという気持ちが心の奥にずっとあったん

          私がnoteを書く理由

          自己紹介をします

          はじめまして、私はオノヅカ・シノブです。 ちなみにこの名前は本名とは全く関係ありません。 noteを始めるにあたり、自分で考えた名前です。 はじめに「自己紹介」は自分のことをよく知らない人に、自分はどんな人間なのかを知ってもらうためのものです。noteを初めて利用する私が、皆さんに向けて自己紹介をするのは、当然のことでもあります。 しかし、私はこの自己紹介を書くことが楽しみだ、また自分自身にとっても意味のある事だ、と思っています。 それはいったいなぜか。理由は主に二つあり

          自己紹介をします