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【読書メモ】私の男(桜庭一樹さん)

「私の男」を読んでみた。

ここ数年読んだ本の中で、最もねっとりとしていた。個人的に「ねっとり大賞」を差し上げたいくらいだ。

ドロドロとか、愛憎劇、とかよりも、ただただ「ねっとり」。

震災で孤児となった少女が親戚の男に引き取られて、養子縁組の上、親子として生活をする。

彼女が社会人になっている場面から物語はスタートし、高校生の頃、中学生の頃、小学生の頃と、どんどん遡って物語が描かれていくため、「あれ?」と思った点の部分が、線になって、さらにその線が繋がって立体的な箱となっていく感覚が味わえる。

個人的には、こういうねっとりしたお話は苦手なのだけども、それでも一気に読んでしまったのは、この作品の魅力なのでしょう。

明日から念願の大自然キャンプにいく前、というタイミングで、なぜかねっとりとした作品を読破してしまって悶々とするが、読後もこうやって悶々とする作品は久しぶりなので、これはこれで良い本と出会えたと言えるかもしれない。

読んだ後に調べたのだけど、2014年に映像化もされているよう。このねっとりをどうやって2時間の映像作品に詰め込んだんだろう。観たくないような、怖いもの見たさで観てみたいような。

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