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New体育論-Management Perspective-

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小学校で体育を指導しながら、スポーツ産業のマネジメントを学んだ私が、スポーツが発展するためにあるべき体育の姿を様々な切り口から解説するシリーズ。これまでにはなかった「新しい体育の…
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2022年9月の記事一覧

技の指導は本当に必要か

『New体育論』シリーズで紹介している体育観は、今持てる能力でゲームを楽しませることを基本のコンセプトとしているため、多くの領域に重要なヒントを与えることができていると感じている。しかし、体育が抱えている命題の一つである「技能面の指導」に関しては、十分な答えを用意できていないのではないかと考えた。 その理由は、複数の方から同じような質問が寄せられたからである。 ・New体育論的な考えでは、逆上がりの指導はどのように行いますか? ・高学年では〇〇跳びを指導するようになっていま

「できない」の原因は、能力か?環境か?

体育において「できる」ことを目指す技能主義的な態度は、しばしば批判されている。私もこの『New体育論』マガジンを通して、技能主義あるいは能力主義に立脚する体育へのアンチテーゼを多数述べてきた。しかし、今回はあえて体育における「できる」について考えてみようと思う。それも、「できる」ではなく、その反対の「できない」について深く考えることで、何かヒントを得ようと試みる。 ディサビリティとインペアメント体育における「できない」を考える前に、日常生活における「できない」の話をする。例