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【万年筆】沼に落ちる人の気持ちがわかったよレポート

何気に万年筆の書き心地に魅了され、一時は紙との相性の都合でボールペンなどに戻ろうかと思ったこともありましたが、結局万年筆をメインに手帳を書き続けることにした五十一です。

この頃、パイロットのカクノだけではなく、ラミーの万年筆も仲間に加わったので、自慢がてらレポートをログとして書いてみることにしました。でへ。
価格的には自慢するほどではないものですが、日本製と海外製、プラスチックとアルミ製の違いなどが面白かったので、「万年筆ってたーのしー!」ということに衝撃を受けた自慢として、書かせてください。

沼に落ちてとことんこだわりだす人の気持ちが、わかりました。

万年筆の紹介

今現在、自分が頻繁に使用している万年筆は4本です。
万年筆の一番のメンテナンスが「使うこと」であることは万年筆界の常識であると認識していて、それに倣って極力どの筆もマメに使うようにしています。
これ以上増えることがあれば、その時はレギュラーから外れる子も出てくるでしょう……。

では、これから少しくわしくお話させていただこうと思います。

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こちらが所持している万年筆です。
どれも比較的安価で手に入れやすい物ばかりです。
※字のくせの強さはそっと目を閉じてください……(˘ω˘)

・LAMY アルスター ディープパープル EF

 最もお気に入りの一本です。
 アルスターはボディがアルミ製なので他のプラスチック製のものと比べるとやや重みを感じるのですが、それが安定した書き心地を生んでくれています。
 シックな光沢としっとりとした握り心地もお気に入りの理由です。
 さらに、ドイツ製であるラミーは直線が多い日本語より曲線が多いドイツ語や英語に特化しているらしく、ぬるっとした書き心地をしています。
 その代わり、「線を横に引いた」ときにはやや掠れ易いような気がします。(書き癖も影響しているかもしれません)
 太さは日本製のカクノと比べると同じEF(極細)でも太めです。カクノのFくらいあるように感じます。
 その分インクフローが良いので、なおさらぬるぬる書けます。

 ボディの握り心地、色と光沢、太さ、書きやすさ、すべてにおいて個人的にとても満足している一本です。


・LAMY サファリ ヴァイオレット F

 こちらは今年(2020年)の限定色だったのでどこかで見かけた方も多いかと思います。
 ボディはプラスチック製で、オモチャのようなチープさがキュートな一本。そしてアルスターと比べると、当然のごとく軽い握り心地をしています。
 見た目に高級感はありませんが、性能はアルスターと同等です。遜色ありません。あくまで異なるのはボディの材質だけなので。(たぶん)
 こちらもカクノのFに比べると線が太く、インクもしっかり出てくれます。線が途切れにくいので、たくさんの字を長々と書き出したいときにはこちらを選択することが多いです。

 インク色を存分に楽しむならこのくらい太い方が堪能できそうです。


・PILOT カクノ 透明バイオレット EF

 「初心者におススメの安価な万年筆」代表のカクノ。こちらは限定発売されたカラーになります。
 ハイ、ワタクシは紫色が好きでございます。
 ボディはプラスチック製なのでとても軽いです。
 カクノのEFはかなり細く、やや引っ掛かりを感じます。
 これは紙との相性や書き癖もかかわってくると思いますが、個人的には直線が多い日本語が書きやすいような仕様にペン先が加工されているのかな、と考えています。(確信はありません)
 筆圧が高い傾向にある現代人に合わせて、ステンレス製の固めのペン先仕様になっているそうなので、それも書き心地に大きく影響しているのかもしれません。
 細かな字を書きこんだりする人にはマストな太さではないでしょうか。

 手帳などにたくさん書き込みをしたくて、なおかつ万年筆に興味がある方は、まずこちらを手にしてみてはいかがでしょう。

※リンク先はF(細字)です。


・PILOT カクノ ノンカラー F 

「万年筆を使いたい」と意識した自分が、初めて購入した万年筆です。
 インク色がみたくてクリアボディにしました。
 カクノのEFに比べるとうんと滑らかな書き心地です。太さも汎用性の高い、丁度良い太さ。日本製の繊細さを感じます。(偏見)
 逆に言えば特にくせもないのでそもそも太さで悩んでいる方には、引っ掛かりが少ない滑らかな書き心地、書いた文字のインク色を楽しみやすい、価格が安いので失敗しても気にならない等の点から、はじめの一本にカクノのFをおすすめしたいです。


かなりざっくりとですが、これだけ差を感じています。面白い。


グリップにも個性が

それから、カクノとラミーでグリップの形状が異なるのもこだわりポイントです。

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画像ではラミーのものしか用意していませんが(カクノの方はうまく撮影できませんでした(-_-;))、ラミーは上部に二面のくぼみがあり、下部は円柱になっています。
カクノは正しい握り方が自然とできるように、なだらかな三角形をしています。
グリップの形状でも好みに差があらわれそうですね。
個人的にはラミーのグリップ形状が珍しくてお気に入りです(*´ω`*)


万年筆に欠かせないインクと紙の相性

万年筆を楽しむうえで欠かせない、というか、むしろこちら目的で万年筆を使用してる方も多いと思われるインク。
毎年、様々なメーカーから把握しきれないほどのインクが発売されていますが、今回は簡単に、紙の相性の差とインクの質がメーカーによってこれだけ異なります、という点を少しだけご紹介しておきます。

そもそも、自分はまだインク収集の方には手を出していないのでインク瓶は一つしか所持していませんが、それでもインクの個性やクセをひしひしと感じています。

さきほどと同じ写真になりますが、比べてみたのでご覧ください。
※用紙はロイヒトトゥルム1917です。

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そして裏になります。

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ラミーのカートリッジインクは太さ問わず裏抜けしていないのに対し、SAILOR四季織 海松藍(ミルアイ)は裏抜けがやや見られます。PILOTのカートリッジインクもラミーと比べると少々抜けて見えますが、気になるほどではありません。
同じ紙に書いても、インクによってこれだけの差が生まれます。面白い!
四季織に関しては紙やインク色によってはもっと裏抜けしにくい相性も存在していると思うので、紙とインクの相性というのも、万年筆沼にはまり込む一つの要因になっているのかもしれません。
万年筆は紙を選ぶと言われているので、万年筆を愛用されている方の多くは、一度は手帳ジプシーを経験されているのではないかと……。(それはそれで別の沼が待ち構えている……)

※カバーのカラーバリエーションが豊富で、万年筆との相性も良いと評判のロイヒトトゥルム。愛用しています。


使えば使うほど楽しい!

あまり紹介らしい紹介にもなっていませんが、万年筆初心者なりに「初心者が万年筆を使って感じた様々な感想」をまとめてみました。
未体験の方を沼に引き込むには簡素な文章だと自分でも感じておりますが、なにぶんまだまだ万年筆については知らないことの方が多いので、今後も新たに万年筆やインクの仲間が増えたときにでもこうして感想をまとめ、良さや楽しさについてさらに語っていけたらよいな、と考えています。

万年筆は、インクと紙の相性の関係上、使い勝手が非常に優れているとは言い難い筆記具です。
さらに、水洗いなどの定期的なメンテナンスも必要ですが、紙探し、インク探し、定期的なメンテナンス、その手間暇ひとつひとつが万年筆への愛着を高めてくれる、本当に味わい深い筆記具だと、使えば使うほどに感じるのです。

気楽に一本、万年筆を持ってみませんか?

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