オンラインイベントは、リアルイベントとは別物だ!考えるべきポイントまとめ
オンラインイベントはリアルイベントの代替か?
昨年末、イベントコンテンツを考えるときにこんなところに気を付けるといいんじゃないかな~というポイントをまとめた記事を書きました。ただ、昨今の状況から、みなさんの実感としてもあると思いますが、予定されていたリアルイベントが、オンラインイベントへ移行する例が増えてきています。
先日参加したPeatix主催のイベント(こちらももちろんオンライン)でも、
・Peatixのイベント登録数は80パーセントほどに回復
・そのうち90パーセントがオンラインイベント
と話していました。感染の広がるニューヨークでは、イベントの100パーセントがオンラインだそうです(当たり前ですね…)。
私が担当するパートナー(弊社ではクライアントのことを、”パートナー”と呼んでいます)も、リアルイベントを開催する予定だったところを、オンラインへの切り替えを検討し始めています。
しかし、徐々に「オンラインイベントは、リアルイベントの代替ではなく、別物なのでは……」と思い始めました。というのも、オンラインイベントは決してリアルイベントと同じ座組・準備でできるわけはなく、オンラインになることで企画・運営側として気にすべき点も変わるからです。
そして、オンラインイベントはリアルイベントに比べて、コミュニケーション量が減るのでは、と感じる方も多いと思いますが、オンラインイベントは関係構築の手段の一つとして、新たな機能を果たすようになると考えています。
そこで、今回はオンラインイベントを企画・実施するときに気にすべきポイントをまとめてみようと思います。
まずはじめに:オンラインイベントを分類するとどんな感じ?
その前に、オンラインイベントを分類してみました。
※主にソーシャルセクターのイベントを想定しています。ので、基本はtoC向け想定です。が、整理しきれていない部分も大いにあるかもしれません。それぞれでご検討ください(急になげやり。笑)
ちなみに、ソーシャルセクターが実施しているイベントのうち、オンラインに移行できないな…というのが、
・スタディーツアー
・ボランティア体験
です。今地や事務所での作業などが難しいので、残念ですが、明らかにNGです。再会&再開の日を待ちましょう…。
この4象限はイベントの目的や主催団体の特性、イベントの細かい内容によって、決してバシッと分けられるものではないかと思いますが、イベント内のコミュニケーション量と参加間口の広さの2軸で整理しています。
オンラインイベント種類ごとにきっと出てくる不満、懸念
さらに、それぞれのイベントで、参加者&参加検討している人が、きっと思うであろうことがこれ。
オンラインイベントで整理してみましたが、リアルイベントでも変わらないですね…。ただ、リアルイベントは最悪その場の雰囲気を見て、臨機応変に対応することも可能ですが、オンラインイベントでは企画・運営側が事前に解決策を準備しておかないと、そもそもの参加率も、せっかく参加してくれた人の満足度も下がってしまうことは容易に想像できます。
さてはて、オンラインイベントで、どうやってこのハードルを下げるか???
前回は、「イベントを企画するときに、①受容性 ②体感性 ③双方向性 ④間接共有性 を念頭にいれておくと、参加ハードルが下がると思うよ~」としていましたが、参加ハードルが下がる=参加時に関心をもってもらいやすい、単純に楽しそう!気になる!と思ってもらえる、ということで、こちらをオンラインイベント用に応用してみました。
ポイント①受容性:参加方法の選択肢を用意
リアルイベント:幅広い参加者を受け入れる
オンラインイベント:参加方法に、参加者の選択肢を用意
オンラインイベントでも、特にコミュニケーション量が多いものは、積極的に質問をしたり、議論をしたい人と、ただ聞くだけでいい人など、それぞれ参加の温度感が異なってきますよね。幅広く参加してもらいたい場合、参加方法の選択肢を用意すると◎
例えばこんなかんじ。
イベントに積極的に参加したい参加したい方:zoom利用
※チャットでのやりとり、質疑応答などゲストとのセッションができます
※参加登録いただいた後に、zoomのURLをお送りいたします
イベントがどんな感じが見てみたい:Facebook、Youtubeなどを利用
<URLを明記>
※主催側から反応しませんのでご了承ください
これはオンラインだからこそできることですよね!
あとは、オンラインイベントになると、人見知りさんはなおさら人見知りしてしまうかと思います。Peatixのイベントで「シャイハック」と言っていたのですが、まさに!シャイハックが必要だと思います。これは全体を通じて必要な視点だと思うので、以下のポイントも見ていきましょう!
ポイント②体感性:五感で味わう、をあきらめない!
リアルイベント:五感で味わう
オンラインイベント:五感で味わう、をあきらめない!
オンラインイベントで体感性というと、VRかな?とか、ついつい未来を感じるテクノロジーに考えがいきがちですが、アナログで!アナログでいきます!!!!!!
先日弊社が行ったとあるイベントでは、参加者の皆さん宛に、サプライズでイベント中に楽しんでもらえる飲み物やお菓子などをお届けしました。日時指定でオンラインイベント中に別々の場所に荷物が届く、そして同じ飲み物で乾杯もできる!という仕掛けはとても喜んでもらえました。
いまこそアナログに!オンラインイベント中の問いかけにたいして、落書き帳に答えを書いてもらって、それぞれテレビのフリップのように出してもらう等も楽しいと思います◎
相槌でうなづく、拍手、まる!、グッド!など、リアクションとして身体を動かしてもらうのも、一体感が出るのではと思います。
ポイントは、おとなになってなかなかやらなくなったことを思い出してやる!企画・運営側が率先して!
ポイント③双方向性:発声の場を設ける
特にコミュニケーション量の少ないオンラインイベントは、話す側もただ話すだけ、聞いてる側もただ聞いてるだけ…が続くと、お互いになかなかつらいですよね。(聞いてるだけが良い人もいるので、その場合はポイント①参照)
そこで、必ず1度は参加者のみなさんの発言の場を設けましょう!短い自己紹介などでもいいですし、「きこえてまーす!」などの一言でもよいと思います。「発言」というよりも、「発声」!
コミュニケーション量の少ないセミナー形式の類は、よくよく振り返ると実はリアルイベントでも、「発声」することって少ないので、これだけでオンラインイベントの雰囲気が変わると思っています。
あとは、質問を随時うけつけながら、進めていくこと。これもオンラインイベントならではだと思います。細かくリアクションを確認しながら、やりとりしながら話すような台本だったり、進行を意識するとよいと思います。
ちなみに、質疑応答の時間って、設けていることが多いですが、質問が出ずに「ちーーーん」となって終わることが多くないですか?全体のテンションが下がるならいらなくないですか?(笑)
オンラインイベントの場合も、質疑応答の時間は、あえて別途設定するのではなく、イベントを締めたあと、出入り自由タイムを作って、そこで聞きたいことがある人は話す、という方が良いのではと考えています。
リアルイベントでも、イベント終了後に残って個別に話をしている場合の方が多いと思いますが、そのイメージです。余韻を残す、イベントの余白を残すことができるのは、場所の制限がないオンラインイベントだからこそできることだと思います。
ポイント④間接共有性:イベント切り口はまずは好き勝手やってたらいいと思う
リアルイベント:イベント切り口は参加者にとって身近なものを
オンラインイベント:まずは好き勝手やってたらいいと思う
急に雑!と思いましたか。私も思いました。これは決してネガティブなわけではなく、至極ポジティブです。やってみよう、やりたいことを!
オンラインイベント、リアルイベントに比べたら、参加費も安いし、距離も関係ないし、途中で抜けてもいいし、準備も少ないし、それだけで参加ハードル下がってると思います。そんな中で、これまで行ったことのなかったイベントや、ちょっと敬遠していたテーマも、あえて聞いてみようかな…と思うこともあるんじゃないかな、と。
この未曽有の状況で、もはや何が「身近か」ってわからないから、トライ&エラーしてみるしかないんじゃないかな…。めちゃくちゃニッチでも、オンラインなら届くかもしれない。みんなでトライして、みんなで検証していくフェーズだと思います。オンラインイベント、開拓していきましょう。
最後に:オンラインイベントの立ち位置を再定義する
オンラインイベントは、リアルイベントの代替、むしろちょっと劣化版、というイメージを、この状況になる前は抱いていましたが、決してそんなことはなく、今後コミュニケーションの手段のひとつとして大きな意味を持ってくると思っています。
リアルイベントが再開できるようになった際にも
・オンラインイベントからリアルイベントに誘導する
・リアルイベントとリアルイベントの間にオンラインイベントを活用する
・これまで距離的に参加できなかった方向け
・グローバルイベントの実施場所として
といったように新たな機能を果たしてくると思います。
新たな手段、オンラインイベント。これから私もいろいろトライしてみようと思っています。つらつらとポイントを書いてきましたが、オンラインイベント実施を検討している方に少しでもヒントになる部分があれば嬉しいです。ここはこうじゃないか!というご意見・アドバイスも大歓迎。ありがたいです。
長々と読んでいただいてありがとうございました!
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