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デザイナーにも勧めたい「エンジニアリング組織論への招待」

こんにちは、スペースマーケットでデザイナーをやっている中原です。
特になにもしないまま夏が終わっちゃいますね、寂しいですね。

夏の空はいいよな!

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スペースマーケットというサービスの開発に関わっているのですが、私と同じようにデジタルプロダクトの開発に関わるデザイナーさんに特におすすめしたい本がありまして。

それが「エンジニアリング組織論への招待」です。

こちら、タイトルだけ見るとエンジニアの方向けのように見えますが、ぜひともデザイナーだけでなくプロダクト開発に関わる色々な職種の方に読んでほしいです!
(あまりデザイナー向けに紹介されているのを見たことがないので今回とりあげてみました)

チームでのプロダクト開発の際、発生する様々な「うまくいかないこと・困難なこと」に立ち向かわなくてはいけません。
コミュニケーションやプロジェクト管理など、みんながうまくやろうと努力しているのになぜかうまくいかない…

そういった問題にどのように立ち向かっていけばよいか、「不確実性に向き合う」というキーワードを中心にわかりやすく指針を示してくれる内容になっています。

プロダクトを作るということは、不確実性を下げていくということ

プロダクトを作ること(エンジニアリング)は、ユーザーニーズのような曖昧なものから実際のサービス・機能といった具体的なものを実現することだといえます。

なのでプロダクト開発はこの「曖昧さ」をいかに解消し具体化していくかということがポイントになってきます。この曖昧さ、将来どうなるかわからない確実でないもののことを経済学や社会学の分野では「不確実性」と呼ぶそうです。

曖昧さを解消して実現にむけていく、具体例だと

・仕様が決まれば実装方法が決められる
・メンバーの稼働状況がわかれば納期が見えてくる

みたいなことでしょうか。

不確実性とはつまり「わからないこと」によって生まれるのですが、人間にとって本質的にわからないことは「未来」「他人」の2つだけだ、と書かれています。

この「未来:プロダクトをどのように実現するのか(道筋)」と「他人:実現に向けて他人とどううまくやっていくのか」という部分の曖昧さを減らしていくことがプロダクト開発の成功の鍵だ、という理解をしています。

情報を生み出して不確実性を下げる

不確実性を下げるには、情報を生み出すことだと書かれています。

まぁ言われれば当たり前なのですが、実現したい体験が定まれば機能やサービスが決まりますし、それが決まれば仕様が決まり実現方法が決まり…と未来に対しての「わからない」を減らすことができます。

じゃあなぜこんな単純なことがうまくいかないのか。
本書にも書かれているように、「人間は不安(わからないもの)を避けてしまう」という習性があることが大きいように感じています。

具体的なやり方を決めればいいだけなのに後回しにしてしまう、人と相談して決めてしまえばいいのに後回しにしてしまう、などの行為がプロダクトがうまくいかない原因になっていることって結構あるような気がしているんですよね。

この本をいろんな人に進めたいなと思ったのは、不確実性を下げるための方法を知ってほしいというよりもむしろ「不確実性を下げるアクションを積極的に取りに行くことがプロダクト開発で重要なんだぜ!」ってことを伝えたいから、という理由のほうが大きかったりします。

本の後半ではどのように立ち向かっていけばよいのか、についてたくさん書かれているのでぜひ読んでみてください!

余談:アジャイル開発

私はエンジニアと一緒にアジャイル(スクラム)開発していた時期が長かったのですが、スクラムでやっていることなんてまさに「不確実性を下げる」ことばかりですよね…

タスクを見える化→実現するまでの道のりがわかる(やること、仕様)
ベロシティの計測→スケジュールの予測
デイリースクラム→メンバーの情報の不均衡をなくす
振り返り→実現を阻害する/後押しする要因を見つける

デザイナーの果たす役割

デザイナーって、この「チームの不確実性を下げる」ことに大きく貢献できると思うんですよね。

曖昧な仮説や要望を整理し検討する、実現したい体験を実際のUIに落とし込む、ユーザーのニーズを調査する、などなど。
曖昧なイメージから具体化(実装)につなげる、不確実性を下げるという点においてかなり重要な役割を担っているのではないでしょうか。

あとデザイナーの強みとして「わかりやすい形に見える化できる(ビジュアルに落とし込める)」ってスキルがあることですよね。
機能設計やUI設計に限らず。

ふわふわした要件やイメージを整理しみんなが理解できる、議論できる状態に情報を加工することができる。これは未来と他人の「わからない」を解消する強力なスキル(ツール)だと思っています。
この役割をデザイナーが担うんだ、ということをデザイナー自身やチームが認識しているかどうかでかなりデザイナーのパフォーマンスが変わってくると思っています。

デザイン(設計)という言葉は、ビジュアライズ(絵に落とし込む)のイメージが強いのなんでだろう…って疑問が少し解消されたような気がします。
設計もまた不確実性を下げることであり、その手法として絵に落とすことがとても効果的だってことですよね。

追記:いいたかったことが書いてあった↓

デザイナーに必要な視点

最後に、本書を読んでいて「あ、これはデザイナーに特に必要な視点なのでは」と思った部分をご紹介したいと思います。

人は正しく事実を認知できない

4つのイドラや認知の歪みなどが紹介されていますが、人間は事実をありのまま理解する、受け取るということができないと理解しておくことが重要だと感じました。
デザイナーは問題の本質は…とかユーザーインサイトとは…みたいなことを考えることが多いですが、情報を読み取って思考につなげる際には「自分の認知が感情や経験で歪んでいないか」「論理的な思考ができているか」など常に意識しておく必要があると思います。

本書にも繰り返し「問題の解決よりも問題の認知のほうが難しい」というようなことが出てくるのですが、問題を正しく認識・明晰化できないと解決方法も間違った方向に向かってしまいますからね。

大量のデータがあっても答えは出ない

あくまでデータは「仮説の推論」「仮説の(統計的)検証」の意思決定に使うものであって、データが答えを出してくれるわけではないということ。

デザイナーがデータを利用する(根拠にする)場面は多いので、うまくデータを使いこなしていきたいですね。

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興味出た方はぜひ読んでみてください!



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アリガトゴザイマス \( ゚д゚)/
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UI / Digital Product Designer デザインのこととか書けたらいいですよね〜それ以外のことでもいいですよね〜 https://www.711fumi.info/

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