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熊本地震への活動とこれからの展望(野望)

随分、ボラステ関連でnoteを書くのが久々となってしまいました。「こんなこと書きたい!」というネタ帳みたいなのはたくさん溜まっていたのですが、いざ書くことまで至らず。そこで年末という時期を利用し就活以後頑張っていることの1つである私がボラステの熊本プロジェクトリーダーとして関わってきた支援の内容や想いをまとめてみました。4月の地震から早8ヶ月、大学4年生の1年間は熊本との関わりなくしては語れません。単なる備忘録のようになりそうですが、知ってほしいことがたくさんあるのでぜひご一読いただければと思います。
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1,募金活動開始
4/14,16と大きな地震がおき、今なお被害の影響がある熊本。私の所属する青山学院大学ボランティア・ステーションでは4/20から募金活動を始めました。きっかけは2つあります。1つ目は東北でボランティアのシンポジウムに参加した際に、長崎からボランティアしに来ている人がいる方がいて、長崎と東北の距離を考えたら、熊本と東京はそんな遠くない話だろうと思ったこと。もう一つは、去年塩竈の活動に参加してくれた熊本出身の後輩からどうにかしてほしいと言われたこと。この2点から縁もゆかりもない熊本への活動が就活真っ最中、教育自習の数週間前に始まりました。

募金活動はネパール地震やフィリピンの台風など今までもボラステで行ってきたことある活動のため、活動までの流れは非常にスムーズでした。しかし、ボラステ自体そんなに人数が多いわけでもないし、授業の合間をぬってやっていることもあり人的な部分で課題がありました。そのときに声をあげてくれたのが青学の体育会連合会の2人でした。体育会連合会はどの部活も所属しているというところから、非常に豊富なネットワークがあり、人数確保が容易にできるということでボラステが募金を行う上での問題点を容易にクリアしてくれました。ボラステ、体育会連合会双方がお互いのメリットを持ち寄り実現できたのがAGUくまもと応援募金です。毎日60人以上の学生が昼休みに構内に立ち、大きな声をあげて募金活動をしておりました。ちなみに私は一度も募金箱を持っておらず笑。どうやら、こうした企画を作り動かしてる方が好きみたいです。おかげさまで、街頭と振込を合わせて1,552,406円の募金額を集めることができました。また、募金には小学生6年生の女の子も参加してくれました。熊本のために募金活動を手伝いたいとわざわざ大学に連絡してきてくれました。急務の対応とともに次世代の育成も重要だと感じた出来事でした。今の小学生の行動力はすごいですね。

終わりの方にはNHKにも取材していただきました。手の位置が気になる。

この時も就活中だったのですが、5月からは教育実習も重なりひとまずここで一旦活動はストップ。しかし、教育実習先でも熊本への募金活動をしていたので、生徒会にちゃっかり手ほどきを伝えてきました。

2,就活終了から1回目の視察
おかげさまで6/1解禁で6/3には就活が終了しました。
就活の時に「学生時代頑張ったことは?」と聞かれることが多く、そのたびに「まだ、頑張るつもりでいるので、あくまで現時点で頑張ったことですが、、」なんて屁理屈を言っていたので、片足を突っ込んだ身として残りの大学生活でしっかりやり切ろうと思っていました。私たちにとってあくまで募金は活動のきっかけであり、人的なボランティアを通した支援を行っている団体ですので、やはり現場を見て何ができるかを判断することが大事だと思っています。そして7月に地震後はじめて熊本を訪問、視察を行うことになりました。ちなみに、熊本に行くのは初ではなく、2年生のときに一人旅をしている際に寄ったことがありました。

7月に行ったときはまだ発生から3ヶ月というところもあり、解体も進んでおらず、まだまだ先の見えない状況がありました。住民の方に話を聞いた際にも避難所での不安など長期化する避難生活に不安を募らせていたように強く感じました。その中で大学生として手伝えそうなところをヒアリングさせていただき、準備を行ったいきましたが、緊急支援と言うところもありニーズの変化にどう対応するかが非常に難しかったことを覚えています。

3,熊本プロジェクト、2016年夏期活動実施!
いろいろ準備の段階で変更がありましたが、8/14~9/3までの22日間活動開始しました。おかげさまで人生最後の夏休みは熊本で過ごし終了しました笑。活動はユニットハウス村支援、聞き取り調査、西原村ボランティアセンターの3つです。

①ユニットハウス村支援
特定非営利活動法人ピースウィンズジャパンが運営する犬や猫などなかなか普通の避難所では生活できない方のためのコンテナハウスで、清掃作業や炊き出し、イベントの開催など行いました。なお、私たちも住民の方と一緒にここで寝袋を持ってきて生活をさせていただきました。

②聞き取り調査
熊本大学の方と共同で、益城町内の仮設住宅において住宅に関する聞き取り調査を行いました。仮設住宅の入居は2年間という制限がある中で、仮設住宅を出た後にどこにどんな家に住むのかを中心にお聞きしましたが、この時はまだ入居してまもない時期でありコミュニティが確立しておらず、寂しい思いをされているお年寄りの方々などに少しでもお話ししてもらえるように促すことも重要視していました。中にはわざわざ仮設住宅の入れてくださる方もおり、その状況を深く知ることができました。手伝わせていただた熊本大学の方とも仲良くすることができ、何度か馬ハンバーグで有名な菅乃屋で食事をしました(菅乃屋には夏だけでも4,5回は行った(笑))。

③西原村ボランティアセンター運営
益城町に隣接する西原村において社会福祉協議会といくつかの災害NGOが運営しているボランティアセンターで運営を中心にお手伝いさせていただきました。運営に意識している部分は実は理由がありまして、ボランティアセンターはどの地域でも災害が起き、助けが必要とされる場合には開設されます。その際にどれだけボランティアをしたい人がいても意味がなく、それを上手くコーディネートできる人材がいないと十分な力を発揮できないと考えています。ボラステとして求める人材は例えボラステにいなくても、災害があった際にはその現場でボランティアコーディネーターとして活躍できる人材の育成です。その点で写真のように一見災害ボランティアのように見えないこうした電話対応も今後の防災を考えたら大きな活動の一つであると考えています。

22日間熊本に滞在している中で最も心に残っていることは、ユニットハウス村での活動と生活です。避難されている方と生活をともにすることは、ボランティアする人ーボランティアされる人という関係ではなく、近所に住んでいる若者としての関係の構築ができました。これはつまり通常の他に拠点をかまえてボランティアをすると朝来て、夕方には帰るといった一部の時間帯での関わりしかありませんが、1日中一緒にいるとボランティアをした後でも、子どもたちと遊んだり、炊事場で一緒になったりします。その時できる関係性はボランティアをしてるだけでは生まれない近所付き合いのような関係性の構築に繋がります。実際に、毎日私をお越しにくる4歳の男の子まで出現しました。こうしたボランティアをしにきたという堅苦しい関係じゃなく、生活をともにするような感覚は非常に重要であることに気づきました。今後の拠点もできれば仮設住宅に住みたいなと思っています。一人暮らしのお年寄りの多い仮設住宅などで生活すればかなり良い効果ももたらせると思います。また、長期ではなく、短期で多くの人が利用することが良いと思っています。やはり、支援者とは言え、長期での生活は難しくなってくると思うので、私たちのような短期でしか来れない大学生が仮設住宅に一緒に住むのがより良いかと思っています。なお、この取り組みは福島大学が「いるだけ支援」としてすでに取り組んでいます。
活動が終わったあとはすぐに、同窓祭への出店を行いました。これはOBの文化祭のようなものです。いつもは東北のものだけなのですが、今回は熊本の商品も販売いたしました。

4,南阿蘇村に訪問
夏の活動を実施している期間に青学OBで「ゼロの阿蘇」という南阿蘇村の被災写真を撮影している長野良市さんにお会いしました。その際にぜひ青学生も南阿蘇村に来てほしいとおっしゃっていただき、11月18日から21日にかけて南阿蘇村を訪問しました。南阿蘇村への道中は霧で視界が悪く、山奥に入っていく感が満載でした。南阿蘇村はもともとその豊かな自然から移住してくる人や別荘を建てている人などが多く、軽井沢のような雰囲気があります。そのため、青学生の好きそうなおされなカフェも多く、理想の田舎暮らしを感じられる場所でした。モンベルがあったのも驚いた。一方で被災状況としては、初めて益城町に訪れた7月にタイムスリップしたかのような状況でした。

物理的な被害だけでなく地理的なことによる復旧の遅れや行政との関わりなど問題は山積していました。しかし、そもそもの自然としてのコンテンツは豊富であり、もともとある資源を通した新しい南阿蘇村のPRの仕方が復興へのカギになると感じました。

5,今後の展望
今年の夏に行った活動は緊急支援がメインとなっていたので、活動を新しくしていく必要があります。そのために新たな活動の展開として南阿蘇村への視察を行い、今後は南阿蘇村を中心にしながら活動を行っていく予定です。東日本大震災のボランティアで培ったきたノウハウを活用し、長期的な計画を見据えた活動を展開していきたいと考えています。特に意識したいと思っているのは大学生のボランティアというよりも、住民主体の行動をどう生み出すか、社会的にそうしたボランティア活動がどういう効果を定量的にもたらすかというところです。ボランティアというのはあくまで手段であり、目的ではないと考えています。ただの体験におわらず、復興という前の状態よりもさらに良くできるような仕組みや方法を模索し、新たな価値を見出していきたいと思います。(後輩がやってくれます)今後の仕掛けとしては3月の春の活動と、4月に地震が起きたあたりの1週間をつかって「熊本ウィーク」というキャンペーンを青学内で開催予定です。詳細はおってお伝えしますが、青学一丸となって今後も熊本について考えられたらと思います。展望としましたが、面白いことしようという野望に燃えています(笑)

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最後になりますが、今年の縁もゆかりもない熊本での活動は大学最後の学年として周りの方にも恵まれていたと思うし、今までの経験を要し自分自身もしっかりと行動できた活動となりました。また、3月まで数か月ありますので、後輩の育成を中心にギリギリまで頑張っていきたいと思います。

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