2016年夏〜秋

 撮影場所を探して、僕の地元をいろいろ探索するが、開発が進んでしまい
10代のころに見ていた景色とは随分変わってしまった。
一から撮影場所の候補を選び直す。
そんな時、カメラマンの武井が「俺の地元を一度見に来てくれ」と誘ってくれた。
四方が山にかこまれている閉塞感、まだ残る古き良き商店街、鉄骨がむき出しのアーケード、開発が進んで行く途中の駅前、すべてが僕のイメージ通りだ。
 大学を卒業した武井は、是枝裕和監督作品を多く手がける撮影監督の山崎裕さんの下で助手についていた。いつか撮影監督としてデビューしたら、地元、高崎で撮ってみたい夢があるという。
武井自身が幼いころから見てきた風景を撮るということは、同じアングルから撮っても、映像の持つチカラがはっきりと違ってくるはずだ。
僕はなんの迷いもなく高崎を撮影地に選んだ。
 映画のタイトルは、大好きな映画『アメリカン・グラフィティ』にあやかって、『高崎グラフィティ。』に決定。

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