薄桜鬼 物語と各キャラの構造について


①土方/風間


薄桜鬼において、鬼というのは2つの意味を持つ。

1つ目は、風間を始めとする文字通りの鬼だ。
人→羅刹→鬼へと変化する土方と、常に鬼で有り続ける風間で対比になっている。

そして2つ目は土方という鬼の副長だ。
鬼とは新選組のため冷静非情に判断を下すことである。実際、彼が鬼の面を被っている間の新選組は勢いづいている。
鳥羽伏見の戦いで近藤と新選組がイコールで結べなくなったとき、どちらも手放せないと情を見せたとき、鬼の仮面は剥がれてしまう。
物語全体を通して鬼→人へと戻っていく。 


②沖田/斎藤


共に新選組の剣でありながら、性格はかなり対照的な二人だ。共通点は自分には剣の腕しかないと思っている、自己評価の低いところ。

試衛館の門下生だった沖田と左利きを理由に道場をたらい回しにされていた斎藤。
悪戯好きの男が利他的(近藤さんのため)で、滅私奉公の男が利己的(武士としてあるため)だなんて誰が思うだろうか。


③藤堂/原田


仲良し三人のうちの二人ではあるが、己を変える/環境を変えるという違いがあると思う。
余談だが永倉は、日々の努力をまっすぐ正しいことに使う人なので幸運があるだろうと思っている。(ダイヤモンドは砕けない概念持ち)

藤堂は新選組→御陵衛士→新選組に戻ってくるが、原田は新選組→彰義隊→満州(?)へと渡り戻ってこない。


余談


一般的な意味での変若水は不老不死の霊薬であり、羅刹は力の強い悪鬼を意味する。
作中では変若水が命の前借り薬として描かれ、風間を始めとする鬼に匹敵するほどの力を持つ羅刹となる。
吸血の要素を混ぜるのであればオリジナルの言葉を使って欲しい気がする。

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